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発作的に発表!いろんな自分のベスト10!

突然、自分が好きなベストテンを並べたくなった。このエッセイを読んだから。

世界音痴(穂村弘)

歌人、穂村弘のエッセイ。世界には臆病なのに、思考は大胆という特殊な価値観フィルターを通した日常が綴られている。

「寿司屋で板前さんに注文しようとしたら、声がでかいお客さんに上書きされた」「飲み会で自然に席を移動することができず、最初の席にずっといた」など、生活の中で心をキュッとさせてしまう1ページに、ひどく共感してしまう。

短編集の構成になっていて、穂村さんが発作的にベストテンを発表する回がある。「漫画部門」、「小説部門」などお気にいりTOP10を紹介していくのだけど、1番おもしろかったのが無差別部門。飲みものやケア用品、知識まで本当に無差別に紹介されている。

これを読んでぼくも無性にベストテンを作りたくなった。そんなわけで、ぼくの発作的なベストテンにお付き合いください。

1.ごはん部門

1.寿司
2.焼肉
3.すき焼き
4.ラーメン
5.お好み焼き
6.ホイコーロー
7.やきそば
8.鮭の西京焼き
9.エビチリ
10.天ざる

全体的に茶色い。仕方ないよね。男の子だもんね。

苦渋の決断だった。TOP3ぐらいまでは王道というか、あたりまえのラインナップ。TOP5以降から、かなり悩んだ。

前の日記で「好きなたべものの上位層はありきたりだから、7位くらいにその人の本質が出る説」を書いた。この説に則ると、ぼくの本質は「やきそば」ということになる。割とお手軽…!


2.デザート部門

1.杏仁豆腐
2.プリン
3.ベイクドチーズケーキ
4.ミルクレープ
5.ごま団子
6.抹茶アイス
7.薄皮まんじゅう
8.おしるこ
9.コーヒーゼリー
10.かぼちゃケーキ

デザートってごはんに比べたら、みんな意見分かれるのでは!?「これはTOP3に絶対入るだろ」というおやつがない気がする。

「和風系統」をどの位置付けに置くか非常に悩んだ。大好きなんだけど、杏仁豆腐とかプリンあったらそっちを選んじゃうんだよな。けど、カテゴリとしては非常に強い。

チーズケーキはベイクド派です。異論は認めます。

3.小説部門(2021〜2023年に読んだものの中から)

1.傲慢と善良 (辻村深月)
2.正欲 (朝井リョウ)
3.ねえ、委員長 (市川拓司)
4.六人の嘘つきな大学生 (浅倉秋成)
5.そして、バトンは渡された (瀬尾まいこ)
6.会社員、夢を追う (はらだみずき)
7.ライオンのおやつ (小川糸)
8.お探し物は図書室まで (青山美智子)
9.愛がなんだ (角田光代)
10.キッチン (吉本ばなな)

1作者1作品のみルール

小説をランキングにするのって難しいね。かなり悩んだ。最近読んだのが印象に残るから、どうしても上の方に来てしまう。

割と読んでスッキリする作品よりも、「問い」を残してくれる作品が心に突き刺さりやすい。

「傲慢と善良」「正欲」はまさにそう。心の奥底に隠れていた、自分でも気がついていない感情にライトを照らされた。その上で「この感情にどうやって向き合っていこう」と読後にグルグルと考えた作品。

「会社員、夢を追う」は、就活で落ちて紙の専門商社で働く主人公が、社会の荒波に揉まれながら出版社を目指す物語。

やりたくない仕事、理不尽な取引先、同期との絶妙な距離感、徐々に育まれる信頼関係など、会社員のリアルな日常が綴られている。読みながら「ぼくのこと書いてる?」と共感できる場面が多々あった。

ぼくは大好きだけど、他の人が読んでも共感しない可能性大なので、人に紹介してこなかった作品。

主人公の内面にフォーカスされていて、できごとを通じて価値観が浮かび上がったり、変化したりする作品が好きなのかも。


4.旅行先部門

1.小笠原諸島 父島 (東京都)
2.熊野古道 (和歌山県)
3.知床国立公園 (北海道)
4.佐渡島 (新潟県)
5.恐山 (青森県)
6.河原毛地獄 (秋田県)
7.礼文島 (北海道)
8.伊豆大島 (東京都)
9.一切経山 (福島県)
10.秋吉台 (山口県)

自然ばっかり。島への旅行が好きなので、かなりランクインしている。熊野古道に関しては、旅行先としての魅力はもちろん「民宿で他のお客さんと語り合い、住み込みの子供たちと遊んだ」というオプションによる加点が大きい。

北海道は住んでいるうちにもっとたくさん旅行したかったけど、1番右上(知床)と1番左上(礼文島)は行けてよかった。北海道は「今、日本のはじっこにいる…!」という淡い緊張感があるのが好き。

現状はだいぶ北の方に寄っているので、これからは南を攻めていきたい。

5.無差別部門(ここ3年間で個人的に出会ったものの中から)

1.BOSE QuietComfort Earbuds (ワイヤレスイヤホン)
2.文化創造拠点シリウス (図書館)
3.イラスト謎解きパズル (謎解き本)
4.松栄堂 芳輪 二条 (お香)
5.地元のとんかつ屋で曲を流したらレコード会社の耳にとまったこと(SHISHAMOのメジャーデビュー理由)
6.ウタマロ (石鹸)
7.Ctl+D (ショートカット)
8.美術2の人 (YouTubeチャンネル)
9.3ターンだけ君が好き (ボードゲーム)
10.文通村 (サブスク)

イヤホンを間違えて洗濯したことにより、ノイズキャンセリング機能のものを買い直したのだけど、これがビックリ。今の技術ってすごいのね。図書館で隣の席の中学生が勉強せずにコソコソ話してても気にならなくなる。

10位の文通村という文通相手が見つかるサービスで、文通していた人に教えてもらったのが4位のお香。

ぼくが短編小説を書き、それに登場する香りを相手が想像して、香り紙で送ってもらうという平安時代みたいなことしてた。文通は時間がかかるのでやめてしまったんだよね…。またいつか再開したい。

7位のショートカット(主にパワポ)については、知って膝から崩れ落ちた。今まで5年ほどCtrl+CとCtrl+Vを押しまくっていたのに、一度でできたなんて…!ぼくの5年間とはいかに…。

タイムマシンができたら、新入社員の自分に会いにいき「Ctrl+ Dを教えにきた」と乗り込む予定である。

***

「比べがたいもののランキングをつける」って難しい行為だね。しょうもない記事なのに、これを書くのにめちゃめちゃ時間がかかった。

TOP10を決めたあとに「おい、ドーナツはどうすんだよ…!」など次から次へと候補が出てきてしまう。正直、書いた日の気分によってだいぶ順位が変動しそう。

でも、自分が好きなものを格付けする行為はとても楽しい。そこに紐づく色々な思い出が蘇る。

特に無差別部門は自分の頭の中で盛り上がった。自分の心を揺さぶったものを脳内検索すると、案外いろんなジャンルから出馬してくる。

みんなのもいつか、聞きたいな。

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