片頭痛と鍼


近年女性を中心に悩ませている片頭痛。気圧や気候の変化、または月経前のホルモンバランスの問題から見られます。

一般で最も多い「緊張型頭痛」は頭痛は、筋肉の拘縮で起きますが。片頭痛の原因は血管の拡張です。

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片頭痛とは

片頭痛の痛みは、筋肉の拘縮によるしめつけられるような痛みではなく、最も特徴的なのは、拍動です。どくどく、ズキズキとした反復性の痛みがあり、ひどいと悪心、嘔吐、目がちかちかするなどの症状が現れます。

頭痛の70~80%は前述した「緊張型頭痛」で、残りの内、約8%が片頭痛です。男性の数の2倍、女性が多く訴える症状です。

また、遺伝が関係してるとも言われています。

片頭痛の原因は頭の血管の拡張による痛みですが、なぜ血管の拡張が起きるのでしょうか。

片頭痛の原因

血管の拡張の多くは、疲労・ストレスなどの緊張状態が続き、心身のストレスから解放されたときに急に血管が拡張することがあります。そのため仕事のない週末などに「片頭痛」が起こるという方も多いです。主にこめかみから目のあたりが発作的に痛み、痛みの発作は4時間~数日間続きます。

血管拡張は下記のような理由で発生します

①低気圧・・・低気圧になると、空気中の酸素濃度が下がります。身体が酸素を吸収しようとして拡張が起こります。

②日差し・・・強い日差しを浴びると、身体で最も上にある頭が温まり、血管の拡張が起こります。

③運動・・・スポーツや急な激しい動作などで身体が温まると血管が広がります。さらに心拍数が上がると勢いよく血液が血管に流れ込み、痛みが起こります。

④アルコール・・・アルコールは脈を速くするので片頭痛を起こしやすいですが、特に赤ワインに含まれている「チラミン」とゆう物質は血管を収縮させその後急激に戻るので、血管を広げやすいです。また、赤ワインと相性の良いチーズやチョコレートにも同じ物質が入っています。

⑤月経・・・生理中「エストロゲン」という卵胞ホルモンが減少します。それに伴い「セロトニン」という血管を収縮する作用がある脳内物質も減少するため血管が広がります。

ちなみにこの「セロトニン」は別名「幸せホルモン」と言われていて、感情や気分のコントロール、精神の安定に深く関わっています。 生理前や生理中はこのセロトニンが不足するため、いつもよりイライラしたり、気分が落ち着かなかったりするのは自然な現象と言えます。

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片頭痛と鍼施術

片頭痛に鍼灸は効きます。

しかし、片頭痛の場合、頭痛が起きているときに施術を行うのはNGです。

一般の筋肉の拘縮により起きている頭痛は、筋肉を弛緩させれば症状が引くため、症状が起きている時の施術は非常に効果的ですが、片頭痛の場合、血管の拡張による症状のため、拍動している血管付近に鍼をすると症状がむしろ悪化してしまう可能性があります。

片頭痛の場合、痛みがないときに施術を行うことで出ないようにコントロールするのに有効です。

自律神経系を調整し、血管運動を安定させることにより予防をします。

片頭痛予防のための体質改善

前回のコラム「頭痛の種類」で実証・虚証について書きましたが、片頭痛が起こりやすい体質や体調を見極めることにより普段から対策することが可能です。

片頭痛は低気圧や日差し、アルコールと言ったように外から来た何かしらの要因で発生することが多いため、多くは「実証」です。

実証の場合、身体に余分な熱や湿が停滞しているため、取り除くことが必要になります。

【生活習慣にて気を付けること】

・アルコールを控え、もしも飲まなければいけない状況なのであればその分水を多く摂取することを心がける

・熱いお風呂ではなく、適温のお風呂に浸かる

・熱や湿を除く食べ物を積極的に摂取する(大豆・ごま油・ゴーヤやキュウリなどのウリ科の食べ物、シソや大根といった主に夏野菜といわれるもの)


虚証の場合、激しい痛みではなく慢性的に我慢できるほどの拍動が起きます。

また、体内の血が足りていないため、血が頭部をうまく栄養できないため起こります。動くといっそう消耗するので、無力感や食欲不振、浮腫みなどを伴いやすいのも特徴です。

【生活習慣にて気を付けること】

・休養を意識してとる、取れない場合もリラックスできる時間を一日の中で見つける。(外の空気を意識して吸いに行く・ゆっくりと深呼吸してみる)

・血が足りていないため、血を滋養させる食べ物を意識して摂取する(魚介類とくに牡蠣やあさり・レバー・肉・魚・卵・玄米など)

・コーヒーや紅茶などのカフェインには、タンニンとゆう鉄と結合して鉄の吸収を悪くする物質が含まれているため避ける

・ハムやソーセージ、練り製品、加工食品や清涼飲料水、スナック菓子などに使用される添加物の一種であるリン酸塩は鉄の吸収を阻害するので避ける


このような心掛けが必要になります。

ご自身での心がけ、そして、予防のため鍼灸施術はおススメです。

私自身、生理前や天気が悪くなりそうな際は、自身の頭に刺鍼し、自律神経系の調整を図っています。

ぜひ試してみてください。


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