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義務教育の美術をアップデートせよ

僕は、小学校・中学の頃、美術が嫌いだっだ。
理由は、絵や図画工作(細かい作業)が下手で、良い評価をもらえなかったからだ。おそらくこれらの類の科目に関しては、褒められたこともないだろう。

そしてyosemic で活動し、表現活動が身近になった今 振り返ると、やはり美術の科目はもっとこうした方が良いのでは? という改善点が多いことに気付く。

書いてみると当たり前のことだなと思いつつ、実際の教育現場では実践されてない現状(といっても僕の経験は15年ほど前)をみるに、是非改善して欲しいという思いも込めて、書いてみた。

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まず学習指導要領を見てみよう。

学習指導要領「生きる力」

美術は、学習指導要領の「生きる力」の第2章に分類されるそうだ。

第一 項目の目標は以下の通りだ。


第1 目標
 表現及び鑑賞の幅広い活動を通して,美術の創造活動の喜びを味わい美術を愛好する心情を育てるとともに,感性を豊かにし,美術の基礎的な能力を伸ばし,美術文化についての理解を深め,豊かな情操を養う。

ふむふむ。素晴らしく、政府が作るような非の打ち所がない文章だな。

次は、学年別(中学1年・2年)の目標をみてみよう。

1. 目標 (中学1年)
(1) 楽しく美術の活動に取り組み美術を愛好する心情を培い,心豊かな生活を創造していく意欲と態度を育てる。
(2) 対象を見つめ感じ取る力や想像力を高め,豊かに発想し構想する能力や形や色彩などによる表現の技能を身に付け,意図に応じて創意工夫し美しく表現する能力を育てる。
(3) 自然の造形や美術作品などについての基礎的な理解や見方を広げ,美術文化に対する関心を高め,よさや美しさなどを味わう鑑賞の能力を育てる。
1 目標(中学2年)
(1) 主体的に美術の活動に取り組み美術を愛好する心情を深め,心豊かな生活を創造していく意欲と態度を高める。
(2) 対象を深く見つめ感じ取る力や想像力を一層高め,独創的・総合的な見方や考え方を培い,豊かに発想し構想する能力や自分の表現方法を創意工夫し,創造的に表現する能力を伸ばす。
(3) 自然の造形,美術作品や文化遺産などについての理解や見方を深め,心豊かに生きることと美術とのかかわりに関心をもち,よさや美しさなどを味わう鑑賞の能力を高める。

学習指導要領との乖離

この学習指導要領は平成21年の更新が最後みたいだ。比較的、理想論としては的を得ているようにも思う。

さて現実はどうなのだろうか。
僕自身の経験を話そう。

僕の中学校は、都内私立で偏差値も決して悪くはなかった。(当時のことは知らんが、今は都内国公立を含めた学校で10本の指には入るらしい)
そこそこ世間一般ではちゃんとした学校に通っていたのだが、今振り返ってみても、理想とは大きくかけ離れている。

あくまで当時(15年程前)の僕の学校のことなのでサンプル数は1だが、僕の中学校の場合、美術といえば、うまくデッサンする、うまく彫刻する、うまくコラージュするというものばかりだった。

絵の描き方、彫刻の仕方に上手に描く論理的なスキルがあるのは知っている。絵は誰でも学べばある程度描けるのは周知の事実だろう。

ただ美術(アート)に”正解”というのものがあるのか知らんし、どのような評価基準で点数をつけられているのかわからないが、他の科目と同様に点数をつけらて、評価されるものであった。

別にアートは自由だ、なんてたいそうな事を言うつもりはない。ただの中学生でアートの知識も何もない、文字通り真っ白なキャンバスの感性に、アートという分野でいきなり正解を求める教育といのうは、いささか疑問を感じる。

僕に限らず、同じ境遇の人も少なからずいるのではなかろうか。

アートとは

当時から学習指導要領は変わっていないが、今の時代は実態としては多少なりとも変わっているのかもしれない。ただ僕の当時の経験は、アート教育と言えるのだろうか。僕が感じたのが、数学や英語などと一緒に、正しい正解(スキル)を身につけるためのトレーニングであった。

昨今、アート思考というものが騒がれて久しい。不確定要素が多く、環境が目まぐるしく変わる時代には正解を出す能力よりも、問題を探し、見出し、提起する力が求められる。

今後はより美術・アートの力が求められる時代だからこそ、今こそ義務教育の美術がアップデートされることを切に願う。

ライター:Shotaro


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