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不眠症に対する薬を使わない治療

下記の文献をベースにまとめていきます。

文献の紹介

タイトル

Cognitive Behavioral Therapy for Chronic Insomnia A Systematic Review and Meta-analysis

著者

James M

はじめに

・不眠症は、成人の5%~15%が慢性不眠症で、3分の1が睡眠に不満があると報告されています。
・不眠症は、不安、うつ病、高血圧、2型糖尿病などの健康問題、痛み、おと関連し、様々な疾患と関連しています。
・不眠は、正確な診断がなくても、欠勤や労働生産性の低下など経済的な損失も生じさせます。
・近年、不眠症の治療では、認知行動療法が注目されています。
本記事では、認知行動療法がどんな要素で構成されているかをまとめていきます。

認知行動療法の5つの構成要素

①認知療法
②刺激制御
③睡眠制限
④睡眠衛生
⑤リラクゼーション

James M

では、1つ1つ説明していきます。

①認知療法

認知療法とは、誤った認知を整え柔軟な考えができるようにするのが目的になります。

具体的な誤解
・睡眠に対する非現実的な期待
 →これまで眠りたくても4時間しか眠れなかったのに7時間眠れると思うな  
  ど
・睡眠不足に対する恐怖
 →睡眠不足で事故を起こすなど
・睡眠不足の結果の過大解釈
 →実際は5時間眠れているのに3時間しか眠れなかったと思うなど
などがあります。

自身の睡眠を正確に捉え、期待しすぎずに少しずつ良い睡眠に持っていくことが大切になります。

②刺激制御

”ベッド=睡眠”と自分の脳に覚えさせることです。
ベッドと他の刺激的な活動(考え事をする、スマホゲームをするなど)を関連付かないようにすることが目的になります。
”ベッド=睡眠”の認識をさせるためには、下記のような認識が必要になります。

具体的な内容
・寝室での睡眠以外の活動を避ける
・眠いときだけベッドに行く
・15~20分眠れない時は寝室を出て、眠いときだけベッドに戻る
などが含まれます。

”ベッド=睡眠”と自分の脳に覚えさせるため、ベッドでは睡眠以外をしないようにすることが大切です。

③睡眠制限

ベッドでの覚醒時間を短くするために、睡眠時間に合わせてベッドにいる時間を制限するものです。
寝床に入れる時間は、始めは1晩の平均睡眠時間(基本は1週間眠っている時間を平均します)とし、その後、睡眠効率(実際の睡眠時間÷ベッドにいた時間×100)が85%以上を維持できるように調整していきます。

④睡眠衛生

睡眠を促進するための環境要因、生理的要因、行動、習慣に関する一般的な行動が睡眠衛生に当たります。

具体的に気を付けるポイント
・ベッドにいる時は、時計をみないなど寝室環境の管理
・規則正しい睡眠スケジュール
・日中の長時間昼寝をしない
・寝る前のアルコール、カフェイン、ニコチンを摂取しない
などです。

睡眠を促進する要因は色々とありますが、このような行動を心がけることが睡眠不足を解消するには重要です。

⑤リラクゼーション

効果的なリラクゼーション法は人それぞれですが、リラックス効果があり、筋肉の緊張を緩和して睡眠を促進するために使用することができます。

具体的な方法
・瞑想(自分自身の内面に注意を向けること)
・マインドフルネス(自分自身の内面に注意を向けること)
・段階的筋弛緩法(筋肉に力を入れて、力を抜く方法)
・呼吸法(呼吸に意識を向けること)
などがあります。

※マインドフルネスについてまとめております。参考までに添付させていただきます。

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