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気になる賞

担当作が賞をとる!

芥川賞と直木賞が発表になりましたね。

編集者をやっていると、担当した本が売れてくれるというのは何より嬉しいことですが、それとはまた別の軸で、担当作が何かの賞を受賞してくれると、やはりうれしいもの。

一般的な知名度としては、文学作品のものが高いでしょう。
芥川賞、直木賞がやはりツートップなのでしょうが、
最近は本屋大賞も人気が高い。
特に、こちらは「書店員さんが売りたいと思っている!」ということが明確なので、売れ行きに繋がるという意味で出版社的にも嬉しいでしょう。

学術書の賞は?

というわけで、どうしても文芸系の賞に注目が集まりますが、
それ以外のジャンルにも賞はあるわけで。

私が長く関わっていた学術書のジャンルだと、
一番注目されるのはやはり、「サントリー学芸賞」だと思います。

https://www.suntory.co.jp/sfnd/prize_ssah/


最近は新書で学術書を書くケース(特に中公新書)も多いので、新書の受賞作も増えていますが、以前はかなり重厚な本が多かった印象があります。
前職で13年間働いていましたが、受賞作を担当できなかったのは、正直少々心残りではあります。

ただ、それ以外にいくつかの賞は受賞しました。
有難いことに、学会が主催している賞は複数いただくことができまして、
転職後に受賞の連絡をいただくことも多かったです。
中には、転職から4年経ってから、受賞の連絡をいただいた本もありました。
2014年、京都勤務の最後の週(翌週から東京支社に異動になりました)にできてきた、梶原健嗣先生(愛国学園大学教授)の『戦後河川行政とダム開発』という本がありましたが、梶原先生が後に書かれた『近現代日本の河川行政』などの研究業績とあわせて2022年、環境経済・政策学会の学術賞を受賞されたという話を伺った時、「あの時の仕事が、後々まで効いてくるんだ」と、学術書の息の長さに改めて思いを馳せたものです(2018年に転職してからなんと4年後!)。

珍しい賞も受賞しました。
前職時代に担当した『国立競技場の100年』、サッカージャーナリストの後藤健生さんの本です。

これが、学術書のミネルヴァ書房としてはかなり異色ですが、ミズノスポーツライター賞の優秀賞を受賞しました。https://corp.mizuno.com/jp/zaidan/writer

驚いたのは、この賞、本書の前年の受賞作が『「弱くても勝てます」開成高校野球部のセオリー』 (髙橋秀実 著)だったのです。
授賞式があった2014年4月、まさにこの作品がドラマ化され、放送が始まった時期でした。

『国立競技場の100年』は、どちらかというと学術的色彩の強い本でもあったので、ドラマ化されるようなタイプの本ではありませんでした。とは言えドラマ化された作品と同じ賞を担当作が取れたというのは素直に嬉しかったですし、当時国立競技場の建て替え問題がホットだったので、大いに話題にもなり、私が書いたわけでもないのに、ちょっとした自信につながった一冊でした。

で、今はどうなのよ?

それで、転職してからはどうなのかというと…。
先程の例ではありませんが、前職時代に担当した本が学会賞を受賞した、という話を後になって先生から教えていただくことは時々あるものの、まだ受賞作を出せていません。

もちろん、刊行部数などは今の会社の方が多く、
読んでいただいている実感はあるのですが、やはり何か受賞作は狙いたい、という気持ちもあります。

弊社、日本能率協会マネジメントセンターは人材系の事業を幅広く展開していることもあり、人事系の本には定評があります。
そのため、HRアワードでは受賞作も出ていますが、私の担当作はまだありません。

どうしても過去の話を美化して語ってしまいがちなので、
ちゃんと今の仕事も誇れるように、実績を積んでいかねば、と思います。
会社も新年度になりましたし、今年度も頑張っていかねば!


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