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08 | 髑髏、しゃれこうべ、晒され頭

昨年は台湾のグループショーに出展したり、アメリカのFacebookの企画でアーティストとコラボレーションしたり、外国に触れる機会の多い年でした。

海外では現地のお宮や教会に触れ、祈りの形のさまざまを見、これまでより深い祈りの表現について考える機会となりました。改元のタイミングも重なり、否応にも時代の変わり目を見せつけられます。公私共に大きく運命が動く時期だと感じています。

「変身、変容」が今展のサブテーマです。自分の中で定型となっていた獅子狛に変化を与え拡張します。変わったドライフラワーやフレブルの頭部骨格標本などを集めては眺め眇めつする日々です。

祈りの裏側を描きたいと考えています。
祈りとは、何らかの実現を請うこと。

髑髏、しゃれこうべ、晒され頭はそのひとつ。
貴族も偉人も人は皆最後は同じ骨になる。
結末が分かっているからこそ、今日をより良く生きよう。

「大丈夫、行き着く先は皆同じ」と死や未来への不安を慰め励ますものも祈りなのだと、私は髑髏から学んでいます。

此の世の最後は彼の世のはじまり。
めでたくもあり、めでたくもなし。
そのような事を一休禅師も仰った。

毎日死んでいく細胞と、生まれてくる細胞の循環の宇宙を生命1つひとつが抱えていると思えば、1分1秒がめでたくもありめでたくもなし。

人の慰みの為に造られた愛玩動物や金魚は、そんなことはどこ吹く風で生きています。私たちよりもずっとはやい時間の中で。

業の荊棘も希望の道も、受け入れながら考えながら、ただ前へ進むしかないのだと思います。

曄田依子個展「犬の系図」
2019年4月26日(金)- 5月8日(水)12:00-19:00 最終日のみ18:00まで
会場:AL
東京都渋谷区恵比寿南3-7-17
al-tokyo.jp

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