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【らんまん】草花の申し子【第13週・ヤマザクラ】

「らんまん」第63回感想です。

昨日の胸キュンな展開とは一転、今日はややマニアックな内容でしたが、牧野富太郎をモデルとした万太郎を描く上では、欠かせない回だったのかもしれません。

万太郎と寿恵子、竹雄は横倉山を訪れます。万太郎は、大きな杉??の木に挨拶。「寿恵子さんをこの木に会わせたかったがじゃ」と紹介すると、寿恵子も「槙野寿恵子です」と自己紹介します。ネイチャーゲームの<わたしの木>という活動を思い出しました。

万太郎は、寿恵子に植物採集の方法を丁寧に教えます。そして竹雄も、どのように万太郎の植物採集を手伝っていたかを寿恵子に伝授。帳面を使って、周りの環境や土の状態などを事細かにメモしていたと伝えます。
万太郎が寿恵子と結婚することになった今、竹雄は助手の役目を寿恵子に引き継ごうとしていたのです。

自分に務まるだろうか…と不安そうな寿恵子に、竹雄は、
「務まらなくて当たり前じゃ。万太郎は草花の申し子じゃ。そういう風に生まれついちゅう」
と話します。そうではない自分は努力した。そばにいたかったから…と語る竹雄に、なぜそこまで? と疑問を持ったのは、私だけではないかもしれません。
小さいころから一緒に育ったとはいえ、そこまで万太郎に思い入れることができたのはなぜだろう? 答えは見つかりません… 不思議な関係ですね。

「万太郎さんは、何で山なのにお洋服に革靴なんですか?」と寿恵子は竹雄に尋ねます。竹雄は、好きな植物に会うのに、一番いい恰好で会いたいからだと答えていました。これは牧野富太郎のエピソード、ほぼそのままのようですね。牧野博士も、植物に敬意を示すため正装していたとか。
私も、山に行くならもっとラフな格好をすればいいのにな…と思っていました。疲れないのかな? 動きづらいし、洗濯も大変だろうし、暑そうだし…

山の中で、タニギキョウ、セキショウ、ネコノメソウ、ツツジ…と、次々に植物を見つけては、「ああっ!」と目を輝かせて近寄っていく万太郎。この姿には既視感が… 
自然観察会の下見などではこんな人たちばかりなので、植物を見つけるたびに足がとまり、一向に先に進めず… そんな光景に重なります。
「すまん、つい夢中になってしまった」と焦る万太郎に、寿恵子は話し始めます。
昨日万太郎は自分のことを「役立たず」だとか、見えないもの(この場合は寿恵子の気持ちでしょうか)のことはわからない、と話していたけれど、見えているもののことは、こんなにも見えている。それは全然当たり前ではない、と…。
「草花をよくよく見える目をお持ちなんです。トコトン見てあげたら?」
と、笑顔で話す寿恵子。

万太郎の良いところを見抜き、助手役を担うべく熱心に勉強する寿恵子。よく出来すぎたパートナー像に、話がうますぎるような気もしますが、実際の牧野博士の周りにも、ドラマ通りではないにしろ、そんな、理屈抜きで支えてくれる人たちがいたのだろうな…と思いました。妻の壽衛もそうですよね。

そして万太郎の特性?も丁寧に描かれています。その特性が、昨日の寿恵子とのケンカのように、周りの人との関係に悪い方向に働く場合もあれば、今日のように、いい面を見てもらえる場合もある。竹雄は万太郎の良いところも悪いところも深く理解し、その上で「一緒にいたい」という気持ちから万太郎を支えてきた。
単純な善悪ではなく、特性をありのままに描こうという姿勢??が感じられました。

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