入社後活躍に照準を合わせる採用概念"オープンリクルーティング” 〜本音で採用する方法〜
いつからだろう、広告のメッセージを信じなくなったのは。
いつからだろう、いい会社と言われても粗探しをするようになったのは。
いつからだろう、採用はたくさんの応募者がいないと不安に感じるようになったのは。
オモテとウラ、ウチとソト。
僕たち日本人は古くから、一方と一方とが隔絶された二元論で話すことで人と人の関係性をうまーくゆるーくつなぐことを当たり前の所作として行ってきました。
オモテやソトではこう言ってるけどね、実は・・・。
なんて会話が飛び交うのは日常的なわけです。
しかし、
例えば、これからずっと仲良くしたい知り合いがいたとして。
その人との会話をうまーく当たり障り無く、外ヅラ良くした会話をこなしたり、よく聞こえるように嘘を吐いたり話を盛ったりすることで、仲良くなることができるでしょうか?
当然難しいですよね。
そう、きっと本音が必要なんです。本音で向き合い互いを信じあえるようになったとき、はじめて友人と呼べるのでは無いでしょうか。
さぁ、やっと採用の話を始めましょう・・・笑
【オープンリクルーティングって?】
これまで採用市場では、企業から就職・転職したい個人への一方的な魅力溢れんばかりの情報発信が主流でした。
当社はこんないいところがあります。アレもコレも。どうです?魅力的でしょう。ぜひ来てくださいよ〜。
いいところばかりで、イマイチな部分が無い会社なんてあるはずがありません。
言わば、本音で採用していないということ。
コレではいけません。
オススメしたいオープンリクルーティングとは、
企業の良いところもイマイチなところもオープンに晒し、
候補者が入社後も納得感のある採用を行う概念のこと
これより、オープンリクルーティングを行うことのメリットを
もう少し具体的に見ていきましょうか。
【オープンリクルーティングを取り入れるメリット】
メリット① 早期離職が減り、活躍することに集中してくれる
これはイメージがしやすいのではないでしょうか。
面接や求人広告やスカウトメッセージで伝える内容を、
本音で、ポジティブな面とネガティブな面の両面伝える。
そうすることで、
ネガティブ情報に引いてしまう人は辞退し、
ネガティブ情報を受け入れられる人は選考を進めたいと考える。
仮に入社したとしても、
本音の、社内のネガティブ情報を知っているため、入社前後のギャップが少なくなります。
下記調査によると、就職前のイメージと異なると感じた若手社員は約8割もいて、ギャップを感じた層には、著しく会社満足度の低下が見られたそうです。
優秀な人材を採用してもすぐに辞めてしまわれては意味がありません。
単に優秀な人を採用するのでは無く、
自社に合っている優秀な人を採用することが理想です。
メリット② 就職・転職市場で目立つ
新卒では、2020年春卒業予定の大学生の有効求人倍率は1.83倍(リクルートワークス研究所)
中途では、2018年12月の有効求人倍率は1.63倍(厚生労働省)
いずれにおいても売り手市場です。
就職しよう、転職しようと思いサイトに登録してみると、
引くほど大量のスカウトメールやDMが届くわけです。
そうなれば、時間は有限ですので、就職活動中・転職活動中の方は、スカウトメールや求人内容を吟味して応募するのでしょう。
そこに記載している会社説明や環境説明はとても大事ですよね。
では例えば、
「短い時間で高い成果を」が合言葉で、効率よく仕事ができ、ライフワークバランスも整えながら働いているメンバーが多いです。
若いうちから裁量を持って働けるので、圧倒的に成長できる環境です。20代のうちから新規事業責任者になれます!書籍やセミナー代も会社負担!
というのと、
正直、いま残業時間は平均月35時間と仕事量は多いですが、業務効率性を高めるため最適な管理システムの見直しや、RPAの導入、ワークフローの刷新を行なっている最中で、2020年の月平均残業時間を20時間程度にすることを目標にしています。
「Driving yourself」をバリューに掲げており、年齢や役職に関係なく誰しもが、自ら仕事を創りメンバーを巻き込むことでミッションを達成し、お客様に喜んでもらおうという風土です。実際にPJリーダーや新規事業責任者は自ら行動した若手のメンバーが7割を占めます。しかし自由さと大きな裁量が与えられる一方で、大企業ほど研修やOJTなどの教育体制は整っておらず、自ら必要な知識を勉強し、現場で試行錯誤し、ベストなやり方を模索していく必要があります。スキルアップのための書籍やセミナー代は会社で負担しているので、自分で大きな成長を掴める環境はあります。
とでは、
どちらが信頼できる情報と感じるでしょうか?
どちらが信頼できる企業と感じるでしょうか?
ちなみに前者と後者も架空の会社ですが、設定は同じで、情報の切り取り方を変えているだけです。
自ら組織のイマイチなところや風土に合わない人がいることをさらけ出すだけで、こんなにも読み手の印象は変わるものです。
メリット③ 労働コストが軽くなる
応募前フェーズでイマイチな情報を晒すことにより、これまで獲得できていた母集団は小さくなるでしょう。
それは当然です。
自社の良いところだけに惹かれて応募した層と、自社の状況をある程度了承した上で応募した層とでは、後者はかなりスクリーニングされており減っているためです。
しかし、イマイチな情報を隠して集めた候補者は、
どうせ入社しませんし
入社したとしても
どうせすぐに辞めるか、
数年くらい嫌々働くので組織に悪影響を与えます。
書類選考、面談、面接、クロージング、入社時手続き、オンボーディング施策など諸々・・・
いずれ選考辞退したり早期離職したり入社後パフォーマンスの低いような候補者に対して、これらの労働コストをかけるのは無駄なのではないかと思います。
オープンリクルーティングを実行すると、自社にフィット感の強い応募者が集まるため、
書類選考や初期面談の数が減り、
選考を進めていく過程で「イメージと違った」系理由の辞退が減り、
入社後社内風土にフィットするのが早く、
初めから建設的でポジティブな事業改善の議論・行動をしてくれます。
活躍してくれる方に入社していただくために、労働コストを抑えるために、具体的にオープンリクルーティングをどのように行えば良いのか、次はその方法を考えていきましょう。
【オープンリクルーティングの実現方法】
実現するためには3つの大事なポイントがあります。
①自社を把握すること
②伝え方を考えること
③共感した上で関係者に協力してもらうこと
どれか一つが足りなくてもオープンリクルーティングにはなりませんので、面倒でもぜひお取り組みください。
方法① 自社を把握すること
会社の内情の実態を知る必要がありますが、内情というものは会社の資料やHPに載ってはいません。
社員の心の中にあります。
本音を知るのは難しいですが、方法はあります。
一つはクチコミサイトで情報を集める方法。
ただし、新しい会社や従業員数の少ない会社のクチコミは数が少ないケースがあり、その場合オープンリクルーティングをするには情報が不十分です。
そのような場合、オススメは社内匿名アンケートです。
アンケートを取る際、気をつけたいのは、アンケートを記載する側が忖度を行わず本音で書ける配慮をしましょう。
【アンケートのポイント】
・Googleフォームを利用し、匿名でアンケート
・「経営含め組織」「実務」「環境」などをテーマに「良いと感じるところ」と「イマイチだと感じるところ」をそれぞれ自由記述
アンケート内容は個人の主観で書かれたものであるため、同じような意見がたくさんあれば、それは内情と言えますが、1人2人くらいであれば内情とは呼べません。
そのため集まったアンケートを集計し、同じような内容をまとめていき被った数を数えます。
・まだ教育環境は整っていないため、自主性を求められる×12
・数字と結果で評価される成果主義。定量評価は賞与に反映される×4
・意思決定がスピーディ。朝令暮改で振り回される×7
・離職率が高い×5
・ビジョン共感の強いメンバーが多い。社会貢献性の高い仕事×9
・キャラクターがバラバラ。個性を尊重×8
・仕事量が多く長くは勤められない×4
・個人で仕事を自由に調整できる×8
被った回数が多い順に並び替えると、
今の、真の会社の姿が浮かび上がってきます。
方法② 伝え方を考えること
スカウトメッセージや求人広告などの文章も、
面談や面接で社員や役員が話す言葉も、
伝え方は基本的には同じです。
【オープンリクルーティング構文例】
※<>内に具体的な情報を入力します。
当社は、<良いところ、魅力>な特徴ですが、一方で<良い点の裏側>な面もあります。
今、<悪い状態>ですが、<改善の努力>をしており、<未来>には<良い状態>にする予定です。
方法③ 共感した上で関係者に協力してもらうこと
1人の社員を採用するまでに、たくさんの社員が直接的・間接的に関わります。
採用担当者1人で本音で伝えて頑張っていたところで、面接に入った現場社員や役員が軽々しく適当なことを言ってしまっては、台無しです。
そうなる前に、採用活動にアサインするタイミングで伝えましょう。
「入社後に活躍してくれる社員を採用するために、良いところも悪いところも晒して本音で採用しましょう」
オープンリクルーティングで実現できるメリットは、経営陣にも、現場で働く社員にも共感いただける内容のはずです。
説明してもイマイチ理解いただいていなければ、この記事を見ていただいてください笑
【最後に】
オープンリクルーティングを行うと、自社に合う人を採用することができるので、経営しやすく、一緒に働きやすくが実現できるはずです。
とは言え、良いところがあまりにも少ないと採用しづらいことは確かです。
だからこそ、会社を良くしなければいけない。
組織を磨く努力が必要です。
このオープンリクルーティングという概念は、どんな採用チャネルにも関わらず応用できる考え方です。
求人広告だろうが、エージェントだろうが、ダイレクトソーシングだろうが、リファラルだろうが・・・・
この国の企業が健全に成長し、そこで働く人々が働きがいを感じる世の中になって欲しい。
そのために、本音でオープンに採用活動を行う考え方が広まって欲しいと思っています。
カーテンが閉まっていると、
外から家の暮らしぶりがわからないんですよ。
せっかく家族で楽しく過ごしているのに、その様子が伝わりません。
さぁ、カーテンを開けてみませんか。
外は、
眩しいくらいに広がる、青空ですよ。
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