【第一の人生】75の章:壊れてしまったユカりの元へ向かう
*登場人物*
萬里→主婦で妊娠中(ユカりの入院先へお見舞い計画)
ユカり→ダーリン先輩の元嫁。仲良しだったけど色々なトラブルがあって精神科へ入院(村さんからは、霊に取り入られてると判断でました)
村さん→鹿児島の怪しいサラリーマン、わりとゆるキャラ(裏の顔は一流の能力者、萬里は頼りっぱなし)
村さんの元を訪れてから
数週間後、
ユカりと連絡が取れたので
約束して早々に会いに行った。
入院している建物自体は
高級ホテル並みにキレイで広い
が
やはりゾワゾワする
建物周辺の空気は
陽炎のように
何かがモヤモヤっと
立ち込めている
精神疾患の人とはこれまで
関わることなど無かった
別の世界の事だと思ってた
まさかこんな身近な友達が
病気になって苦しむとは思っても
みなかった
どう接するかも
よくわからないけど
あの飲み屋の帰りに
萬里に刃物を突き付けた
女の子を思い出し
とにかく視線を合わせる努力を
しながら
会話を途切れさせないよう頑張った
ユカりは元々
細身ではあったのだけれど
顔は丸くて可愛らしい人
今は頬はこけて
もう骨と皮って言っていいくらい
ガリガリだ
会えなかったこれまでの間の事を
色々話してはくれたけど
腕には
自傷行為の凄まじい痕
自殺防止の為
病室には小物やおしゃれする道具は
一切持ち込めない事
携帯を使える時間は限られて
外部との接触が困難な事
ユカりが入院している病院は
監視が必要な
重症患者が入るところだった
今回短時間でも外出ができたことは
とてもラッキーだった
でも
一緒に遊んでいた頃の面影はなくて
切なくなる
終始穏やかではあるが
発作で倒れることもあるので
不安が常に伴う中
抵抗なく村さんと話をさせる
流れに持っていった
村さんと電話を替わっても
ユカりはほとんどしゃべらない
人には明るくて楽しい自分だけ
を見せてきたユカりは
現状を知られるのが
恥ずかしいのかもしれない
沈黙が続く
その間に村さんが
ユカりになにか
術を施して
何かの対応してくれてるのは
なんとなくわかった
ユカりの反応は見た感じ
特に変化は無い
電話を受け取り
ひとまず外に出て
ユカりと話した結果
どう感じたのかを
村さんに尋ねた
村さん「ん~、
難しいですね〜
本人の意識がもうすぐ潰されそうです。
憑き物と仲良く
なってしまってるみたいで。」
萬里「それどういう意味ですか?」
村さん「お互いが共存して
居心地がよくなってる状態で・・・。
私が対応しても、
本人の意識自体が
それを拒否してしまってて
霊達を身体から
追い出すことができません。
私の呼び寄せにも応じないし・・・。
本来のユカりさんの意識と
ユカりさんが持つ浄化の力で
頑張って自分自身と
戦ってもらうしかありませんね〜。」
意味はイマイチよくわからなかったが
とんでもないことが
起こっているのはわかる
ユカりであって
ユカりではない
そう感じていたのは間違いなかった
萬里「結局、
本人次第てことなんですね?」
村さん「はい。
ユカりさんが打ち勝つ力
を信じて待ちましょう。
萬里さんの想いが
助けになるかもしれませんよ。」
萬里「わかりました。
ユカりを精一杯応援します。」
ユカり自身が霊を
受け入れてしまっている、
ユカりはユカり自身の力で
霊を追い出して
自分を取り戻すしかない
萬里は祈って待つ
それしかできないのだ
しかし
想いはあっても、
これっきり
ユカりからの連絡は
また途絶えてしまった。
よろしければサポートをよろしくお願いいたします! 頂戴したサポートは祈祷師活動のエネルギー♪( ´θ`)ノ 賛同いただいたあなたに、ご加護をお祈りさせていただきます。