吉武 止少

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グリムクラウン 第3話

① ザガン「1ヶ月後、妖魔撃滅小隊の入隊試験がある」 小屋の近くを歩くザガンとセツナ。セツナは運動用の服に着替えている。イヴリスはランタンの中に収まり、近くの石の上に置かれている。 ザガン「それまでにボウズには仙術の基本、氣を操れるようになってもらう」 セツナ「センジュツ……オド……?」 ザガン「御伽噺に出て来るだろ?」 素手で石を割るシルエット「英雄が振るう一騎当千の力」 水の上に立つシルエット「人とは思えない奇跡」 手の上に火の玉を浮かべるシルエット「自然と一体になり

    • グリムクラウン 第2話

      ① セツナが目を覚ます。古めかしい小屋の中におり、手足には枷。 セツナ「……ここは」 ザガン「起きたか」 ベッドサイドで煙草をくゆらせるザガン。 ザガン「憑魔者として大暴れして、貧血でぶっ倒れたんだよ」 セツナ「ザガン……そうだ、トワ!」 ザガン「もう一人の憑魔者にはまんまと逃げられたよ」「双子の姉ちゃんなんだってな」 セツナ「追いかけないと!」 セツナは立ち上がって動こうとするが枷に阻まれて動けない。足枷は寝ていたベッドに繋がっている。 ザガン「まぁ落ち着けよ。今

      • グリムクラウン 第1話

        【あらすじ】  人知れず”魔”が人間を誑かす世界。孤児のセツナは双子の姉トワとともに孤児院で暮らしていた。卒業とともに姉と生活することを夢見ていたが、トワが人身売買の対象になってしまう。何とか助けようとするもセツナは手も足も出ず、トワが連れていかれてしまう。閉じ込められたセツナの元に”魔”が訪れ、誘惑されるが、セツナが結論を出す前に孤児院が吹き飛ぶ。半壊した瓦礫から現れたのは”魔”と契約したトワだった。 「一緒にこの世界を壊そうよ」 世界に絶望して暴走するトワを助けるため、セ

        • ブレイム・ブレイズ~断罪のホムラ~ 第3話

          ① 砂まみれになり渋い顔のホムラを見て、サジムがにかっと笑う。 サジム「俺はサジム。仲間と商隊を組んで旅をしている」 アヤメ「商隊! 丁度良かった。物資を買いましょう!」 ホムラ「おい、金はどうするんだ」 アヤメ「レジスタンスにツケとこうかね。車もオシャカになったし物資と一緒にスラムまで送ってもらう」 アヤメはひっくり返った車とモンスターの死骸へと視線を向ける。 アヤメ「それを引っ張って徒歩で帰りたいなら別だがね」 ホムラ「……」 サジム「近くに車がある。商隊まで載せて

        グリムクラウン 第3話

          ブレイム・ブレイズ~断罪のホムラ~ 第2話

          ① 夕暮れ時。スラムの秘密基地からホムラが出てくる。旅装に着替え、ズタ袋を肩に担っている。アヤメが遠くから走ってくる。 アヤメ「どこに行く気だ」「あっ、無視するな」「おい、ちょっと待て」「待ちなさいよッ!」 無視して歩き出すホムラの前に回り込み、両手を広げて行く手を塞ぐ。ホムラは眉間にしわを寄せてアヤメを睨む。 ホムラ「邪魔だ。消えろ」 アヤメ「君の身体には私のブレイム・ブレイズが入っているんだ」「放っておくなんてできるわけないだろう」 アヤメの言葉に、ホムラがズタ袋

          ブレイム・ブレイズ~断罪のホムラ~ 第2話

          ブレイム・ブレイズ~断罪のホムラ~ 第1話

          あらすじ超文明が滅びて機械が暴走し、衰退した後の世界。スラムに住む少年・ホムラは「正義の味方」になるべく人助けをしながら暮らしていた。 スラムの人間をゴミ扱いする帝国の軍人が古代文明時代のナノマシンを持ち逃げした少女アヤメを探しスラムにやってくる。軍人たちの傍若無人な振舞いで幼馴染や親しい人を失ったホムラの元にアヤメが現れる。正義とは何かを問われ、答えられないホムラは幼馴染の危機を前にアヤメからナノマシンを奪って自らに使う。あと一歩の所で幼馴染を助けられなかったホムラは、死に

          ブレイム・ブレイズ~断罪のホムラ~ 第1話