見出し画像

’誰とか君’に伝えたい!

ここ1週間ほど、窓際をチラチラ飛び回る黒い
点々。‘ブヨ’というのでしょうか。
家の中なのに、発生してしまいました。

白い壁とレースのカーテンに点在している姿は
結構目立ちます。

普段カラカラに乾燥しているウランバートルに
しては珍しく、じっとり雨続きだったのですね。

ブヨは湿度を好むそう。
外を歩いても、大量に飛び回っています。

そう言えば、雨季と乾季にピッタリ分かれた
タンザニアに住んでいたときも、雨季には
家の中にブヨが発生していました。

なぜか分からないのですが、玉ねぎに
たかっていたのですよ。タンザニアで買っていた
野菜は、畑からそのままきましたと言わん
ばかりの、土つきゴロゴロ木訥な姿。

玉ねぎひとつにしても、ソトの生態系を
そのまま家に持って帰ったような感じで。

ブヨの温床になっていた玉ねぎ。その時期だけは
土のついた玉ねぎの外皮を全部むいて、きれい
さっぱりツルツルにしたものをキッチンペーパー
で包んで冷蔵庫に「避難」させていました。

タンザニアの生活は、ブヨだけではなく、
アリンコやヤモリ、果ては「世界一気持ち悪い虫」
という汚名まで背負わされたウデムシまで、
同居しているような毎日だったんですね。

ゲゲッと思われるかもしれませんが、
人って慣れるもので。アリンコやヤモリは、
可愛いと思えるほどだったのですよ。

ずっと生き物が一緒にいてくれて、
「私、ひとりじゃないんだ」という妙な
安心感、あったか感があったのです。

だから、この「ムシ同居生活」に慣れた後、
モンゴルへ引っ越してきたとき、
最初はショックでした。

この極寒気候、そしてぴっちり閉ざされた窓、
室内にムシなんかいるはずがない。

生命のかけらもない殺風景なマンションの室内に
当初、落胆と寂しささえ覚えました。

いやいや、私も実はムシは苦手なほうなん
ですよ。日本に住んでいたときは、殺虫剤を
ふりかざしていました。

でも、生き物にあふれたタンザニアや
短い夏を懸命に生きるムシたちを見ると、
「殺虫剤なんて殺戮兵器やないか!」とさえ
思うように。

我が家のムシ退治は、タッパーと厚紙です。
タッパーをかぶせて捕獲し、厚紙を下に
差し込んで閉じ込め、外へ逃す。

害虫は例外ですけど。

だから、ここウランバートルの自宅でブヨが
発生しても、「あれ?生き物がおる!」
といった感じ。

いろんな経験をすると、自分でも想像して
いなかったような見方をするようになるんです。

私は、不登校支援の活動をしていますが、その
私の中で、不登校に悩む「〇〇君」という
存在がいます。

通称、’誰とか君’。

私の中では、その’誰とか君’とはすでに繋がっている
確信があります。

その’誰とか君’を助けたいんだ。
さまざまな経験は、予想だにしなかった発見を
もたらしてくれます。それが自分の糧となる。

この思い、’誰とか君’に届けるぞ!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?