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天才もやっている「アイデアのつくり方」

こんにちは、シノです。みなさんは「いいアイデアが思い浮かばない」と悩んだことはありませんか? わたしはよくあります…。

そんな人にうってつけなのが『アイデアのつくり方』(ジェームス・W・ヤング著/日本では1988年出版)。

30年前の本って古くない?とみくびるなかれ。この本はアインシュタインやダーウィンのように考えるコツを、わたしたちに教えてくれます。

時間がない人は、この記事に目を通すだけでもOK。天才たちと同じマインドが手に入ります!(笑)

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アイデアは、ひらめきではない

アイデアがひらめく(閃く)と言いますよね。素晴らしい考えは突然現れる、みたいにイメージしがちです。

しかし、それが誤解であるとジェームス・W・ヤングは断言しています。

アイデアは私たちの意識下で進行するアイデア形成の、長い、目に見えない一連の心理過程の最終の結実にほかならない。

ちょっと難しい言い方ですが、要するにアイデアとは結果であり、それをつくりだすプロセスがちゃんとあるということ。

プロセスを知り、実践すれば誰でもアイデアをつくれるようになります。

詳しく見ていきましょう。

大事なのは、原理と方法を知ること

アイデアをどうやってつくるのか? 「車のつくり方と同じ」です。パーツを一つずつ、順番通りに組み立てていく。それにはテクニックが必要です。

テクニックを自分のものにするには「アイデアの原理」と「アイデアをつくる方法」を学ばなければなりません。
まず、「アイデアの原理」から説明します。

原理1:アイデアとは、既存の要素の新しい組み合わせである

わたしたちは創造主ではないので、無から生み出すことはできません。まったく新しく見えるものも、実はすでにあるもの同士を新しい方法や視点でかけあわせたものです。

作家の村上龍氏も、エッセイの中で「新しい小説とは言葉の新しい組み合わせにすぎない」と書いていました。同じことですね。

原理2:そのためには、事物の関連性をみつけ出す心の習性がいる

すでにあるものを新しく組み合わせるには、自分なりの仮説を立てること、それを習慣として身につけることが必要です。

では、どうすればその習慣が身につくのか?

ジェームス・W・ヤングが提案するのは、社会科学を学ぶことです。社会科学は、この社会に何が起きていて、人の行動はどのように変化しているのかを研究する学問。

アイデアを生みだすためには、社会全体やわたしたち自身について知識を深めるべきなのです。

アイデアをつくる方法=5つのステップ

つぎに、実際に「アイデアをつくる方法」です。
この5つのステップを順番通りにやりましょう。

ステップ1:資料を集める

ザ・地道〜!ですが、ここがもっとも重要です。
集めるべき資料は2種類。

特殊資料【商品と、それを売りたいと想定する人についての資料】
商品開発のもとになった研究や競合商品のデータはもちろん、それを実際に使ってほしいターゲットについてしっかりリサーチします。

一般的資料【人生のあらゆることについての資料】
自分の仕事に関わる範囲だけでなく、ニュース、本、映画、音楽、直接体験したことなどから気になる情報は何でもストックしておきましょう。

なぜ、こうした地道な資料集めが重要なのか? 特殊資料 × 一般的資料 = 新しい組み合わせ(アイデア)だからです。

ステップ2:資料を組み合わせる

集めた資料から一つ事実を選び、さまざまな角度から眺めてみます。また二つの事実を並べ、どうすれば二つが結びつくか調べて「新たな関係」を探します。

例として、女性向けの新しい化粧品を売るための企画を考えてみます。

特殊資料:女性向けコスメでも男性をアンバサダーに起用
一般的資料:おっさんずラブの流行

この二つの事実をつなぐもの=「意外性」と仮説を立てる

化粧品と組み合わせていちばん意外なメンズは誰だろう?吉田鋼太郎?松重豊?いやアニメのキャラクター?と掘り下げていく

この段階ではどんなにあり得ないものに思えても、すべてアイデアのかけらとして書き出します。

ステップ3:資料を孵化させる

資料を集め、仮説を立て、アイデアのかけらをどんどん書き出したら…いったん、ストップ。「問題を放棄しなさい」とジェームス・W・ヤングは言います。

ただ何もしないのではなく、無意識を刺激することがポイント。音楽を聴いたり、劇場や映画に出かけたり、詩や小説を読んだり…自分の創造力や感情を刺激するものに触れて、心をリフレッシュさせます。

ステップ4:アイデアの誕生

緊張しているときではなく、くつろいでいる状態のときに「わかった!みつけた!」という瞬間がおとずれます。

冒頭のアイデア=ひらめきというイメージは、このステップ4だけがクローズアップされて広まっているのです。

わたし自身、お風呂でシャンプーをしながらふといいキャッチコピーが浮かんだことがあります。しかしこれも、ステップ1〜3の努力が実った結果です。

ステップ5:具体化して現実的にする

ようやく生まれたアイデアが、そのまま使えるとはかぎりません。現実にフィットさせるため、何度も修正します。

有効なのは、チーム、他部署、家族や友人など理解あるまわりの人たちに意見を聞くこと。

良いアイデアは成長する性質を持っています良いアイデアはそれを見る人々を刺激し、その人たちが手を貸してくれるのです。

最後に〜トゲが、アイデアを引き立たせる〜

ステップ5にならって記事を何人かに読んでもらったら、あるデザイナーが「最後にトゲを入れる」と言いました。

そこで思い出したのが、香水です。「シャネルのNo.5」は歴史上はじめて、単体では嫌な匂いのアルデヒドがふんだんに使われたそうです。嫌な匂いが香りに奥行きを与え、「シャネルのNo.5」はより人を惹きつける力を持ちました。以降、香水はかならず嫌な匂いやくさい匂いを入れるようになったのです。

これはコピーライターとしても思いあたることがあります。文章やキャッチコピーを完璧に整えるのではなく、「気になることば」や「ひっかかる表現」を残すのです。

ん?どうしてこの言い方なんだろう?と読む人の記憶に刻まれたら大成功。わたしがしのばせたトゲも、印象的な香りに変わっていますように…。

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