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【らんまん】菊くらべの結果は?【第21週・ノジギク】
「らんまん」第105話感想です。
寿恵子は万太郎に、「今度の植物採集の時に、菊をとってきてくださいませんか」と頼みました。「菊くらべ」の話をすると、長屋の仲間は「万ちゃんの土俵が来た!」と大盛り上がり。
しかし、万太郎には気になっていたことがありました。質屋へ向かい、『里見八犬伝」を請け出しに行きます。
「これだけは手放さんとってくれ。これは寿恵ちゃんにとって大事なもんじゃき」
そして万太郎は決心したかのように言いました。
「寿恵ちゃん、わし取ってくるき。草花に優劣をつけるのは性に合わんけど、それが金になるがやったら…」
寿恵子に家計のことを任せっきりだったことに、さすがに罪悪感を感じたようです。
そしていよいよ「菊くらべ」が開催の運びとなりました。
仲居頭のマサ(原扶貴子さん)やみえ叔母さん(宮澤エマさん)、芸者の菊千代も、自慢の菊を出品。花火のような優美な花や夏雲のような白い花…。中でも、菊千代が出品した真っ白な大菊の美しさに、客たちは感嘆の声をあげます。
そんな中、寿恵子も自分の菊を出品。それはほかの菊とは違う素朴なものでした。客からは「貧相だ」「下げろ」といった声があがりますが、寿恵子は、菊のうんちくを披露し始めます(おそらく万太郎の受け売りですね…)。
「これらの大変見事な菊たちは、もともとは日本のものではございません」…
「菊は、もとは唐の国で、薬を作るために使われていたそうでございます。それが、日本に渡ってきて、日本の人々が苦心し、手をかけて、このような大変見事な菊を作り上げたそうでございます。
ですが、この国にも原種の菊は自生しておりました。和名をノジギクと申します。ノジギクは1000年以上前から、人の手が全く入っておりません」…
「ノジギクとこちらの菊たち、ともにそろえば、大陸と海、それから幾星霜にわたる日本の人々の創意と工夫に思いをはせることができましょう」
寿恵子の話にいつしか客たちは引き込まれていきます。
寿恵子は万太郎の言葉を思い出していました。
「みんなあに花をめでる思いがあったら、争いはおこらんき」
「ありがとう、ようわかったき」岩崎弥之助は笑みを浮かべました。
そして菊くらべの結果は…。残念ながら菊千代のものが選ばれ、寿恵子のノジギクは選ばれませんでした。
しかし、寿恵子の菊が土佐のものではないか? と気にかかった岩崎はみえの部屋の訪れ、寿恵子の夫が植物学者であることや、日本中の植物を掲載した図鑑を刊行しようとしていることを知ります。
そして岩崎は何を思ったか、寿恵子の菊も300円で買い取ることにしたのでした。
ノジギクについて、手元の『野に咲く花』(山と渓谷社)を見ると(←この図鑑オススメです。私の持っているのは古い版ですが、現在新しい分類に対応したものが出ています)、
ノジギクは1884年に牧野富太郎が発見し、命名したもの。牧野はノジギクを栽培種の原種と考えたが、これを否定する見方もある。
とあります。
学名はChrysanthemum japonense (Makino) Nakai
キクはChrysanthemum morifolium Ramat
原種かもしれないとはいってもキクではないので、そもそも菊くらべに出品するのはどうなのかな? とも思えますが、万太郎と寿恵子の思いが伝わったし、花の美しさだけでなく、その背景にも思いをはせることができました。
今日の菊はレプリカではなく、本物の植物を使っていたとのこと。公式の記事があがっていました。植物撮影の苦労や工夫が詳しく書かれていて、胸熱です…!!
そして万太郎は、徳永からの誘いで、東大の助手として働くことになりました。家計の問題も、これで少し良い方向に向かっていくでしょうか…?
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