頭痛の種類

東洋医学の頭痛の捉え方をお話いたします。

まず本題に入る前に、いくつか理解しておく必要があります。

八綱弁証

痛みが入り込んでいる位置、性質、原因となっているものと抵抗力のバランスを把握するため「表裏・寒熱・虚実・陰陽」の8つの基準を用います。

八綱」(はっこう)といいますが

これを元に診断していくことを「八綱弁証」といいます。

そして東洋医学の基本中の基本の捉え方

陰陽説

物事を陰か陽かの2つに振り分ける考え方。例えば男は‘‘陽‘‘で女は‘‘陰‘‘です。太陽は‘‘陽‘‘で月は‘‘陰‘‘。


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他にも下図のようにとらえます。

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例えば、月の満ち欠けと女性の生理は密接だとして、月経管理で有名なアプリなんかはルナルナ(月)ですよね。

「実」と「虚」

「実」という言葉には”充足、堅実、足りる”という意味がありますが、実証とは余分なものがあり過ぎている状態なので、この場合不要なものを排出する方法をとります。

「虚」とは、体力・抵抗力の減退や衰えに対して使われますが、”不足・不充分・足りないことを意味しますので、不足したものを補う方法をとります。

表」と「裏」

病気が体のどの位置にあるのか、その深さを意味します。身体の表面にある場合を「」、現代医学的にいえば、皮膚、皮下組織、筋肉などに相当し、

内面にある場合を「」と言い、現代医学的には、消化管、腸間膜などの体内の臓器に相当します。

そして

裏・寒・虚は「陰」の性質

表・熱・実は「陽」の性質

を持っています。

「実証」による痛み

実証による痛みは、身体に余分な湿が停滞し引き起こしてる場合の痛みなので、体内の流れを良くし、停滞しているものを外に出す必要があります。

・突然激しく痛む

・痛みの箇所が移動する

・または痛みの箇所が固定している

・触ると嫌な感じがある

このような特徴が見られます。

 さらに、

身体のが余分に停滞し起こっている頭痛では

・微熱や発熱があり汗が出る

・冷たいものを好んで食べたくなる


身体に湿が余分に停滞し起こっている頭痛では

・頭全体が重たく、下に押さえつけられるような痛み

・イライラして気分が悪い

といった特徴が見られます。


「寒証」による痛み

身体に必要な栄養分が足りずに体力が消耗し起こっている痛みです。身体を温め、しっかり栄養を補給する必要があります。

・長引く慢性的な痛み

・しくしくと痛む

・触ったりマッサージされると痛みが和らぐ

上記3つが特徴として挙げられます。


また、身体のエネルギー不足状態を「気虚」と言いますが

気虚による頭痛の特徴は、

・疲れると悪化する

・身体がだるく食欲がない

・顔色が悪い


身体に必要な血が不足している状態を「血虚」と言いますが

血虚による頭痛の特徴は、

・キリキリと刺されるような痛み

・顔が青白くなる

が特徴です。


少し理解していただけたでしょうか?

「痛み」の正体を把握しなければ、間違ったケアをし悪化する場合があります。実証かつ湿が停滞している頭痛に、無理矢理マッサージをしても悪化しますし、そもそものエネルギー不足が原因の頭痛の場合、西洋の薬ばかりに頼っていても症状は繰り返し起こります。


次回の記事では、もう少し詳しく頭痛のことについてお話していきます。










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