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【らんまん】破門草事件勃発…?【第14週・ホウライシダ】

「らんまん」第70回感想です。

万太郎は、自分の今後について相談しようと、博物館の里中を訪ねました。そこで、伊藤圭介の孫、伊藤孝光(落合モトキさん)に出会います。里中は、「ユニーク」な、植物学界の若きホープ2人の出会いを喜んでいる様子。
しかし、東大の話が出ると、孝光は顔色を変えて、田邊教授を「泥棒教授」、さらにマキシモヴィッチのことは「まぬけ」呼ばわり。どうやら田邊教授がマキシモヴィッチに送ったトガクシソウが「新種」だと認められそうになっていることが気に入らないようです。

この件は、牧野富太郎の自叙伝に「破門草事件」として書かれていました。伊藤圭介は実在の人物ですが、孫の名前は伊藤篤太郎といい、彼も東京大学植物学教室に出入りしていたという点が、ドラマと違うところかもしれません。

「らんまん」の監修者の方の本に、伊藤篤太郎のことが紹介されています。

日本人で最初に植物に学名をつけたのは、矢田部良吉でも牧野富太郎でもない。 伊藤圭介の孫にあたる植物研究家であった伊藤篤太郎。彼は、伯父の伊藤謙が明治八年(一八七五)に長野県の戸隠山で採集した植物を未記載であると考え、ロシアのマキシモヴィッチに送り、明治一九年(一八八六)、『サンクトペテルブルク帝国科学院紀要』に新種として記載した。

田中伸幸『牧野富太郎の植物学』(NHK出版)

牧野富太郎について、日本で初めて新種の植物に学名をつけた人である…という記述を見かけることがありますが、実際は伊藤篤太郎のほうが早かったのですね。。

牧野博士の自叙伝にはこのように出てきます。

「とがくししょうま」は矢田部氏が採集する前に、既に伊藤がこの植物を知っていて、ポドフィルム・ジャポニクムなる名を付し、それがロシアの雑誌に出ていた。

牧野富太郎『牧野富太郎自叙伝』第一部

トガクシショウマはトガクシソウの別名です。
破門草事件の詳細は、ドラマのネタバレになってしまいそうなので、もう少し後まで取っておくことにします。。。

ドラマの話に戻ります。万太郎が田邊教授に「自分で新種を発表できない」と言われたことを里中に相談すると、本を出せば認めてもらえる、とアドバイスをもらいます。
(そういえば「八犬伝方式」はどうなったのかな?)

昔は今以上に、本を出すということは大変なことだったのでしょう。でも来週からは、万太郎がいよいよ、その険しい道に向かって進んでいく姿が見られそうですね。

今日は自分の勉強メモのようになってしまいました…

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