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労働条件と睡眠の関係

本記事では、労働条件と睡眠の関係について整理していきます。
近年は、健康経営が注目されています。
健康経営とは、従業員の健康に企業が投資することで、より大きなリターンが返ってくるという考え方です。
労働条件と睡眠には、関係性が報告されており、今回は、整理していきたいと思います。

日本の労働時間

まずは、世界と日本の比較をしていきましょう。

厚生労働省
厚生労働省

年平均労働時間を国際比較すると、日本は、欧州諸国より長く、さらに週 49 時間以上働いている労働者の割合が高く、男性については、特にその割合が高いことがわかります。

続いては、日本における就業時間が60時間以上の就業者の割合をみていきましょう。

厚生労働省

就業者について、性別、年齢層別に月末1週間の就業時間が 40 時間以上である就業者のうち 週の就業時間が 60 時間以上である者の割合の推移をみると、就業者全体に占める割合と同様、全年代の男性のうち、40 歳 代男性、30 歳代男性において、その割合が高くなっている。
また、女性については 60 歳以上 で割合が高くなっている。

以上より、
日本は、欧米諸国に比べて労働時間が長いことがわかる。
また、男性では、30~40歳代、女性では、60歳以上が週の労働時間が60時間以上である者の割合が多いことがわかる。
つまり、日本は世界屈指の長時間労働国であることはわかります。

24時間のタイムスケジュール

1日の生活時間を労働、睡眠、家事・自由時間の3つに分類すると、労働時間だけは自己にてコントロールすることが難しい。食事、入浴、家事、通勤などは、ほぼ固定化されている。そのため、長時間労働になれば、必然的に睡眠時間が削られる可能性が高くなります。

睡眠時間と仕事のパフォーマンス

睡眠時間が短くなると翌日の労働に大きな影響を及ぼします。
眠らずに連続起き続けたときの注意力の低下が、血中アルコール濃度の上昇に伴って注意力が低下するのとよく似た経過をたどることが報告されています。
15時間起き続けたときと血中アルコール濃度0.03%のときの注意力、連続18時間起き続けたときと血中アルコール濃度0.05%のときの注意力がほぼ同じであることを示しています。

また、週35~40時間の労働時間を基準にするとこれよりも長い群は、睡眠時間が短縮し、入眠困難や早期覚醒などの不眠症状が増加し、起床後に疲労感が残っている時間も多くなっていることが示されています。

交代勤務と睡眠

交代勤務とは、夜勤や日勤がある仕事形態です。
製造業や看護師などによくある勤務形態になります。

交代勤務者は、大きく2つの要因から睡眠が障害されます。

①概日リズムがずれる
基本的には、昼間に覚醒するようにヒトの身体はできています。
そのリズムがあるため、昼間は覚醒、夜になると眠くなるのです。
リズムが整っている方は、毎日同じような時間に眠気が来るはずです。
しかし、交代勤務者は、睡眠時間が異なりリズムが整いません。
結果、睡眠の障害が生じやすくなります。

②環境条件により妨げられる
環境条件とは、騒音や太陽光を指します。
夜勤明けで眠ろうとしても、外が騒がしかったり、光がまぶしくて眠れないことがあります。
適切な睡眠条件は、静かで暗い状況なので、睡眠の障害が起きるわけです。

まとめ

・日本は、諸外国に比べて労働時間が長いことがわかる。
・労働時間が長くなると、睡眠時間が減少することが多くある。
・睡眠時間の減少は、仕事の生産性の低下を招く。
・勤務形態による影響も大きく、夜勤と日勤が混合する職業では、睡眠障害が多くみられる。

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