帽子のしっぽ

今日も、学校に向かう三男と一緒に家を出る。僕の一歩先に、胸の高さで白いキャップが進む。アジャスターのところにできるドーム型の穴から、髪の毛が一束、ちょこんと顔を出している。しっぽみたいなさらさらの毛は、どっちに似たのか分からない。
『SINCE 1986』
しっぽの上に、赤いフェルトで縫い付けられた文字がある。1986年、僕は7歳で、目の前の男の子と同じ年だ。

そんなことを考えながらマンション1階の大きな木のドアを押し開けると、突然目の前が光に包まれた。おどろいて視界を閉ざす。
止めた息をゆっくり吐きながら目を開けた僕は、両側に田んぼが広がる細い道の上にいた。

田植えが終わったばかりの田んぼには水が張られ、日の光を反射してキラキラ輝いている。細く直立している幼い稲たちが、風に合わせて一斉に体を動かした。
どこかで見たことがある、懐かしい景色。そうだ、ふるさとのあの道。

青いランドセルを背負った三男と歩いていたはずなのに、目の前のランドセルは、真っ黒。右下に、動物のシールが貼ってある。しっぽをなびかせ、疾走する馬。小学生の頃の僕は、早く走れるようになりたいからと、馬のシールをあらゆる持ち物に貼っていた。どうやら、この男の子は、少年時代の僕のようだ。

三男を学校に送る朝、白い帽子の後頭部から、一束の髪がしっぽみたいに出ていました。
その様子を書き留めて、何か話が膨らまないかなと思って、書いてみたのが今日のnoteです。

三男の帽子

飛び出てる髪の毛

1986年

僕は7歳で三男と同じ年齢

タイムスリップ

父の目から見た僕がいて・・・

うーん。膨らませたかったけど、難しい。盛り上がりも、着地点も。

練習?実験?は、これからも続けます。

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