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駐在員の悩み。海外での子供の教育について考えてみる〜日本人学校かそれともインターナショナル校か?〜

✔︎駐在員の悩み。海外での子供の教育について考えてみる

駐在員の皆さん。海外での子供の教育について悩んでいませんか?
駐在員の悩みの一つに、海外での子供の教育が挙げられると思います。特に「日本人学校かそれともインターナショナル校か?」に関しては相当頭を悩ませると思います。親の中でも意見が分かれる話題だと思います。

私の子供達は、1回目のシンガポール赴任とその後のベトナム赴任時は「日本人学校」を選択し、その後、2回目のシンガポール赴任と現在の駐在地タイでは「インターナショナル校」を選択しました。

今回の記事では、あくまで私自身の経験ですが、「どのような理由で日本人学校を選択したのか?」また「どのような理由でインターナショナル校を選択したのか?」について書いてみたいと思います。

初めに言っておきますが、どちらを選択すれば「正解」というものはないと思います。理由は簡単で、どちらを選んでもそれなりに「正解」になり得るからです。「正解の中から正解を選ぶ」から難しいのです。

ただ、短絡的にどちらかを選択するのではなく、それなりの納得感を持ってどちらかの選択を行うほうが、後々の後悔は少ないはずです。私も常に迷いながらの選択でしたが、過去の迷いや、当時考えていた事を、以下まとめてみたいと思います。

✔︎日本人学校を薦める理由とは? 

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海外で「日本人学校」を薦める方の意見を集約すると凡そ以下のようになると思います。

1.日本人である以上、日本の教育を受け、子供にはしっかりと日本人としてのアイデンティティーを身につけさせたい 
2.将来ずっと海外にいる訳ではなく、いずれ日本に帰国する為、中学、高校、大学受験に備える為、幼少期から日本の教育を受ける方が有用
3.日本人のコミュニティーの中で安心していたい

✔︎インターナショナルスクールを薦める理由とは?

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 一方、「インターナショナル校」を薦める方の意見はどうでしょうか?これも凡そ以下のようになると思います。

1.多種多様な国籍の人達と学ばせ、子供には多様性を身につけさせたい 
2.学びを通じ、将来必須言語の「英語習得」が可能である 
3.日本だけでなく、将来海外の大学へも道が拓け、選択肢が増える
4.   海外で生活できるチャンスはそうそうないので、デメリットを差し引いてもインター校の経験を子供にはさせておきたい

✔︎学校選択の議論を難しくさせている理由とは?

いずれの理由も反論の余地が無いほど正しいと思われます。本来なら子供本人に決めて欲しいところですが、子供にそのような判断能力は当然備わっておらず、親が判断しなければならないのが現実だと思います。

問題なのは、ほとんどの親がインター校に通った経験がなく、日本の教育しか受けていない為、経験のある日本の教育と、経験もなしに、ほぼ「想像」でインター校を語ってそれらを比較する為、それが議論を余計に難しくさせてしまうのです。

私も私の妻も帰国子女でもなんでもない、超ドメスティックな環境で教育を受けて育った為、勿論同じような状況でした。

✔︎「オンライン学習」が教育を変えるのではと悟った、ベトナム駐在

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1回目にシンガポールに駐在した時も、その後ベトナムに赴任した時も「日本の学習をしっかりさせてあげたい」そしてその学びの中で「日本人としてのアイデンティティーを身につけて欲しい」という思いが強く、比較的迷わずに「日本人学校」を選択しました。上記でまとめた「日本人学校」を薦める方の意見に大いに同調していた訳です。

しかしながらその考え方が少しずつ変わり始めたのは、ベトナム駐在中に自分自身が経験した「オンライン学習」になります。

2015年より、グロービス経営大学院のオンラインMBAをその頃からスタートさせ始め、自分自身がオンライン学習の飛躍的進歩を肌身に感じていました。子供向けという意味ではリクルートの「スタディーサプリ」を視聴した時の衝撃は今でも覚えています。

講師の質も高いし、子供に分かり易いような教え方をしており、大人の私が見ても「なるほど」と思える内容です。ちなみに「私」は当時このスタディーサプリを愛用しており、高校生向けの「英語」や「歴史」を中心に視聴していました。

「インター校に行けば日本の教育が受けられない」という仮説はこの時点で立たず、やる気と時間さえあればオンライン上で「良質」な教育がリーズナブルに受講できるのです。

「日本人のコミュニティー」も学校外で子供がダンスやテニスの課外活動を通じコミュニティーを構成できることや、同じコンドミニアムに住む日本人とも我が家は比較的仲良く出来るので、日本人とのコミュニティーが途絶えてしまうこともまずないと考えました。

そうなると残って来るのが「日本人としてのアイデンティティーの獲得」です。確かに重要なテーマであり、日本の道徳教育や文化を学ぶ上で身につき、その為には「日本人学校」が良いようにも思いますが、ここに対しての私の考え方も、数年間の海外生活を通じて少しずつ変わって来たのです。

✔︎アイデンティティーを考え始めるきっかけは何か?

自分自身は小・中・高、そして大学まで日本の教育にどっぷり浸かっていたのですが、その中で「日本人としてのアイデンティティーが獲得できた!」という実感はほぼ無かったです。

それを意識し始めたのは社会人になり、外国人と働くようになり、そして駐在員として海外で働くようになり、「日本」と「世界」の違いを認識するようになって初めて「日本とは?日本人とは?自分とは?」と考えるようになったのです。

日本人としてのアイデンティティーは同質な日本人のコミュニティーの中で構成される訳ではなく、むしろ異質な外国人のコミュニティーに囲まれ「違い」を感じる事でやっと「考え始める」のだと思うのです。

上記のように考えると、これまで見えていた日本人学校にいることのメリットが希薄化され、「海外生活という恵まれた機会の中では、インター校に通う方が、私の子供たちにとっては良いのでは?」と思うようになったのです。

そう考えてからの決断は結構早く、2回目にシンガポールに赴任した際にはインター校を選択するようにしました。子供も最初ドキドキしていたみたいですが、インターの生活にもすぐに順応し、英語スキルも緩やかに上達し続けています。多種多様な国籍に囲まれ、徐々に多様性も身についていると思います。

✔︎教育は親の思う通りにいかないという現実も理解する

自分の中ではある程度の論理と納得感を持ってインター校を選択したつもりなのですが、想定外なのは「スタディーサプリ」を視聴し続ける忍耐力がまだ子供には備わっておらず、私がオンライン上の教育を「おもしろい!」と感じるように子供たちが思えていない点です。

やはり教育は親の思い通りにいきません。。。何より子供も我々大人が考えるより早いスピードで毎年成長し続け、考え方もびっくりするくらい毎年変化します。

結局のところ、親が出来る事は、子供をしっかりモニターして「子供に合った適正な学習環境を与えてあげる事」が大事だと思います。決して、親が英語苦手で友達家族も「日本人学校」を選択したから自分たちも「日本人学校」を選択したり、なんとなく子供が英語しゃべれるようになりそうだから「インター校」に行かせてみようというような、親都合の学校選択にはならないようにしたいものです。

日本人学校からインター校を選択した私の子供の結末に関してはまた数年後まとめてみたいと思います。

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