一方的に体重かけられると疲弊する(2020年5月29日)

初夏! って感じの空だ。

庭に出ると日差しが暑い。父が芝生を刈り、母が花壇のムスカリを切っていた。

「もう切るの?」

「だって、もう花終わったでしょ」

花が終わったことが、私はよくわからない。カピカピになって枯れ落ちない限り気づけないだろう。

淡いグリーンだったおおてまりの花が白くなっている。その横には、はじめて見る黄色い花。

「山吹だよ。山吹色って言うでしょ」と父。

光の加減だろうか、山吹の花はぜんぜん山吹色じゃない。むしろレモンイエローに近いくらい、淡くてあざやかな黄色だ。

庭は、数日目を離すともう変わっている。「季節の移ろい」は、イメージよりずっと早い。高速だ。

山にいたとき、お客様は「季節の移ろい」の話をしたがった。

「自然の中にいると、季節の移ろいを感じるでしょう?」と、熱心にそのトークを引き出そうとしてくる。そうあってほしいのだろうか。

私にとって季節の移ろいは「いやでも実感するもの」で、貪欲に感じ取ろうとする姿勢に違和感があった。

でも、下界にいるとなんかわかる。季節の移ろいは見落としがちで、見落とさずにキャッチできたとき、自分の感受性を誇らしく思う。貪欲になるよね。

ここから先は

1,199字
このマガジンを購読すると、吉玉の日記がほぼ毎日読めます。基本的には毎日更新ですが、更新できない日もあるかも。最低でも月に4本は更新されます。 有益な内容ではありませんが、「読みもの」として読み応えのあるものを目指します。そのうち会員限定で相談に答えたり、音声配信なども考えています。

架空の犬をなでる日々

¥400 / 月 初月無料

noteをきっかけにデビューしたライター・吉玉サキの日記です。「できごと」より「考えていること」多めの思弁的な日記。たまに、あまり多くの人…

サポートしていただけるとめちゃくちゃ嬉しいです。いただいたお金は生活費の口座に入れます(夢のないこと言ってすみません)。家計に余裕があるときは困ってる人にまわします。サポートじゃなくても、フォローやシェアもめちゃくちゃ嬉しいです。