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何にでも使えるは、誰にも必要ないということ

万能薬と専門薬はどちらが売れるか?

かつてこのような以研究が行われたそうです。
様々な端末(PCやゲーム機、スマホなど)の充電ができるモバイルバッテリーとスマホ専用のモバイルバッテリーを販売し、その売れ行きを調査しました。

みなさんは何でも充電できる万能モバイルバッテリーとスマホしか充電できないモバイルバテリーはどちらが売れたと思いますか?

答えは、、、、
スマホしか充電できないモバイルバッテリーです。

一見、多機能で性能が多く付いている万能モバイルバッテリーが売れそうなものですが、私たちの心理は、多機能よりもより専門的(=限定的)なものを求める傾向にあります。

実際の私たちの生活を振り返ると身を以て感じることと思います。

美味しいパンを買おうと思って、パンしか売っていないパン屋さんとなんでも売っているスーパーどちらに買いに行くでしょうか?

頭痛がひどく、ドラックストアに駆け込んだとき、熱、のど、鼻水に効く総合風邪薬と頭痛薬のどちらを買うでしょうか?

おそらく大半の方が、パンが食べたければパン屋へ行き、頭痛がひどければ頭痛薬を購入するのではないでしょうか。

WEB上では万能約は売りづらい

マーケティングの世界ではよく、WEB上では万能薬は売りづらいと言われています。

理由は、WEB上ではワンクリックで他の商品やサービスと簡単に比較できるからです。
欲しい商品をGoogle検索にかければ、Amazonや楽天など様々なチャネルで販売されており、送料サービスやアフターサービス、キャンペーンで差をつけています。

しかしながら、今やこれはWEBに限った話ではないと思います。

いくら店舗で商品販売をしていても、これだけ世の中にモノが溢れ、スマホが普及した世の中では、簡単に比較・検討ができてしまいます。

万人受けする言葉では売れない

リアル(オフライン)で商品を営業する際、対面なので、相手の属性(=年齢・性別・趣味など)を把握しながら営業できます。
一方のオンライン上の営業では、相手の属性は全く不明です。

ここでやりがちな失敗は、当たり障りのない、万人受けする言葉で営業をしてしまうことです。
メールマガジンやLINE配信でもよく見受けられます。

しかし、万人受けする言葉=自分ごとではない=売れないという悪循環を生み出します。
オンライン上の営業は特に、専門的な商品特徴を見合ったターゲットに営業することが求められます。

例えば、日焼け止めを営業するとしましょう。
まず商品はいつでも使える日焼け止めではなく、海など夏のレジャー用の日焼け止めと設定します。

悪い営業の例としては、20代〜50代の女性に対し、暑い夏の日に焼け止めはいかかですか?と営業します。

良い営業の例としては、まずターゲットを活発な20代、夏に海やプールでアクティブに活動している都内在住の女性とします。
そのターゲットを想定し、綺麗な肌をいつまでも保つ日焼け止め。夏のレジャーに一本持っていきましょう!などと営業するのがいいかと思います。

こういうお話をすると、20代にターゲットを絞って、30代〜50代に売れなくなったらどうするんだ?との声が上がることがあります。

問題ありません。しっかりターゲットしておけば、年齢がマッチしなくでも、夏のレジャーを楽しみたい30代〜50代の女性に響きます。
いや、女性と言わず、サーフィンが趣味の男性にヒットするかもしれません。

他の誰でもない、あなたに買って欲しい!!という
受け取り手が自分ごと化できる訴求が今や大切になっています。


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