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【理学療法士目線で考える】正常歩行はホルモンの分泌も促すという話

正常歩行にはやっぱりメリットが多い

動作・歩行の専門家である理学療法士の目線で、正しい姿勢での正常歩行にはメリットがたくさんあり、取り入れることで健康におけるコスパがとってもいいですよ、という話を書いています。

こちらの投稿では、特に身体面において効果が目に見えて分かりやすい、感じやすいと思われるメリットを書きました。

他にも歩行にはメリットがたくさんあります。

目には見えないものの、身体の中で色々な影響を与える【ホルモン】という物質の分泌も、正常歩行は促して、私たちの身体を元気にさせてくれます。

是非とも読んで、歩行のコスパの高さを知っていただければ嬉しいです。

正常歩行で分泌されるホルモン①:幸せホルモンの代表格【セロトニン】

歩行は、リズム運動の一つです。
リズム運動とはその名の通り、一定のリズムを繰り返す運動で、他には咀嚼や呼吸も当てはまります。

このようなリズム運動をある程度続けると、脳の中にあるセロトニン神経と呼ばれる神経が活性化し、【セロトニン】というホルモンを分泌します。

この【セロトニン】は、別名幸せホルモンとも呼ばれており、以下のような様々な効果があります。

1)脳を最適な覚醒状態に導いてくれる作用。集中力を高めてくれます。

2)ストレスを軽減し、安定した心理状態を作り出す作用。イライラ、やソワソワなど、心の乱れを改善してくれます。

3)自律神経のバランスを整える作用。自律神経のバランスが整うと、腸内環境が改善したり、質のよい眠りに繋がります。

4)痛みを軽減する作用。鎮痛剤のような役目を持っています。

どの作用も、ポジティブなものばかりではないですか?

現代生活では、過度なPC・スマホの使用で眠りが浅くなったり、運動不足によってセロトニンが低下しやすい生活、環境と言われています。

歩くことでどんどん、セロトニン分泌を促しましょう。

正常歩行で分泌されるホルモン②:脂肪も燃やす【イリシン】

歩行によって、筋肉から【イリシン】というホルモンが分泌されます。

このイリシンには、脂肪細胞を白色脂肪細胞(脂肪を溜め込む細胞)から褐色脂肪細胞(脂肪を燃やす細胞)へ変化させ、脂肪燃焼に貢献する作用があります。

また、このイリシンは脳にも刺激を与えます。イリシンが血流に乗って脳に運ばれ、脳の海馬と呼ばれる部分で作用すると、BDNF(脳由来神経栄養因子)と呼ばれるタンパク質の分泌を促進します。

このBDNFの働きによって、脳の神経細胞の成長が促されたり、神経細胞同士の繋がりが強まり、学習や記憶、認知能力の高まりが期待できます。

脂肪燃焼だけではなく、頭の働きに作用するどんどん分泌させたいホルモンです。

ダイエット中の方は、特に栄養が不足し脳の働きも落ちやすくなるので、歩いて頭の働きも活性化させてしまいましょう。

【正常歩行】は身体の中でも効果を発揮する

いかがでしたでしょうか。

正常歩行は、筋肉や体力といった、目に見える身体への影響だけではなく、身体の中でもホルモン分泌を促し、元気になれるよう効果を発揮してくれます。

毎日必ず行っている【歩くこと】で、こんなにも沢山の効果があるのは本当にお得じゃないでしょうか。

この効果を最大限にするためにも、ご自身の身体と歩行のチェックをおすすめします。

歩行の専門家である理学療法士として、チェックだけではなく問題点の解明と、改善するためのセルフエクササイズもお伝えできます。

気になる方は是非ご相談ください。

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