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『ひとつも割れない』

確信犯だった。一瞬の怒りを、気持ちだけじゃなくて、本当にするために。マグカップの取手を握って、そのまま力を込めて振り下ろした。銀色のシンクの台に叩きつけられたカップは、破裂したかのような力のある大きな硬い音とともに跳ね返った。

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