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夜だから、動くこと

今、この瞬間にも、Twitterの動きが活発になっている。

これほど多くの人が深夜に起きているのか、ということもだけれど、これほど多くの人が、この時間に動いていることが、なんかすごいと思った。

私は、夜の時間が好きだ。ここ数日は、明け方まで起きていることが多い。夜は理性がしぼみ、ついつい衝動的な行動をしてしがいがちだと言うけれど、いつも理性が強すぎて行動できなくなってしまう私にとっては、調度いいからかもしれない。

健康の為には早寝早起きがいいという俗説はあるが、どこかで、科学的にはそうでもないって言ってくれないかと思っている。だって、そうじゃないと、夜勤がある仕事の人はみんな健康的ではないってことになってしまうではないか。

そんな中、今、この瞬間にも、「#検察庁法改正案に抗議します」が伸びている。

ある意味で、この時間は聖域だ。大声を上げてデモ隊が歩くとか、報道で同じ話題が繰り返されるとか、そんなことは、今のこの日本ではまずないだろう。

そんな時間に、Twitterの中でデモが行われている。その大きな推進力となっているのが、二つの写真だ。ドラマの相関図のような写真と、教科書の写真。写真の影響力は強い。

しかし、同じことは、日中だったら起きなかったかもしれない。もっと理性的に行動しなければならない。安易に判断していけない。もっと情報を集めて精査すべきだ。もっと有識者の意見を聞くべきだ。そんな考えが、行動を押しとどめたのではないだろうか。

それだけ、夜の力が大きいのだと思う。夜は、人の感性を研ぎ澄まし、理性を取っ払う。時には、いきおいで失敗を招くけれども、時には、心の声に正直にさせてくれる。

きっと、理性で抑えていた不安や不満を行動に移すには、夜が適していたのだと思う。辛い毎日に自分を抑え込み、人の良心を信じることで辛うじて耐えている毎日。その中で、何かが弾けた。

これが、朝になって、何かが変わるのだろうか。

朝型の健康的な人達は、この行動をどう判断するのだろうか。この流れにのるのか、それとも慌てすぎだと一蹴するのか。

マスコミは取り上げるのか。煽動的なコメンテーターの一方で、有識者は知識のない有権者だと嘆くのか。

夜の力は、どうも昼の力には分が悪い。夜の住民は、昼の住民に叩かれやすい。夜の勢いは、昼の理性の前に抑えられてしまう。夜はなかったことにされ、昼だけがこの世界だと映ってしまう。

夜が明けた後、世界はどのようになっていくのだろうか。もしかしたら、この国にも、夜が戻ってくるのかもしれない。

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