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生活リズムを整えることが生活習慣病予防やダイエットにつながる


文献の紹介

タイトル

Circadian regulation of glucose, lipid, and energy metabolism in humans

著者

Eleonora Poggiogalle

結論

生活リズムを整えることで、生活習慣病予防やダイエットに役立ちます。
睡眠、食事、光を浴びる時間を整えることが重要になります。

理由

身体の組織は、体内時計が存在しているからです。
生活リズムが整っていることは、体内時計が整っていることを意味します。

<具体的な体内時計を持つ組織>
・視交叉上核(中心時計)
・肝臓
・膵臓
・消化管
・骨格筋
・脂肪組織
など

時計の調整因子

中枢時計のリズム(視交叉上核)
主に光によって同調されます。

末梢組織のリズム(肝臓、膵臓など)
中枢時計、外的要因(光、身体活動、摂食、睡眠など)、代謝物からの入力が統合されます。

具体的な内容

血糖の日内変動

糖を代謝する働きにも日内変動が存在します。
朝は糖耐能(糖が上がったときに正常に下げる能力)が高く、夕方~夜低下することが知られています。
つまり、糖分は、朝に食べた方が血糖値が上がりにくくなるのです。

脂質の日内変動

脂質における日内変動は、いくつかの研究がされているが、相反する結果もあり、明確なことが言えません。

例えば

単食の場合、ある試験では、単食を昼間(13時)に摂った場合、夜間(01時)に摂った場合と比較して、食後の中性脂肪は低く、総コレステロール、LDL-C、HDL-C、アポリポ蛋白の値は高くなったと報告されている

また、

健康な男女を対象とした他の研究では、総コレステロール値やHDL-C値には有意な日内変動がないと報告されている

つまり、脂質に関してははっきりしたことがわかっていない状況にあります。

光と代謝

明るい光を浴びるタイミング、強さ、時間のすべてが代謝の健康に関係します。

<具体例>

あるランダム化比較試験(RCT)では、日中の光照射を5000lxから80 lxに急性的に低下させると胃の活動が抑制されることがわかった。

いくつかの試験で、朝の明るい光療法は炭水化物代謝と脂肪減少を改善することが報告されている。

一方で

夕方または夜間の明るい光への暴露が代謝性疾患のリスクを増加させることを示唆している。100,000人を超える女性の横断的分析では、睡眠中の明るい室内光は、より高いBMI、ウエスト周囲径、ウエスト・ヒップ比と強く関連していた。

ある前向きコホート研究では、夜間に光を浴びる高齢者(≧3 lx)は、薄暗い光(<3 lx)で眠る人と比較して、10年間でBMIが10%上昇し、トリグリセリドとLDLコレステロールが高く、HDLコレステロールが低いことが明らかにされている。

つまり、朝光を浴びることは、生活習慣病・肥満を防止するのに役立つのです。
一方で、夜光を浴びることは、生活習慣病・肥満に繋がる可能性があります。

睡眠のタイミングと代謝

睡眠が12時間概日リズムとズレると、平均グルコース値を6%、インスリン値を22%悪化させた。

参加者が昼間に睡眠をとった場合、夜間に睡眠をとった場合よりも12~16%少ないカロリーを消費したと報告した。

つまり、概日リズムがズレて、昼間に睡眠を取ると、血糖を上昇することに繋がり、カロリー消費が少なくなり、肥満を招く可能性が高まることになります。


食事と代謝

食事摂取のタイミングを段階的に遅らせることは、食事摂取が日中に限定されている場合でも、代謝に悪影響を及ぼすことが報告されています。

昼食の時間を13時から16時30分に1週間ずらすと、グルコースが46%増加し、空腹時(食後は含まない)のエネルギー消費が4%減少した。

夕食の時間を19時から22時30分にすると、24時間のエネルギー消費には影響しないが、当日の夕食と翌朝の朝食後の5時間グルコースが7〜8%増加し、24時間グルコース値が4mg/dl上昇したと報告している。

つまり、食事時間のズレは、通常以上に糖が体内で多くなることがわかります。
糖が多いことは、糖尿病に繋がる可能性を高めてしまいます。

まとめ

人間には、体内時計が存在しています。
この体内時計は、生活リズムと関係があります。
いつも同じ時間に食事を食べたり、眠ることが大切です。
しかし、食事を夜中に摂取したり、昼間に眠ったりすると、生活習慣病のリスクを高めたり、いつもよりエネルギー消費量が少なくなったりと身体に悪影響を及ぼします。
生活習慣病や肥満を防ぐためには、一般的に言われる規則正しい生活を心がけるのが重要です。

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