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【らんまん】どこまでも人を傷つける【第18週・ヒメスミレ】

「らんまん」第87話感想です。

今日は、田邊教授と万太郎が相対するシーンに引き込まれました…。

万太郎は「ムジナモ」の論文を書き直し、雑誌もすりなおしました。田邊教授の名前とムジナモ同定の経緯を記し、大窪助教授もしっかりと確認。藤丸と波多野も嘆願してくれたようですが… 田邊が万太郎に言い渡した「植物学教室出禁」の処置は覆りませんでした。

落ち込む万太郎。自分が持っている書籍だけでは、研究が一向に進みません。

そこで、意を決して万太郎は田邊の家を訪れました。田邊は「二度と来るな」と万太郎を拒絶しますが、万太郎は必死に自分の思いを伝えます。
大学の標本や書籍を使って研究していたのは、志しあってのこと。植物図鑑を完成させたら、ほかの研究の土台にもなる…

「この国の植物学。わしはともに歩むために、ここにおるがです」

田邊教授を真っすぐに見つめ、万太郎は語ります。すると田邊は、次のような言葉を口にしました。

「話は分かった」
「私はもう、持たざるものは数えない。せっかく生きているなら、この手に持つものを愛そうと思ってね…」

田邊は自分が多くのものを持っていると話します。全国から標本が集まり、日本中を網羅できそうだと。それを聞いた万太郎が

「わしは何ちゃあ持っちょりません。身分も地位も。ただ、好きゆう思いだけですき」

と言うと… 対する田邊の言葉が、今日一番の衝撃でした。

「だから植物から愛される? すごいな…君は…。 どこまでも人を傷つけてくる」

もちろん万太郎は、田邊を傷つけようなどとは、これっぽっちも思っていないでしょう。でも田邊は、こんなに傷ついていたんだな…ということが伝わってきた言葉でした。
田邊が言う持たざるものとは「才能」でしょうか。万太郎はそれを持っている。
自分が持っていないものを見せつけられた、それを自分のものにしようとしたけれど拒まれた。田邊がどんなに求めても手に入れられなかったものを「好き」という思いだけで手に入れたと言う。
ただの嫉妬と言ってしまえばそれまでですが、プライドの高い田邊には我慢ならないことだったのだろうな…と思います。
田邊は立場や様々なしがらみにも縛られているのに対し、万太郎は自由。好きなものだけ手に入れようなんて虫がいい、と思われてしまうのも、無理はないのかもしれません。

田邊は、大学でも『大日本植物図解』なる植物図鑑を刊行しようと思っていると話しました。万太郎の植物図鑑と競合することを理由に、改めて大学への出入りや標本や書籍の閲覧を禁ずると言い渡したのでした。ただし、万太郎が図鑑の刊行をあきらめて田邊に尽くすなら考え直す、という条件付きです。

これまでは、良くも悪くも、才能と人を引き付ける明るさ、そして「鈍感力」で乗り切ってきた万太郎でしたが、ここへ来て、大きすぎる壁にぶち当たってしまいましたね。。

万太郎が帰ったのち、田邊は酒(ワイン?? →ブランデーかウイスキーだったようです)を飲みながら、

「私の魂は自由になった」

と笑みを浮かべます。しかし心底嬉しそうではありません。きっと、心から万太郎を遠ざけたいとは、思っていないのではないでしょうか。

万太郎は失意のあまり、一晩中歩き回り帰宅します。寿恵子と園子は万太郎の帰りを待っていました。そして目の前に可愛い「ヒメスミレ」が咲いているのを見つけます。3人でその花を眺めながら、

「わしにはいつじゃち、こんなきれいな花が咲いちゅう」

と微笑みます。家族の存在が、万太郎の支えになっているようです。

ヒメスミレのことは、(できれば)また明日書いてみます!

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