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Vol.29#教えて先輩パパとママ 独自インタビュー 『産後の夫婦円満の秘訣(1)』

❁初めに❁

『産後の夫婦は仲が悪くなる、もしくは恋人のような愛情がなくなると聞いた。自分はそうなりたくないので、産後も夫婦が円満になるための秘訣を教えてほしい』

 あるプレパパさんからこんなメッセージを受けた私は、これまで得てきた知見を元に『産後の夫婦円満の秘訣』について記事を書きました。
けれど、書いている中で湧いてきたのは、“専門的知識だけじゃ、読者の方はきっと物足りない!!実際に産褥期を乗り越えた夫婦にインタビューしてみたい!!“という想いでした。そして、”夫婦円満“と聞いてパッと顔が思い浮かんだご夫婦に話を聴いてみました^^

❁インタビュー❁

今回ご紹介するのは、結婚5年目のM夫妻。現在10カ月の男の子の育児に奮闘されています。

―お子さんが出来たと分かった時、どんな想いや気持ちが芽生えましたか?―

そうですね、ずっと子どもが欲しくて不妊治療もしていたので、子どもができたことが分かった時にはとても嬉しかったです。家族が増えるって嬉しいなという気持ちがじわじわ湧いてきたのを覚えています。
また、私は教育関係で年中~小6の子どもたちに携わってきたのですが、自分が知っている4歳以降の世界と未知である4歳より前の世界を線で繋げたいというのもありました。
子育てってどんな感じなのかなとか、不安よりも色々実験したいなという好奇心の方が強かったです。
唯一の不安は、不妊期間が長かったこともあって、当時まだ自分の身体を信頼しきれませんでした。妊娠期間は嘔吐や吐き気などの体調不良が続いて、“私の身体は命を産み落とすまでたどり着けるのか”という漠然とした不安がありました。

―そうだったのですね。お子さんが生まれる前と生まれた後とで変わったことは何ですか?―
 
大きく変わったのは、1日1日の濃さです。
同じ10カ月でも大人として過ごしているとあまり変化はないけれど、子どもの10か月は出来ることが増えたり、身長や体重が大きくなったりと日々がとても豊かに過ぎていくなと感じます。
一日一日の大切さを感じ、改めて自分がどういう仕事をしたいのか、どういう人と繋がりたいのかを考えるようになりました。
子どもとどうしたいか、これは子どもの優先順位を下げてまでやる仕事なのかなど、一つひとつ天秤にかけて考えるようになったことも大きな変化です。
その自分にとっての優先順位をちゃんと大事にできるかでその日の心の満足度が変わるんですよね。モヤモヤしている時は優先順位が変わっているというのが分かります。

あと、夫婦のコミュニケーションの在り方が変わりました!
夫に対して、家族で一緒に過ごしていく上でのパートナーという感覚になりました。最初、夫とはぶつかりました~!!その中で相手がどうこうではなく、まず自分を整えていくことが大事だし、そのために「私今疲れているみたいで、一人でカフェに行く時間がほしい」と自分を整えるために必要なことはちゃんと伝えるようになりました。

あとは、喧嘩の仕方も変わりましたね。今までは互いの主張でぶつかっていたのが、「そもそも何を中心に喧嘩をしているんだっけ?」「この話をしているのは何のためだっけ?」と確認するようになりました。
最近で言えば、コロナの中で夫がどうしても出社しなければならないとなったのですが、「何で会社に行くの?私たちのことは大事じゃないの?」ではなく、“家族の安全を守るためにコントロール出来ることとコントロール出来ないことは何か”を中心に話しました。
“相手を責めるのではなく、何が悲しくて何が辛いのかといった、自分の感情を伝える”
“相手に対しての想いを伝えた上で話す”
といったことも最近出来るようになってきましたね。一時期、夫婦の触れ合いが減ったんです。子どもを抱っこすることで満たされていたんですね。今はできる心持ちのときは(笑)喧嘩の終わりに主人とハグしています!!

―それは素敵ですね!!―

私が産褥期を迎えた頃、産後のママたち何人かでパートナーシップについて話す機会があったんですね。産褥期にパートナーが助けてくれないというのは一種の『裏切られた感』があるのですが、そこで見えたのは、産後の女性は客観的視点が失われるということ。だからつい「相手が悪い!!」と攻撃的になってしまいます。
でも、話していくうちに「本当は自分はどう思っているのか。本当は何によって満たされるのか。」といった内面が見えてくるんです。それが分かった上で自分をまず満たすことにフォーカスする。「私が子どもを見なきゃいけないし」とか「旦那はわかってくれないし」という考えも浮かびますが一旦それは横に置いて、伝える努力、やってみる努力をしてみるんです。
犠牲感で「なんで私ばっかり」という状態から「これが私のやり方で一番この形がフィットする」という状態になれたらとても大きいなと感じています。
毎日ご飯作ることがストレスでそれを旦那さんに勇気を出して伝えてみたら「週に1回は刺身だけの日があっても全然嬉しい」ということがわかって、「え~~?!いいの?!」という人もいましたね^^

自分が整ってきて、ようやくパートナーを観察することにフォーカスできる。すると、相手が”何を考えて何をしているのか”といった裏にある思いに気付くことが出来ます。
すると、こちらも感謝の気持ちが芽生えたり言い方を改めたりするようになります。
『対話』って大事ですよね。

―対話は確かに大事ですね。私もその必要性について実感しています。でも元々日本人って対話の文化や経験があまりないですよね。なので、「対話しよう」と言ってもそうならないことが多いように思います。-

そうですね。話をするとなるとどうしても「今日こういう事があったんだ。」という事実ベースになりがちです。そこに「今日こういう事があってね。凄く嬉しかったんだよ。」というような、感情を表す言葉を入れると自分が日々どんなことを感じて過ごしているか共有できるし、それに対しての相手の考えも聞けるなと感じています。

―なるほど!感情ベースで話すですね!!我が家でも早速やってみます!!
続いて、Mさんが産褥期をどのように過ごされたか教えてください。

・過ごした場所
退院後は実家に戻らず、自宅で過ごしました。
産前と同じように家事をこなすのは無理だと分かっていたので、「家事は家電にお願いしよう!!」ということで、食洗器と洗濯乾燥機を買いました!!
1番困ったのは食事ですね。食事を作るのは天上のことで、料理する気力が起きませんでした。体力もありませんし。
朝は卵掛けごはんにするにしても、昼ごはんがない。かといってレトルトやコンビニ弁当は身体が拒否するし、、、
1番嬉しかったのは、誰かが来て食事を作ってくれて一緒に食べること。そして、一緒に子どもを見てもらうことでした。それにとても救われました。出産祝いの代わりに来てもらえるならそれが良いと思います!

・ヘルプに来てくれた人
職場の後輩や先輩、友人たち。

・1番きつかったこと
実母と喧嘩したことです。
それまでは実家までの距離があったのと連絡を取る頻度もたまになので、関係は良好だったのですが、久しぶりに毎日一緒にいることで精神的にストレスが溜まっていってしまいました。

―え!!とても仲の良い親子に見えましたが、何が辛かったのですか?―

 自分の生活スタイルと親の生活スタイル、そして親の産褥期と自分の産褥期が全然違うことです。
 母親からは「2週間したら床上げしなさい。」と言われていましたが、私は1カ月と周りから言われていました。それを伝えると、「母親としての覚悟あるの?」と言われてしまい、相容れず、早々に母は実家に戻りました。母は母で娘にこうあってほしいとか価値観がありますし、自分は自分で考えがありますから、そこが難しかったですね。

―里帰りした際に実のお母さんと喧嘩をするといった話、ちょこちょこ聞きます。お母さんはお母さんで正論だし、こちらはこちらで正論だし、正論と正論のぶつかり合いは折り合いの付け方が難しいですね。―

・ご主人が産褥期の奥様と接するにあたり大事にしたこと
 妻との時間を毎日13分作るようにしています。なんでもその時間は月収20万に値するとか。毎日話す時間を作ることで、多少収入が減っても妻は許してくれるそうです。
 うちは、夫婦で一緒にお風呂に入ってコミュニケーションを取っています。赤ちゃんの様子はベビーモニターで確認しています。
 あとは、コンビニやファミレスに行ったりするなど、妻が一人になれる時間を作るようにしています。
 
―夫婦円満であるために、大切にしていることがあれば教えてください。―

対話することです!!

―これから出産を迎えるパパとママへのメッセージをお願いします!―

産後鬱の研究を長らくしていた友人が言っていたことは、産後鬱を防ぐ方法は、「複数のコミュニティを持つこと」だそうです。
挨拶しあって成長を喜び合えるコミュニティ、自分の内側を話せるコミュニティ、などなど。
 特に産後は一人で抱えやすいですし、夫婦間でもいろいろあります。
 そんな時にこの人には産後の辛さを話そう、この人には子どものことを相談しよう、この人にはパートナーシップのことを相談しようといった複数の頼り先があることで、全然違うなと私は感じました。特に一人目の時は初めてのことばかりでいっぱいいっぱいで、冷静さを失うこともあるなと。私も複数のコミュニティを持ったことで随分と救われました!

―社会に出てからは特に異なるコミュニティを持っておく必要性を感じていますが、産後はよりその必要性が高まる訳ですね。本日は貴重なお話を聴かせてくださり、ありがとうございました!!―

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