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パンみみ日記「はなまるうどん甲子園常連店舗」

日々のできごとをかき集めました。パン屋に置いてある、パンの耳の袋のように。日常のきれはしを、まとめてどうぞ。5個くらいたまったら店頭に置きます。


6月4日(土)
会社のお付き合いで、サッカー試合のチケットをもらった。会社の人たちと観戦へ。

選手が会場入りするところから見ていたのだけど、真剣な表情で勝負に向かっている姿に心を震わされた。

ぼくは人が極度に集中している姿を見るのが好きだ。パフォーマンスを最大限にするために、気持ちを整え、戦闘体制へと自分を塗り替えるその一瞬に輝きを見出す。

試合が始まると、見なきゃ行けない場面が多くて、視線は大忙し。1手2手先を見据えた軌道を描くパス、相手の接触にも負けない体幹、ゴールまで駆け抜けていく緊張感、それぞれをじっくりと目に焼き付けた。

そして、スポーツには本当に多くの人たちが携わっていると感じた。コーナー近くにはカメラマンが躍動を切り抜くために座っており、ベンチ横には担架を抱えた救護班が待機。ハーフタイムには芝を整える部隊が出動したりと、世の中には色んな仕事があると思い知らされる。

一瞬のために全力で向き合っている人たちを見つけると、勝手にその人のストーリーに想いを馳せてしまう。

ぼくの人生には、見たことないけど観なきゃいけないものが、まだずいぶんあるらしい。


6月5日(日)
お昼ごはんのお店探しのために、Googleマップを探索。すると、気になるクチコミがあるラーメン屋を見つけた。

「半チャーハンが、なぜかケンタッキーフライドチキンのあの味。なにがどうなってあの衣の味にたどり着いたのか不思議ですが、美味しく頂きました」

そんなわけないだろ。なんでラーメン屋でオリジナルチキンの味わい堪能できるんだよ。

しかし気になりすぎる。トコトコとお店へ。昔ながらのラーメン屋といった感じで、気だるそうなおじさんが1人で切り盛りしていた。

ラーメンと噂のチャーハンを注文。チャーハンは油でテカテカと光っていて、具材も多い。少しの期待と不安を胸にひとくち。

言われなかったら思わないけど、コショーのスパイシー加減がケンタッキーと思えなくもない…?というかケンタッキーってどんな味だっけ…?

ラーメン屋でチャーハンを食べながらケンタッキーの味を思い出そうとする謎のシチュエーションにより、味のゲジュタルト崩壊が起きる。

結論よくわからなくなったけど、おいしかった。また行こう。こういう、よくわからないクチコミを元にお店を開拓するの、たまんないね。


6月5日(月)
有休。月曜だけど遅めに起きる。さて、何をしようか。

ぼくは有休を楽しむのがヘタクソだ。みんなが働いていると考えると落ち着かないし、大事なメールが入っていないか都度確認してしまう。

結局、在宅勤務みたいな感じになってしまう。けれども、家で仕事をするとそれはそれで「なんで仕事してんねん」と自己肯定感を突き落とされる。

やはりヘタクソすぎる。というわけで、とりあえず家を出てみた。そしていつもの通勤ルートを辿り、会社近くの図書館へ来た。

適度にメールチェックをしながら、本を読みふけった。そんなに自己肯定感が下がらなかった。こうしてリハビリをしながら、徐々に有休を楽しめるようになろう。

みんな有休って思いっきり楽しめるのかな。頭を切り替えるの上手くなりたいな。

6月6日(火)
明日は会社の人たちとの飲み会がある。残念ながら体調不良で1人欠席との連絡が。

ぼくがお店を予約していたので、人数変更のため居酒屋に電話。プルルル…ガチャ。

「明日の18時半から7名で予約している、よさくと申します」
「予約なんて入ってないヨォ!」

威勢のいいおばちゃんに即答された。そんな、まさか。

「いや、そんなはずないです。電話で予約したんです」
「間違いじゃないのカィ?じゃあね!」

ツーツー。

ひどいよ。そんな態度なんてあんまりだ。でももし予約が入っていなかったら、今から会社近くのお店を探さなきゃいけない。このあたり、空いてるお店あんまないんだよなぁ…。

泣きそうになりながらスマホの画面に目を落とす。

そこには、ぼくが予約した店と同じ名前の、田舎のスナックが映っていた。

全然違うやん。めっちゃ遠いとこなんだけど。なんでここに電話したんだ。地元民が千鳥足で2軒目としていくとこだ、ココは。

正しい店にかけ直した。予約できてた。スナックのおばちゃんには悪いことをした。


6月7日(水)
外回り。ランチにはなまるうどんへ。店内に入ると、元気な店員さんの声が響き渡る。

「いらっしゃいませぇーー!」
「かけ中入りましたぁーー!!
「ありがとうございまぁーす!!!」

活気が満ち溢れている。他校に練習試合に行ったとき、野球部がめちゃめちゃ声を出して練習するのを見て「絶対ここ強豪校だ」と感じるのを思い出した。ここめっちゃ強い店舗だ。

笑顔はじける接客、お客様を待たせないスムーズなデリバリー、ハキハキとした挨拶。「はなまるうどん甲子園」があるとしたら、この店舗常連だわ。選手層が厚い。

ぼくの注文の番になった。ずっと目がニコニコしているおばちゃんに「ご注文はお決まりですか〜?」と母親のように優しく聞かれる。温玉ぶっかけ中を頼んだら

「たま中入りましたぁー!!」
「ありがとうございまぁーす!!」

と店内に響き渡った。キャバクラでドンペリ頼んだらこんな気分になれるのかな。530円でこの気分になれるのすごいな。

「ネギはトッピング⭐︎コーナーでおかけくださ〜〜い♪」

トッピングコーナーが夢の国かのようなテンションで言われた。ワクワクがとまんないよ。

うどんをすする間にも元気な声は聞こえ続ける。脳が部活中だと錯覚し「早く昼メシくって練習戻らなきゃ」という気分になった。どゆこと。

すごい店舗だったな。本社からめっちゃ評価されてほしい。

エネルギーをふんだんに浴びて店を出た。午後の仕事も頑張るぞい!

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