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亀山耕平という男

ご存知の方も多いと思いますが、先日行われたW杯ドーハ大会で男子体操のオリンピック最後の1枠に先輩の亀さんが選ばれました!!

亀さんは入社当初からたくさんのアドバイスをしてくれて、いつもお世話になっている先輩です。

僕が入社したときはもうすでにあん馬1種目に絞っていましたが、そのあん馬に取り組む姿勢、体操との向き合い方を見て、体操選手としてあるべき姿は亀さんだなと感じました。

尊敬しているそんな亀さんがオリンピック代表に決まって嬉しくないわけがない!
ドーハ大会のライブ中継にかじりつきながら、どうかうまくいってくれ。
成功してくれ。自分の演技がしっかりできてほしい!そう思って応援してました。

無事にオリンピック代表に決まって安堵の気持ちと、オリンピック選手になったんだ、、という興奮が後から沸々と湧き上がってきました。

亀さんがここにたどり着くまでにたくさんの葛藤、苦悩もあったと思います。
今日は僕が見てきた亀さんについて、すごいとこや意外な事を書いていきます。皆さんに亀さんの魅力を少しでも伝えたい、そしてオリンピックで一緒に応援してほしいなという思いで書きます。

2013年アントワープ世界選手権

主な経歴といってもわざわざ僕のnoteで書くほどでもないので印象に残ってるところを選出していきます。

2013年アントワープ世界選手権あん馬金メダル
僕が高校1年生の時に世界1になってました。今考えるとやっぱりすげえ笑

日本人で2人目とかの金メダルで亀さんが注目されるようになった大会だと思います。
今でも覚えてるんですけど、確か予選をギリギリで通過して、決勝では完璧に演技をして優勝!!だった気がします。
その時僕は香川県の寮で先輩と2人で応援していました。
演技を見ながら

「いけいけ!その調子!最後まで行っちゃえ!」

みたいなことを言ってた気がします。
先輩は
「亀さんのおりが終わった後、ガッツポーズをしてスッと一歩下がりながら礼をするまでの流れがスマートで好きやわ〜!カッコええわー」とか言ってました笑

世界一に名乗りを上げた瞬間だったんです。

でも亀さんはその当時のことを振り返ってこう言ってました。

演技のときはあまり覚えてない。

そして世界一を取っても俺の人生は劇的に好転することはなかった。

演技のことは置いておいて、そのことを聞いたときはすごい衝撃的でした。
このことは僕の人生観が少し変わる話でした。

体操を小さい時からやってきて、アテネオリンピックの金メダルに感動して、僕もああなりたい。と思い、それを最終的なゴールにして体操を15年間ほどやってきました。

なんとなく、本当に漠然とですが、体操で結果を示せば人生全てが好転する。上向きになると思ってました。体操での成功すれば、その後もずっと幸せなんだろうなと。
世界で金メダルを取れば、人生変わるなって思ってたんです。

でも亀さんの話を聞いて、そうじゃないんだと知れました。

一年、二年もしたらほとんどの人は俺のことなんか覚えてない。少しの間ちやほやされただけって言ってました。

よく考えれば、そりゃそうだよな。だって僕も北京、ロンドン、リオのオリンピックで体操以外の選手ってパッと思い出せるのはそんなにいないなって。体操でもアテネ以前のオリンピック選手もわからない。
他の人にとってもそんな感じなのかなって思い、体操の成功の捉え方が変わった出来事でした。

バラエティに呼んでもらっても面白いことが言えるわけでもないし、大会のコメントが上手いわけでもない。何やってんだ俺。って思ってたそうです。

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だから結果を出してからではなくて、出す前に準備をしとかないといけない。

こういうことを世界戦にも出てない僕が直接感じれるのは非常にありがたいなって思いました。

2014年南京世界選手権

次は翌年の南京世界選手権です。

2連覇がかかった試合でしたが、予選のあん馬で落下してしまい、種目別決勝には残れませんでした。
団体決勝の日は予選で失敗のあった技を回避し、見事通しきり、高得点を叩き出しました。
そして、順調に日本は演技を進めていき、中国と差をつけて最終種目の鉄棒まで行きました。航平さんが鉄棒を決めたときは念願の団体金メダルだ!!って誰もが思いました。

しかし、中国の追い上げ、地元開催という追い風もふき、逆転不可能と思った点数差をひっくり返されてしましました。その差は0.1未満だったような気がします。

あのときは日本で見てた大半の人がジャッジに不満を持ったはずです。
少なくとも僕はあの点数の出方に不満はありました。

亀さんもあれはおかしい、なんでやねんみたいな不満そうな顔をしてるのがテレビ越しに見て取れました。(本当はどう思っててかは知りません)

その後

その後、2015年グラスゴー世界選手権で「忘れ物を取りに行く」というキャッチフレーズをもとに体操日本代表は見事、悲願の団体優勝を収めました。

しかし、そこには亀山耕平という選手はいませんでした。

そして2016年リオオリンピックの代表に落選してから一度は引退を決意し、体操を辞めようとしていました。しかし米田監督に引き止めてもらい、現役続行をすることにした翌年、モントリオールの世界選手権に日本代表として選出されました。(いや、辞めようとしてたのにすごいな。)

しかし、この世界選手権でも予選で満足の行く演技はいかず、決勝に進出できませんでした。

これらの経歴を振り返って改めて世界一ってどんだけ遠いんだよ。って思いました。
2013年に金メダルを取っていること、亀さんのスコアを考えても、世界で1番になれる力はある。
なのに2014年〜19年までの6年間金メダルは取れなかったということ。

体操はぶっちゃけると、本当に体に悪い。他の競技も怪我とかは多いと思うけど、体操の競技力のピークが20台前半から半ばなのは、体が練習に耐えれないからだと思ってる。一概にそうとは断定できないけど。

世界一を取ろうという練習は過酷であることは容易に想像つくだろう。
しかし、何よりもその過酷な練習を6年間続けることがどれだけ大変か。
そして、続けているのにも関わらず、結果が一向に出ない。うまくいかない。
あん馬一本とはいえ、体操選手としての身体的なピークは過ぎている。
同年代の人たちは徐々に重要なポジションについているのに俺はまだ社会にも出てない。

このような葛藤があったんじゃないかと僕は見ていて感じた。

亀さんを尊敬する理由

僕が亀さんを尊敬するには理由があります。

それは体操が上手いからではありません。

体操が上手い人はすごいなと思うことはしばしばありますが、それと尊敬は別物です。

尊敬する理由の一つとして、僕と僕と似ている部分があって共感するから。

亀さんはあん馬の才能には恵まれいると思います。でもあまり器用な方ではないと思います。
技一つ覚えるのにも時間がかかったり、思わぬところで怪我をしてしまったり。

亀さんのあの体がピンピンに伸びた旋回(今は旋回の仕方を少し変えてるかも)や開脚移動とかはもともと持っていたものではなく、作り上げたものです。

自分なりにこうしたらいいんじゃないか?
こうなったからじゃ次はこうしてみよう。

といった仮説検証を何度も行い、自身が求める完璧な演技を作っていってます。

そのコツコツと積み上げて、なおかつ成果を出しているところに自分の目指すべき選手像を重ねました。

しかも亀さんのアドバイスは割と僕にあってることが多いんですよね。
自分の道の先に行く人はやはりすごいと思うし、もっと吸収したいと思います。

尊敬する2つ目は物事を俯瞰的にみて自身に生かしているところです。

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どこか冷めているというか、達観してるというか。 もはや仙人です。亀仙人笑

自身の経験はもちろん、メンタルトレーナーや本、人の話など、様々なところから情報を取ってきて、自身の成長につなげる姿勢。
ざっくりいっちゃえば考え方が大人だなと。

あー、なんだかこの文章だとうまく伝わってる気がしない。
(ならもっとうまく書けよ)

そうだなー。学び続けているところという表現が近いのかな。

今の僕の語彙力だとこれが精一杯みたいです。

まぁ慢心せずに、ひたすら自分磨きをして、自分の限界に絶え間なく挑戦してる人ってかっこいいですよね。

そう!カッコいいっていうのがしっくりきますね!この写真カッコいい。

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亀さんの印象に残ってる言葉

感動を与える演技をしないとダメだ。
俺はなんやかんや体操をやらされてしまっている。
なぜ体操をするのか考えて考えて考えまくって、スッと腹に落ちる瞬間が来るんだ。
易きに流れるな。
積み重ねることは辛いんだけど、最終的にはそれは楽しいに変わっているところが体操の、ひいては競技スポーツの面白さの一面。
どれだけ少年の時の感覚を取り戻せるか。
練習はつまんない。でも楽しもうと練習をしてる。
物事は複合的に絡み合っている糸のようだと感じる。

他にもたくさんあると思うですけど、僕の脳のキャパじゃもう思いつきません笑

でも亀さんのコロナ化の時に始めたyoutubeではこういうたくさんの気づきが得れる言葉があります。
あん馬ばっかり、同じような練習ばっかりであんまり見てなかったなーって人は勿体無いので是非見てみてください。⬇️
https://youtube.com/channel/UCtm6x_w8-Wm83ZRQQ8LsqRw

総括

途中からやや脱線しかけたような気もしますが、ざっと僕からみた亀さんを書いてみました。

まだまだ書きたいことはあるんですけどね。


リオオリンピック落選から5年、世界選手権金メダルから8年、体操を始めてから30年経つ亀山耕平。
2017からはあん馬1種目で東京オリンピックを目指して、日本にスペシャリストという新たな戦い方を示したパイオニア。
2018年から始まった種目別ワールドカップ、全8試合、明確な基準がない中ゴールの見えないトンネルの中で、綱渡りをしているような精神状態で2年間の戦いを経て、最後の一戦を前に延期になったドーハ大会。約1年の時を経て掴みきった東京オリンピック最後の1枠。
32歳にしてオリンピック初出場。
世界一を経験したこと、体操をやめそうになったことや、髪型を変えてアプローチしたこと、様々なドラマがあった体操人生の最終章。

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その人のことを間近で見れて、知れて、応援できることが本当にありがたい。

亀さんが最高な演技をできることだけをただただ願う。
みなさんも体操日本、そして亀山耕平さんのことを応援してくださると嬉しいです。


ps
亀さんの意外な一面はよく忘れる事です笑
その分一つのことに集中してるともいえますね!


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