日本で知った「居酒屋文化」。みんなが優しいから頑張れる【私が養老乃瀧Ｇで働く理由①ファン・ヌ・トゥアン／養老乃瀧池袋南口店】
養老乃瀧グループ各店で、社員として頑張るスタッフ達。彼らはなぜ今、ここで働いているのか。その理由を深堀りしていく連載インタビューの第１回目です。
ファンさんは2017年にベトナムから来日。2019年に養老乃瀧池袋南口店のキッチンで働き始めました。「最初は戸惑うことも多かった」と語るファンさんですが、2022年11月に特定技能を取得。現在は正社員として頑張っています。
今やさまざまな国の人が働く、居酒屋チェーンという職場。外国人の方に自分らしく伸び伸びと働いてもらうために、私達が理解しておくべきことは何でしょう。
養老乃瀧グループ各店で、社員として奮闘するスタッフ達。彼らはなぜ今、それぞれの場所で社員として働いているのか。その理由を深堀りしていく連載インタビューの２回目は、ファン・ヌ・トゥアンさんのお話をうかがいます。
■日本人の常識が通用しないことも多々
頑張れる人が、仕事を長く続けられる。でも頑張るにはお給料や仕事の内容、そして一緒に働く人の気持ちも大切です。今のお店ではスタッフのみんながとても優しくしてくれるので、本当に助かっています。
現在24歳のファン・ヌ・トゥアンさんがベトナムから日本に来たのは、10代の終わりのころでした。
最初の１年間は新聞配達をしながら語学学校に通い、その後は某飲食チェーンで調理と配達。そして2019年から、養老乃瀧池袋南口店でアルバイトを始めました。
最初のころは日本語力がついてこず、苦労も多かったようです。
料理の知識がぜんぜんありませんでした。お店で習う以外にもYouTubeを見たり友達に質問したりしながら、徐々に慣れていきました。
日本の居酒屋料理には、ベトナムにない食材がよく使われます。例えば大根や小松菜はベトナムにはありません。ラーメンとか、よく似たメニューもあるんですけどね。
自国にない食材の扱いは難しいものがあります。外国人の方に調理を深く知ってもらうためには、まずは材料がどうやって作られているか、基礎から教える必要があります。
例えばいきなり豆腐の切り方を説明するのではなく、まず「豆腐は大豆からできていて、大豆はこういうもので…」ということから、レクチャーしなくてはいけないのです。
そしてもちろん、食の好みもさまざまです。
日本の食事にはだいぶ慣れましたが、苦手なものもあります。納豆などのネバネバした食べ物は苦手です。好きなのは牛丼やお寿司ですね。お寿司は特にサーモンが好きです。
ただ、生ものが苦手な外国人は多いです。最初に食べる時は僕も勇気が必要でした。お店でまかないを食べることも多いですが、いくつかの種類から選べるといいですね。今のお店は、そういった話をちゃんと聞いてくれます。
■困ったことがあれば、教えてあげたい
また食以外にも、日本の居酒屋文化も知ってもらう必要があります。例えばファンさんは働き始めたばかりのころ「宴会」というカルチャーがわからなかったそうです。
難しかったのが、宴会には料理を出すタイミングがあるということ。もちろんベトナムにもパーティはありますが『飲み放題』『コース料理』という考えはない。コースで料理が決まっていて、オーダーがなくても順番にどんどん出していく、というやり方がなかなか理解できず戸惑いました。こういったことを最初にしっかり教えてもらえると、すごく助かります。
日本人なら当たり前の常識が海外の人には通じないケースは多々あります。
例えばインドやネパールの一部地域の人は「Yes」の意味で首を横に振ることがありますし、ブルガリアでは「NO」の時に首を縦に振り、「YES」の時に首を横に振るそうです。
日本人のスタッフがよかれと思って注意しても、海外の人はその理由がわからない。そんなケースも多いことでしょう。
ファンさんは昨年11月に特定技能を取得し、養老乃瀧の社員になりました。
特定技能を取得すると５年間、日本に滞在できます。ファンさんは「もし居酒屋で働きたいベトナムの人がいたら、喜んで養老乃瀧に誘いたい」と語ります。
もし何か困ったことがあれば、私がすぐに教えてあげられます。私が働き始めたころは、日本語で書かれたマニュアルを読まなくてはならず、大変でした。でも私がいれば、同じ苦労をしなくて済みます。
一緒に働くみんなの優しさに助けられて、４年やってきました。これからできるだけ長くここで働き、料理の腕を上げ、お店の経営を学びたい。将来はベトナムに帰り、日本の居酒屋を開きたいと思っているんですよ。
大きな夢の実現に向けて頑張るファンさんを、養老乃瀧グループは最大限にサポートしていきます。将来、ベトナムの地にファンさんのお店ができる日が楽しみです。
（終わり）
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