【ショートショート】校庭犬
「えー、まずは校庭犬の条件とは何でしょうか」
記者が問うと、校庭犬指導員の坂田哲雄は小さく頷き息を吸い込んだ。
声を発しようとしたその時、横に行儀よくお座りした犬がまるで自らが質問に答えるように小さく吠えた。
記者と坂田はそのタイミングの良さに思わず吹き出してしまった。
坂田は改めて息を吸い込む。
「まあ厳密に取り決めなどは無いんですが、しいて言えば雑種であることですかね。昔からそうなので」
「確かに思い返してみると、私自身も学生時代に何度か遭遇した記憶があります。それも当時