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量より質か、質より量か

「量より質」
「質より量」
どちらも聞いたことがありますよね。

この議題に対して、人によって意見の分かれるところだと思います。

「量より質なのさ」
「なに言ってやんでい! とにかく量をこなすことが大事なんだよ!」
「いや質の方が大事だ」
「いや絶対に量だ」
「いや……
私の頭の中で架空のキャラたちがこんな風に言い合いをしております(笑)。

では、私の意見はどうなのか。
実用面でいえば、どっちの方が大事かなんてどうだっていい!!
これです。

結局どっちも大事だし、量も質も自分なりにベストを尽くして追い求めるのが重要だと思うからです。

まあ議論好きが居酒屋で肴にするのにはもってこいでしょうけど、実際にはこの議論の結果から、「じゃあ質はあまり考えないで量に注意しよう」とか「じゃあ量はあまり考えないで質に注意しよう」といった答えを導いても、あまり効果は期待できないのではないかというのが私の考えです。

例えば、部活で全国大会を目指しているチームがあったとしましょう。

そのチームは「とにかく量が大事だ」といって、いくら長時間練習していても、効率の悪い練習やあまり効果のない練習をやっていては、目標を達成する可能性は低くなってしまいます。

その一方で、「とにかく質が大事だ」といって、いくら工夫して効率の良い練習をしていても、量が少なすぎたら、やはりこれも可能性が低くなってしまいます。
極端な話、1回15分、月3回の練習で甲子園目指してますなんていうチームがあったら、こいつら一体何言ってんだってなりますよね。

どちらの場合も、質と量の充実した練習をしているチームと比べると、劣った取り組みをしていると言わざるを得ないでしょう(もちろん全国大会に行くには、練習だけではなく、各選手の素材、運など色々な要素が関わってくると思います)。

量が足らなければ、量を増やすべきだし、質が足らなければ質を高めるべきです。

この事柄は、すべてに通ずるとは言い切れませんが、他の様々なことにいえると思います。
特に何か技術を習得するようなたぐいのことには大体当てはまるでしょう。

キーワードは「量の限界」と「質の限界」です。

ここで新たに受験勉強を例にとって説明を加えたいと思います。

仮に結構レベルの高い大学を目指しているAくんがいるとします。
彼は1を聞いて10を知るようなタイプではありませんし、特別な語学のセンスや数学のセンスなどを持っているわけではありません。
中堅といわれる高校に通っていて、成績はまあまあって感じだとしましょう。

上位校に合格するにはこれから習得しなければならない事項がたくさんあります。
各科目には範囲があって、どの単元のどこからどこまでの内容が試験に出ますよっていうのが決まっています(たまになんじゃこりゃってものが試験に混ざってることもありますが)。
参考書などの目次を見ると、その学習項目がダダダダダッと並んでいて、学生時代それを見るだけでもくらくらしたという人もたくさんいらっしゃるでしょう。
Aくんもご多分にもれず、げんなりしています。

Aくんは参考書をそっと閉じて、ネットで志望校について調べると、どうやら7割3分くらいは必要らしいとわかりました。
受験というのは全部完璧にマスターしなくても合格点は取れますが、あるラインはこえないといけないんですね。
このあるラインというのがなかなか手ごわい。

英語の長文でいったら、全部の単語はわからなくても7割3分はとれるけど、もし、英単語300語しか覚えてなくて、文法もちんぷんかんぷんだったらさすがに読めませんし、解けません。
そうなったら運に頼るしかありません。
マークシートがロト6状態です。

さすがにAくんはそこまでひどくはないが、こう思った。
「7割3分って結構高くね? やばくね?」

それをこえるためにはどうしたって時間が必要です。
どんなに急いでやったって、どんなに効率のいいやり方でやったって、無限に学習スピードを上げることができるわけではありません。
何でもさっと見ただけで、マスターするなんてできませんよね。
Aくんはそんなことできたらいいなと何度も夢想しましたが、そんな現実は訪れません。ちなみに私もよくそんな空想をしてました(笑)

これが「質の限界」です。


そして、効率に限界があるように、時間にも限りがあります。
受験までの時間というのは無限にあるわけではありません。
Aくんの場合、志望校の入試まであと半年ちょっとです。

また、量と効果は比例の関係ではありません。
あるところまでは、量を増やしてけば効果が上がっていきます(もちろんそれでも、グラフにしたとき比例のようにきれいな直線ではないでしょうが)。
しかし、ある地点をこえると効果が下がるのです。

例えば、勉強時間を1日0時間から3時間に増やして継続すれば、よっぽどのことがない限り、普通にやっていれば何らかのプラス効果がありますよね。
Aくんも勉強時間を5時間(学校の授業時間は含まない)に増やしたら、全然やってなかったときより、模試の成績が良くなりました。

でも、だからといって、極端な話、1日23時間の勉強を休日も設けないでずーっと長期間続けたら、もう集中力が持たないし、身も心も崩壊してしまいます。そうすると、1日10時間勉強するより効果が低くなってしまいます。

まあ、ほとんどの人はぶっ壊れるほどやるなんてそもそもできないんですけどね。
「無理っす」ってAくんも言っております。
スポーツでも同様にやりすぎると、怪我につながるし、疲労がたまりすぎてパフォーマンスの低下を招いてしまいますよね。

では、どのあたりが最適な量なのかというとそれは個人差があるし、同一人物でも状況や鍛錬、成長、年齢、取り組み方、何に取り組んでるかなどによって異なります。
それは各々が試しながら、探っていく必要があります。
ちなみにAくんは受験勉強を始めたころは、4時間でも「結構やったなー、疲れたなー、もうだめだー集中できないー」と感じていましたが、最近では4時間くらいじゃそんなことは思わなくなりました。

各々差はあるにせよ、「量の限界」が存在するわけです。
今のところ不老不死の薬や一瞬で体力全回復する薬はないし、時間をとめる装置もないようなので、それはみんなに当てはまります。
「量の限界」があるからこそ、質を求めることになります。

このように「量の限界」と「質の限界」を認識することで、かえって量と質、両者の重要性がわかるんです。
細かく分けていうと、「質の限界」で量の重要性がわかり、「量の限界」で質の重要性がわかるということです。
何かを習得するには結局どちらも求めた方がいいことがわかります。
Aくんが、高い目標に達する可能性を上げようと思ったら、量も質も自分なりに試行錯誤し、模索することが大事なんですね。

よって、量と質どっちの方が大事なのかなーなんて迷ってる暇があったら、勉強するか、どうやって取り組んだらいいかを考えた方がいいってことですね。

がんばれAくん!!


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