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【らんまん】始祖にして永遠【第20週・キレンゲショウマ】

「らんまん」第99話感想です。

今週は「女性の強さ」が感じられるお話が続いています。

田邊を贔屓にし、将来は自分の右腕にしたいとまで話していた森有礼文部大臣が暗殺され、田邊は強力な後ろ盾を失ってしまいました。
校長をしていた高等女学校は廃止になり、政府の仕事も失い…。失意のあまりやけ酒をあおる田邊に、妻の聡子は静かに、しかしまっすぐに伝えました。

「今の旦那様を、森様がご覧になったら、何とおっしゃるか」
「今やっと、やりたいことだけに、旦那様の学問に戻れるのではありませんか?」

聡子は以前、田邊がシダが好きだと言っていた時のことを話します。シダは花も咲かせない、タネも作らない。けれどシダは、地上の植物たちの始祖にして永遠…。田邊は以前、そう語っていました。
そんなシダに、日本人で初めてコーネル大学に留学した田邊を重ねて、聡子は言います。

「その通りです」
「(日本の植物学を)あなたが始めたんです」

田邊は「聡子…。ありがとう」と涙を流しました。

今まで一歩下がって夫に従っていた聡子が、初めて毅然とした態度を見せた印象的なシーンでした。
さらに聡子は、家に押しかける記者たちにも堂々と対応します。「ごきげんよう」と笑みまで浮かべますが、ぎゅっと握りしめた手が緊張感を表していました。夫を救えるのは自分しかいない、という強い決意が感じられました。

聡子の言葉に気づきを得たのか、田邊の態度には明らかな変化が表れていました。
爽やかな表情で「植物学を始めよう」と東大植物学教室に現れ、「四国への採集旅行に同行する」と、ほこりをかぶった胴乱を引っ張り出すなど、積極的に学問に取り組み始めたのです。

そして田邊たち一行は、伊予の石鎚山への採集旅行で、珍しい花を見つけました。田邊は「新種かもしれない」と、教室をあげて研究に取り組むよう指示します。
研究に没頭する田邊の様子を見て、植物画家の野宮は「初めて見ました、教授のあんな顔」とつぶやきます。

そのころ…。万太郎の元にも、土佐の虎鉄くんから新しい植物標本が送られてきました。石鎚山への修学旅行で見つけたという珍しい花…それはなんと、田邊たちが見つけた植物と同じものでした。
万太郎も、この植物が新種かどうか解明しようと、研究をスタートします。

2人が見つけた植物が、タイトルとなっているキレンゲショウマですね。
キレンゲショウマの花言葉は「幸せを得る」とのことです。
この勝負に勝って、幸せをGETするのは、万太郎と田邊のどちらになるのでしょうか?
ここで田邊が負けてしまうのは、あまりにも気の毒…。今回ばかりは、田邊教授を応援したくなります。

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