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【らんまん】園ちゃんのスミレ・牧野富太郎のスミレ愛【第18週・ヒメスミレ】

「らんまん」第90話感想です。

今日は、15分間涙が止まりませんでした…

冒頭、よちよち歩きで空を見上げる園ちゃん。視線の先には、空に昇っていくタンポポの綿毛…。

園子ははしかが悪化して、空へと帰ってしまいました。
牧野富太郎の娘である「園子ちゃん」のエピソードは『ボタニカ』『牧野富太郎の恋』の中でも印象的に描かれているため、この結末は予想できたのですが、やっぱり理屈抜きで悲しい展開でした。
ただ、史実や上記の小説の中では、富太郎は園子の最期に居合わせることができませんでしたが、ドラマの万太郎は寿恵子と一緒に看取れたことが、せめてもの救いになったと思います。

そして峰屋では、酒屋を廃業したものの、税金の支払いのため金策に苦しんでいた竹雄と綾。
竹雄は高知の金貸しから借金をして工面しますが、それだけでは足りず、土地や屋敷を売るかどうかの選択に迫られていました。
分家の面々に相談したものの、彼らにも本家を助ける余裕はなく…。
しかし、いつも綾に嫌味を言っていた分家の豊治(菅原大吉さん)が、綾に言葉をかけます。

「お前は、女の身で蔵元になった。けんど、腐造は酒屋である限りおこることじゃ。誰が蔵元だろうと、わしらじゃち起こったじゃろう」

そして、殿様の酒蔵のまま幕を引いたことを、祖母のタキやご先祖も喜んでいるだろう、と伝えます。
綾は顔中涙でビショビショでした。本当は、立派な蔵に成長させて、新しい酒を世に送り出して、嫌味な分家の人たちを見返してやりたかったと思いますし、そんな展開ならよかったなぁとも思いますが、分家の人たちが「ざまあみろ」と思っているのでは…? という心配が、このシーンで解消されましたし、最後に豊治たちの人間味を感じられてよかったと思います。
綾との結婚を期待していた分家の息子の伸治(坂口涼太郎さん)が、綾と竹雄を抱き寄せ「達者で!」と涙を流していた姿にも、胸が痛くなりました。

万太郎はヒメスミレの植物画を描き、「園ちゃんの花じゃ」と、火にくべて燃やします。その灰は天へと昇っていきます。
ヒメスミレの花言葉は「ささやかな幸せ」とのこと。週の前半で描かれていた、親子3人の時間を思わせる言葉ですね。

ヒメスミレは、牧野富太郎が和名を付けた植物とのこと。ほかにもシハイスミレ、コミヤマスミレなどの和名を付けたそうです。

牧野博士はスミレがとても好きだったようで、スミレについて、

アノ濃い紫の色を漂わしかつその花の姿も何んとなく優しいので、どんな人でもスミレを可愛らしいものとして礼讃しないものは無いであろう。

牧野富太郎『植物記』

と書いています。実際の園子ちゃんが亡くなったのは1893年、ヒメスミレの命名は1912年とのことなので、実際は園子ちゃんとヒメスミレの関係はなかったと考えられますが、スミレに相当の思い入れがあったことは事実なのではないでしょうか。

エングラー博士のことは今日は書けませんでした… また機会があったら書いてみます。

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