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地域のことを見つめ直すための本3冊【読書のきろく】

地域のことを改めて考える機会があり、そこで新たなキーワードを教わりました。「ソーシャル・キャピタル」です。
一緒に紹介された参考書籍を読み終えて、今回はそのきろく。

「ソーシャル・キャピタル」は、日本語で「社会関係資本」と訳されます。他者への信頼、お互い様の譲り合う気持ち、人と人とのつながり(ネットワーク・絆)を指す言葉です。個人だけでは存在せず、人と人とが関わることで生まれるもので、これが豊かであると、協力し合う関係や行動が生まれ、ボランティアなどの社会活動が活発になり、政治参加も促されると言われています。多くの人が研究していて、健康や教育、経済活動、地域の安全に影響を与えていることが分かっています。
これらは、平常時には気づきにくいものだと思います。失ったり、おびやかされたりしたときに、はじめて気づくことが多いかもしれません。また、良い影響だけではなく、人間関係に悩まされたり、ストレスを抱えて体調を崩すこともあります。

「ソーシャル・キャピタル」の研究では、「一般的にいって人は信頼できると思いますか、それとも用心するに越したことはないと思いますか?」という問いで、社会全般に対する一般的信頼度を測っているそうです。
この問いに、どう答えますか?

僕は、関わる人の属性で変わるような気がしました。ここの人たちは信頼できるけど、あのコミュニティから声をかけられたら身構えてしまう、みたいに。

人のつながりで、一番近いのは、夫婦や家族。そこから、友人、職場や地域と、人間関係は広がっていきます。その関りの中で、生活習慣や思考・行動の選択パターンの影響を受けて生きています。個人ひとりだけでは、もちろん生きていけません。特定のつながりも大事だけど、ゆるく広いつながりも大切。
地域に目を向けることは、「ソーシャル・キャピタル」の観点からも、有効で重要であることが分かりました。この軸を持って、いろんなことを整理したくなっています。

地域と関わりながら感じていたことを、改めて言語化しながら見つめ直した本たち。

「ソーシャル・キャピタル」とは何か、どんな研究をされてきたのか、を学べるのが、『ソーシャル・キャピタル入門 孤立から絆へ』。

「健康」の視点から、地域、夫婦、職場における人のつながりを考えられるのが、『つながりと健康格差 なぜ夫と別れても妻は変わらず健康なのか』。

「幸福」の観点で、地域社会のつながりが幸福な人生を送るために欠かせない要素として捉えるのが、『幸福の習慣』。

最後に。
「ソーシャル・キャピタル」のために人と関わるのではなく、人と関わる時に常に伴走しているものと捉える方がしっくりくると感じました。あまりにも目的化しすぎると、「ソーシャル・キャピタル」というモノサシで人や地域を判断してしまいそう。
人のつながりが、お互いの人生に良くも悪くもに影響を与えることを一度大きく受け止めて、その上で目の前の人や身近な地域にひとつずつ向き合っていくのがいいのかなと思います。

読書のきろく 2021年4・5・6冊目
「ソーシャル・キャピタル入門 孤立から絆へ」
#稲葉陽二
#中公新書

「つながりと健康格差 なぜ夫と別れても妻は変わらず健康なのか」
#村山洋史
#ポプラ新書

「幸福の習慣」
#トム・ラス
#ジム・ハーター
#森川里美
#ディスカヴァー・トゥエンティワン

#読書のきろく2021

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