「メタボ」すべてにAGEsが深く関わる(後)

不定期連載 アポラクトフェリン(32)

現在、日本人の死因の
第1位はガン(悪性腫瘍)です。
第2位は心筋梗塞や狭心症などの心臓疾患、
第3位は脳梗塞や脳出血などの脳血管障害です。

2位と3位を合わせると死因の30%を占め、
第1位のガンを凌ぎます。
高脂血症は心臓疾患や脳血管障害の要因と
なっています。

2位の心臓疾患には、生まれつき心房や血管に
異常があるために発症する先天性の病気も
ありますが、高血圧や動脈硬化、
高脂血症などの生活習慣病が引き金となって
起こる血管障害が近年では急速に
増えています。

心臓の血管障害には狭心症、心筋梗塞、
心臓弁膜症などがありますが、全ての原因が
解明されているわけではありません。
例えば、狭心症は心臓の筋肉に一時的に
血液が巡らなくなる病気で、発作が起きると
心臓に酸素が送られないために胸が
締め付けられるような痛みが数分間続きます。

心筋梗塞では、動脈の血流が滞る結果、
心臓に十分な血液が届かず、
心臓の筋肉の一部が死んでしまい、
狭心症より強い痛みが数分間続きます。
この病気には、高脂血症が関係すると
考えられています。

3位の脳血管障害では、脳の血管が
詰まったり破れたりして、脳の細胞に酸素や
栄養が届かなくなり、脳細胞が死んでしまう
脳卒中が最も多い発症例です。
脳細胞は、一度死んでしまうと再生されない
ので、脳卒中が起きる場所によっては
運動障害、言語障害、記憶障害などの
身体に障害が残ることもあります。

脳卒中は脳梗塞、脳出血、くも膜下出血
などの総称です。脳梗塞は、脳の太い血管や
細い血管が詰まる病気で、脳卒中で死亡する
ケースの約6割が脳梗塞によるものです。
脳出血は、脳の中の細い血管が破れて
出血する病気で、動脈硬化や高血圧が原因と
考えられています。

私たちの生命を脅かす恐ろしい
心・脳血管障害、その多くが高血圧や
動脈硬化、高脂血症と関係しています。
ここでも、AGEs(終末糖化産物)が
深く関わっています。

参考文献 
井上浩義 
『アポラクトフェリンのすべてがわかる本』
アーク出版 2015年 pp. 75 - 77

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