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デジタルだけでは選挙に勝てない

以前、立憲民主党の小沢一郎衆議院議員が、こんなことを話していた。

小沢氏は、「選挙においてデジタル手法ではなく、人間関係の構築が重要である」と述べている。候補者と直接話をすることや握手をすることが投票の基準になる、と。

まさにその通りではないかと思う。実際に、選挙を戦ってきた人なら、よりその内情は分かるのではないだろうか。

確かにSNSを通じて、多くの政治に関する情報が拡散されているが、投票する有権者の中でSNSを利用して政治を見ている人々はまだ少数派である。
選挙に関心のない人々はそもそも政治家のSNSを見ること自体が少ないのではないだろうか。結局のところ、デジタル分野だけに注目しても多くの票を得ることは難しいだろう。


【デジタルを活用するメリット】

しかし、だからと言って政治家はSNSといったデジタルを活用しなくていいわけではない。そこには、デジタルなりのメリットがある。
まず、SNSを通じて政治活動や選挙運動を行うことにより、広範なオーディエンスに対してリーチすることができる。現在では、幅広い年代の人間がSNSを利用している。そのプラットフォームを活用することで、より多くの人々に自身の政治活動やメッセージを届けることが可能になることは間違いない。

また、デジタルの活用により、新たなファン層の獲得やコアファンの形成につながるメリットもある。SNSを通じて支持者との直接的な対話が可能となり、有権者とのコミュニケーションを強化することも可能である。これにより、支持者との絆をより深めることができるため、選挙戦略の一環としてデジタルを活用することは非常に有効な手段となる。

さらに、デジタルは発信の自由度が高いことも大きなメリットだ。自身で自由に活動や意見を発信・拡散することができるため、政治家は自身の主張や政策をより効果的に伝えることができる。これにより、政治家の個性や強みを最大限に活かすことが可能だ。


【統一地方選を見ていて感じたこと】

最近行われた統一地方選を見ていて、デジタル活用に関する多くの気付きがあった。多くの候補者(特に都市圏や都市近郊圏)がSNSを積極的に活用し、選挙戦略に取り入れている様子が目立っていた。しかし、選挙の直前になって急にSNSを更新したり、アカウントを開設したりすることもしばしば見られた。直前にアカウントの開設やSNSの更新再開は、全くもって有効な手段ではない。

SNSの活用は日々の活動や意見発信を通じて、支持者を獲得していく過程において重要。選挙が近づいてから急にSNSを駆使し始めることでは、フォロワー層を十分に形成することができない。重要なのは、長期的な視点での戦略的な活動であり、日々の努力によって支持者を増やしていくことが不可欠だ。

また、統一地方選を通じて、SNSの特性をよく理解していない候補者の事例も見受けられた。Twitter、Facebook、Instagramなどの各SNSにはそれぞれ異なる特性や利用者層がある。各SNSの特性を理解せずに投稿してしまうと、SNSの効果が薄れてしまう可能性がある。デジタルを活用するにあたっては、各SNSの特性や適切な使い方を学び、戦略を練ることが重要だ。


【まとめ】

以上を踏まえると、デジタルだけでは政治に勝つことは困難であり、アナログな面が依然として重要です。選挙においては、人々との対面でのコミュニケーションや地域での活動が基礎として考えておくべきだ。

しかし、選挙戦略においてデジタルの活用は無駄なものではないことは覚えておいてほしい。補完的な役割ではあるものの、特に接戦の戦いでは、SNSを活用することが有効な手段となりうる場合もある。

また、政治家は広範なSNSではなく、特定のSNSに特化し、機能や目的に合わせて適切に活用するスキルが求められる。各SNSの特性を理解した上で、自身が使いやすい、発信しやすいと思ったものを継続していくことが重要である。

次の統一地方選挙までの4年間を見据えて、政治家は今から少しずつ自身の活動や意見をSNS上で発信し、より多くの支持者を獲得することが重要だ。

ぜひ、SNSを活用しながら、更なるご自身のファンの拡大に繋げてもらえれば、と思う。そして、SNSを楽しみながら使うことも忘れずに。

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