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批評 『BELIEVE 日本バスケを諦めなかった男たち』、Prime Video、2024年

「ワールドカップ2023」でのバスケットボール男子日本代表の激闘を収めたドキュメンタリー映画である。
この映画は、昨晩見つけたのであるが、下の私の書評で書いた内容が映像化されていたので、分かりやすいと思うので、興味がある方は、ぜひ見ていただきたい。

私は、いかなるスポーツにおいても戦術オタクではない。戦術は、選手の能力を最大化するために使うもので、選手ありきで、監督がその選手を活かすために与える「タスク」の方が重要だと考えている。

ただ、2010年代にバスケ界に起こった「革命」は、ゲーム自体を変化させた。観る側のこちらも、頭を切り替えなければならないと思い、書評を書かせていただいた。

それでは一つずつ確認していこう。「ペース&スペース」という思想であるが、まさに本作の冒頭でホーバスHCが語っている。彼は「速さとスペーシング」と言い、日本人に一番向いているバスケットボールである、と述べている。

次に、「5out」という戦術であるが、ドイツ戦の後半を観てほしい、5人が3ポイントラインの外側に立っていることに気が付くと思う。

ここで、もう少し細かく見ると、コートの両翼に二人の選手が立っていることに気づく。ここが、「コーナー3」と呼ばれるところで、ゴール下の次に、得点期待値が高い場所である。

ゴール下にドリブルで切れ込んだ選手が、シュートを打てそうなのに、シュートを打たず、パスアウトするシーンもあったが、それは、コーナー3に立つ選手がフリーになるのを見越して、カットインしているのである。

また、フィンランド戦では、「4out1in」という日本が次に良くとる戦術を使っているのが、分かると思う。相手が大きな選手(210cm以上)を入れてきた場合、こちらも大きな選手を入れなければならない。

3ポイントシュートを打てる選手なら、外側におけるが、打てない選手なら、中にいれて、高さの方を有効利用するのである。ちなみに、現在のNBAでは、大きな選手には、3ポイントシュートが必須の能力として求められている。

以上を頭に入れておくと、バスケが観やすくなるので、ぜひ、このドキュメンタリーを観てほしい。

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