【理学療法士が考える】どうして姿勢が悪くなってしまうのか

【動作・歩行の専門家】である理学療法士として、身体の歪みや不良姿勢が及ぼす身体への影響や、生活におけるの悩みとの繋がりについて解説し、その改善方法・予防方法もお伝えしています。

今日は、「そもそも姿勢ってどうして悪くなってしまうのか？」ということを理学療法士視点で考えながら書いていきたいと思います。

このあたりの歩行に関する投稿で書いているのですが、【正常】な歩行は身体に対してのメリットが多いのです。

【正常】な歩行と同じように、【正常】な姿勢も身体に対してのメリットが多いです。

体重が上手く分散して関節にかかる負担が少なく、そのおかげで血の巡りが滞らずに冷え知らずだったり。余計な力が入らずに済んで肩こり知らずだったり。楽なので長時間座っていても疲れにくかったり、目の前のことに集中出来たり、と。

このようにメリットが多いのなら、身体は自然と正常な姿勢を取ってもよいもののように思いますが、どうして姿勢は崩れてしまうのでしょうか？

まずは第一に、やはり【運動不足・筋力不足】が原因となります。

2011年の調べですが、世界20か国において平日1日の中で座っている時間を調査したところ、日本が【1日420分（7時間）】で、20カ国中【第1位】だったそうです。

フルタイムで働かれていると通常8時間勤務ですので、「そういえば7時間くらいは座ってるわ」という方はとっても多いのではないでしょうか。

コロナ禍でのリモートワーク推進もあり、通勤通学も減った分さらに座位時間が増え運動する時間は減っていると思います。

と、ここまで話しましたが、運動不足なんて自覚している方も多く、「わかっていること」じゃないですか？

理学療法士の専門分野である、身体の機能視点から見ると姿勢が悪くなってしまう原因は何なのか。

それは、【ボディースキーマの崩れ】だと考えます。

ボディースキーマとは、「今どんな姿勢なのか」「関節はどこの位置にあるのか・どのくらい曲がって（伸びて）いるのか」など、【脳の中で感じている自分の身体】のことです。【身体地図】【身体図式】とも言われます。

地図があると、現在地を知ることができますよね。同じように人間には、脳に身体のマップがあり、そのマップで姿勢を把握していると言われています。

ボディマップを作る情報は、骨や筋肉、またその他靱帯や腱などの感覚や、足のうらが地面から受ける力、また目で見える光景や平衡感覚、そして記憶などです。この情報は常にアップデートされ、変化していきます。

そのため最初は【正常】な姿勢を取れていても、何かに集中していたり、椅子や机の高さが合わなかったりして崩れた姿勢が長時間続くと、身体はそれに慣れていき、【ボディマップ・ボディースキーマ】が崩れていってしまうのです。

頭の中の地図、ボディマップが書き換えられてしまっているので、自分の感覚で姿勢を修正する・整えていくことが難しくなっています。

昨日投稿したように、身体の構造を知ったり

客観的な指導を受けていくことが効率的な改善に繋がります。

ご自分の身体で気になる部分のある方は、動作・歩行・姿勢の専門家である理学療法士視点を入れて、一度ご自身の身体をチェックしてみませんか？

現在の問題点や、改善するためのセルフエクササイズもお伝えできます。
お気軽にご相談ください。