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「親は僕のことを見ていない」

〜京都大学医学部に地方進学校から塾通いなしで子供3人を合格させた子育て法〜

私の塾の生徒の話です。

中学2年生の時から指導していました。

真面目過ぎるほど真面目で、素直で、ちょっと「昭和」な感じさえする男の子でした。

高校1年になったばかりの頃、その子が塾に入ってきた瞬間、私は違和感を感じました。

何故、そう感じたのか明確な理由はありませんが、

「どうしたの?ちょっと何かあった?」


その生徒は、私の唐突な質問にびっくりしていました。

「何かあったのかな?と思って。〇〇君を見て、お父さん、お母さんは何か言わない?」と質問したところ、

「親は僕のことを見ていませんから」と言われました。

・・・

この言葉がすごく気になり、しばらくして、その生徒の親御さんに電話をして、「この頃、息子さんの様子が気になるのですが」と話をしたところ、

そのお父さんは重い口調になり「実は息子は今、タバコを吸って学校を謹慎になっている」とのことでした。

「息子さんが『親は自分のことを見ていない』と言っていた」ことを伝えると、そのお父さんはショックを受けていましたが、これからは親子の関係がよくなるように努力すると言ってくれました。「子供の自立の為に、自分は息子との距離をとっておいた方がいいと思っていたが、これからは自分から話しかけるようにする」とのことでした。

* *

子供のことを、よく見ていたら、服装や髪型が変わらなくても、視線の動かし方や雰囲気などで子供の様子の変化がわかることがあります。

もしかしたら、私が塾生に「何かあったのか?」と聞いた時、塾生は何らかのSOSを出していたのかもしれません。

・・・

「家に居たくありません。友達と一緒の方が楽しいです」

最初そう言っていた塾生ですが、「父親と同じ仕事に就きたい」と大学を決め、その後、勉強に集中し、第1志望の大学に合格できました。


「息子さんは、『お父さんと同じ仕事に就きたい』と言ってますよ」とそのお父さんに伝えると、その方は驚き、とても嬉しそうにしていました。

* *

高校生になっても、やはり子供は親を必要としていると思います。

体つきも大人に近づき、自分の意見もしっかり持ち始めますが、それでも側で親が支えてやることが必要だと思います。

「自分のことを理解してくれている人がいる」と思えることは、子供に安心感を与えます。また、子供にとって何よりの力になり、そして子供はその力に勇気をもらい、前に進んでいくことができるようです。



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