京都でグループ展「誰の性」
【京都グループ展『誰の性』】
今回のグループ展示場所は、築100年の銭湯「九条湯」です。『日本書紀』では6世紀、欽明天皇の時代に百済より仏教が伝わり、寺院に風呂が広がりました。江戸時代には町ごとに風呂ができ、江戸庶民の社交場となり、入り込み湯という男女混浴の形でしたが、江戸末期には風紀の乱れとともに男女の間に仕切りが入るようになりました。そのような背景もあり、「性(せい)」というテーマを選んでいます。
昔も今も変わらず、誰もが身近なことでありながらも、タブー(公で言ってはいけない)とされるような文化的なものですが、「性」を見つめる視点は住む世界でさまざまです。今回の展示をする3名がとらえる「性」についても、三者三様の世界観があります。
「性」という概念を理解することは容易なことではありませんが、理解しようと試みることでタブーを明らかにしようとしています。「性」は身体の機能によって規定されるのか、それとも文化によって規定されるのでしょうか。
「性」について、自分の視点で世界を観察し、感じたこと、自分ごとの、リアリティのある「性」を求めました。リアリティは顕在化している部分だけではなく、潜在化しているところにこそ本質が隠れているものです。個々人の自分ごとの視点の総体が文化と呼ばれるものでしょう。
「性」とは何でしょうか。日本国語辞典によれば、
と記されます。「性」という概念と人の歴史は、人が生まれる前から遡る必要性があるかもしれません。「性」をどう捉えていくのかの歴史が、私たち人間という概念への問いでもあります。しかし、歴史は誰の視点で世界を観察したかということに過ぎませんから盲点があります。「性」を見つめることを通して、自分、他人、私たちの文化の性(さが)を知るきっかけを具現化します。
より詳細な個々人のアーティストステートメントの部分は、ご覧になった時にお楽しみ頂ければと想います。
【アーティスト紹介】
京都グループ展にご来場いただく皆様となるべく展示場所でご一緒したい想いがありまして、ご来場の時間を事前にお伺いしています。フォームにご回答頂いた方を限定として、Takashi Yoshiokaが会場でポートレート写真を撮影し、後日プレゼント致します。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?