もうすぐ5歳の息子に「どうせぼくはだめなんでしょ」と言わせてしまった夜に
次男の櫂の成長が目覚ましい。
そして、ますます強くたくましくなってきた。
その結果、3歳上のお兄ちゃんであろうと果敢に攻撃を仕掛けていく。
ぼくの膝の上で、一緒に図鑑を眺めている櫂。
図鑑のARに興味を持ったつむぎが近づいてくる。
つむぎに対して、櫂は高く掲げた手を振り下ろす。
バシバシッ!
「今はぼくが見ているんだから来ないで!」と言わんばかりの攻撃だ。
もちろん、つむぎは嫌がる。
そんな2人を眺めて「たぶん、櫂がこうやるのは、日頃つむぎが同じことを櫂に対してやってるからだよなぁ」と考えるぼく。
そして、櫂ではなくつむぎに対して
「つむ、櫂がこうやるのは、つむがいつも櫂に対して『あっち行って!』ってやってるからだよ」と諭そうとするぼく。
つむぎはみるみるいじけていく。
リビングに置いてある小さな椅子に深く腰掛け泣きそうなつむぎ。
「どうせぼくがだめなんでしょ!」
「いや、つむに分かってほしくて……」とつぶやくぼく。
その後のつむぎはかなりいじけ、機嫌が悪い。
グジグジとしながら、ダラダラと夕飯を食べる。
「はぁ、でも、櫂はきっとつむのまねしてるんだよなぁ」と思いながら、つむぎの姿を眺める。
眺める。
そして、考えを変える。
「ひとはそう簡単には変えられない、ひとを変えようとするのではなくまず自分を変えるべき」と言うのがぼくの思想だ。
それは我が息子に対しても変わらないのかもしれない。
今回も変わるべきはぼくだろう。
そもそも、攻撃をしていた櫂ではなく、攻撃を受けているつむぎに対して諭すようなことを言ってしまったのが良くなかったかもしれない。
確かにつむぎはお兄ちゃんだが、まだ4歳だ。
「つむぎの過去の行いが良くなかったから、現在の櫂の行動がある」と言ったところで理解できなかった可能性が高い。
実際、あのときあの時点で良くないことをしていたのは櫂の方だ。
それなのに怒られた形になったつむぎはいじけて当然だったのかもしれない。
あのタイミングで「だめだよ」と伝えるべきは櫂の方だった。
つむぎの過去の行いが本当に悪かったとしても、過去のことをあげて、あれこれ言っても伝わらないだろう。
これからは、つむぎが櫂に対して「あっちいって!」的なことをやったタイミングで、「だめだよ、こういうことしたら、櫂もまねするんだよ」と伝えるようにしよう。
そして、願わくば仲良く遊べているときに「ありがとう」と感謝を伝えられるようでありたい。
ということで、反省したぼくは、まだふてくされた様子でテレビを見ながらゴロゴロしているつむぎに、
「つむ、さっきはごめん。つむにばかり言い過ぎたね。許して」
と謝るのだった。
つむぎも「いいよ」と許してくれた。
つむぎと櫂が仲良く遊べる未来を願っていい関わり方ができるように頑張ろう。
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