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【ライター書評を書く】知らないと損!『Z世代の取扱説明書 Z世代社長が語るリアルな本音』/白附みくる

Z世代の部下には「おひたし」だと聞いたけど、仕事がつまらないと辞めちゃうでしょ。あの子だちとどうやってつきあっていけばいいかなー。

冒頭は弊社で2・3日前に最近交わされた会話。上司たちがしかめっ面をしてフロアの隅で話し込んでいた。

数日前に別の部署でZ世代の社員が退職をした。

彼女は優秀で、未来の幹部候補だと期待されていた。その矢先の退職で、部署の雰囲気はまるでお葬式のようだった。

「おひたし」とは

  • 怒らない

  • 否定しない

  • 助ける

  • 叱らない

の頭文字をとったもの。

2022年以降の弊社では
「ほうれん草のおひたし」が
若年者育成の合言葉になっている。


Z世代の自らが解説する、取扱説明書

本書『Z世代の取扱説明書 Z世代社長が語るリアルな本音』では

  • Z世代の部下・後輩を持つ人

  • Z世代とのコミュニケーションで悩んでいる人

  • Z世代の伸ばし方を知りたい人

そんな方々へZ世代の著者が贈る「取り扱い説明書」である。著者が世代の160万人からリサーチし、Z世代に響く褒め方・伸ばし方・叱り方を解説している。

会社には様々な世代が共存している。

新人類世代:1960年代生まれ
バブル世代:1965~1969年生まれ
団塊ジュニア世代:1971~72年生まれ
就職氷河期世代:1971~84年生まれ
ミレニアル世代:1980~90年代前半生まれ
ゆとり世代:1987~2004年生まれ
Z世代:1995~2010年生まれ

https://denwadaikou.jp/column/blog/20230623/

2024年に65歳の定年を迎えるのが1959年(昭和34年)生まれ。Z世代の最後、2010年(平成22年)生まれとは51年の差がある。
両者の間には、半世紀を超える年月が横たわっている。

本書を読むことで、
世代間の差異を乗り越え、信頼関係を築き、
よりよい会社運営のヒントが見つかるかもしれない。

著者プロフィール

著者は白附みくるさん。

株式会社OMOCHI代表取締役。2000年大阪府生まれ。14歳からTwitter上でインフルエンサーとして活動し、18歳のとき、1年間のワーキングホリデーにてオーストラリアでの着物販売を経験。19歳で日本へ帰国した後、海外向け着物レンタル・個人着付け師として独立。好評を博すも、コロナの影響で撤退することに。その後就職し、エステサロンの商品開発・マーケティング部で企業のSNS運用担当者として勤務。多様性に富んだZ世代の部下たちを抱えながら、チームとして大きな成果をあげ、2022年にSNS運用代行コンサルタントとして独立。2023年に株式会社OMOCHIを創業後は、Z世代ならではの視点と発想で、企業向けにSNS運用からマーケティングまでのトータルサポート事業を展開している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

『Z世代の取扱説明書 Z世代社長が語るリアルな本音』カバーより

◯◯世代、ひとくくりの不満

個人的に◯◯世代とひとくくりにされるのは、不満がある。

私自身は「ゆとり」世代で、社会に出てからは「ゆとり世代だから」と否定の意味合いでさんざんに言われてきた。自分自身を見てもらえない悔しさを味わったのは、1度や2度のことではなかった。

事務職は新入社員を迎える窓口。入社の手続きをとおして、初めに彼らと接する。自然と話す回数も増え、親しくなりやすい。

新しい環境になじもうとしているZ世代の彼らを努力をよく知っている。会社の人間関係に翻弄されて疲弊していく様子も見てきた。せっかくご縁があって弊社に入社してくれた彼らを、不本意な理由で退職を選択してほしくない。

業務上タブーだが、
個人的には、違う仕事がしたい、
もっと大手でキャリアアップしたいなど、
前向きな理由の退職なら大歓迎
だ。

弊社が彼らの人生の一部となれることに喜びを覚える。

先に入社している我々には、迎え入れる準備として

  • 何を大切にしているのか

  • どんなことに価値を見出しているのか

など、彼らを理解することが求められる。

信頼関係の築き方に世代差はあるのか?


『Z世代の取扱説明書 Z世代社長が語るリアルな本音』を読んで、よい信頼関係の築き方に世代は関係ないと気づいた。

  • 高望みせず

  • 会社に縛られず

  • 自分の時間ももちたい

そんな特徴を持つZ世代だが、ゆとり世代の私でも十分に理解できる。

会社が唯一の生き場所と定めている世代には、物足りなく感じるかもしれない。
昔でいうところのモーレツ社員だろうか。

24時間働ける時代は終わりを告げ、
会社と家族どちらか一方を選択しなくてもよくなった。
欲張ってもいい。
全部捨てて再スタートもしやすくなった。

若いときは会社だ!家庭や家族は後回しだ!

会社に忠誠心を求められていた時はそれで良かったかもしれない。

振り返れば誰もいなくなっていた。
誰もついてきていなかった。
同僚も、部下も、家族さえも。

想像しただけでも恐怖に震える。

過ぎ去った時間は帰ってこない。
それでは人生、寂しすぎるのではないだろうか。

やりたいことはすべてやってしまえばいい。

総務歴15年が見る社内人間関係の築き方


話は変わるが、会社で感じのいい人だな。と思う人に会ったことがあるだろうか。

優しい人だなあ~と思っているうちに、
話しやすい雰囲気につい心の本音がポロポロ漏れる。

こんな話するつもりじゃなかったのに
誰にも言ってなかったのに
つい言っちゃった

という経験は誰でもあるだろう。
会社における人間関係を築くコツはここにあると思っている。

感じのいい人の特徴は

  • 笑顔

  • 優しい

  • 面白い

  • 話しやすい

が上げられる。

これはどの世代からも好かれる人の特徴で、Z世代もそんな先輩を頼りにしたいと思っている。
否定されることに免疫が少ない彼らだから、最初から怖い雰囲気や話しかけにくそうな人には関わらないようにするだろう。
不必要なリスクは負いたくないものだ。

つまり、Z世代とよい関係を築くには今まで社内でよい人間関係を築いてきた人なら難しくない。今までどおりでいい。

ただ、社外の人には感じがいいのに、社内の身内だけになったとたんに横柄な態度になる人は注意が必要だ。
おそらく社内の人間だけという気やすさから、多少強引な振る舞いをしても許されると思っているのだろう。
内弁慶は過去においてきていただきたい。

社内外の区別がなくなってきていると思っていい。社外で感じがいい人なら、きっと社内でもZ世代とうまく付き合っていけるだろう。

これからどうしていけばいいのか


令和の会社は混沌に満ちている。
様々な法律の改正に伴い、課題がやまほど出てくる。
作業量が多く、何から手をつけたらいいのかわからない。

一昔前なら、経験と勘でなんとか乗り切ってこれた。
今はそんな気配がまったくしない。
解説やマニュアルを読んでも用語が難しく、一体何をしたらいいのかわからない。

無理もない。
その解説やマニュアルを書いているのはミレニアル世代(1980年生まれ以降)より下の世代が多い。
世の中にカタカナや英語があふれている時代で幼少期を過ごしている彼らとは、共通認識が違う。

しかし、Z世代はもっとカタカナと英語に強い。
デジタルネイティブである彼らは、
すんなりと解説やマニュアルに記載されていることばの意味を理解できるだろう。

それを実務に活かすには、まだ業務の経験値が足りない。
そこで上司の経験と勘が日の目を見る。

令和の会社運営は、上司の経験値とZ世代の感覚にかかっている。その2つが掛け合わされば、どんな荒波も乗り越えていけることだろう。

<文/よしの>


補足

モーレツ社員

会社への忠誠心が非常に高く、自らや家庭などを犠牲にしてまでがむしゃらに働くサラリーマンのこと。猛烈社員、企業戦士ともいわれる。1950年代~70年代の日本の高度経済成長期に生まれた言葉で、バブル経済崩壊後は賃金カット・整理解雇・非正規雇用の増大などにより、属する企業への忠誠心が薄れモーレツ社員は減少している。電通総研が2015年8月に発表した調査結果では、週に3日以上働いている18~29歳の男女3000人でモーレツ社員という言葉を知っている人は21.7%にとどまっている。

コトバンク https://x.gd/0BCjO

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