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【理学療法士が考える】正常歩行のメカニズム

これまで、2020年から何度も何度も私たちはコロナの感染拡大を受け、外出や活動自粛を求められました。

2022年に入ってからは、感染者の拡大が報告されながらも、徐々に、静かにwithコロナが定着してきたような、人々の活動量が目に見えて増えてきている、と感じています。

あるアンケートの結果では、感染初めの2020年には、「運動不足だと感じる方」、「運動しなければいけないと感じている方」は全体の【80%前後】いらっしゃったようです。

同じアンケートの回答が、直近ではいずれも【70%前後】と減少傾向にありましたが、運動不足だと【強く感じる】方の割合は2020年より増加しており、「身体を動かさないと、、、」と思う方が増えているという結果であるとのことでした。

私は動作・歩行の専門家である【理学療法士】として、知識・経験から、「運動不足には歩くことが一番である」と考えています。

それがどうしてなのか、正常歩行が身体に与えるプラスの効果の内容や多さ(コスパの良さ)を書いたり、正常歩行を日常で取り入れるためのポイントなどをお伝えしています。

今日は、歩行のメカニズムと生活への効果について書いていきたいと思います。

【正常歩行】のときには、筋肉がどんな風に働くのか。

正常歩行を日常に取り入れることによって、歩行以外の生活場面でどんなメリットや効果があるのか。詳しくお伝えできればと思います。

まずは、歩行の前段階かつ、基本姿勢である【立位姿勢】について。

私たちが、常に重力にさらされていることは皆さんご存知かと思います。私たちが立っている間は、この重力に逆らうために【抗重力筋】と呼ばれる筋肉が働いています。

代表的な【抗重力筋】には、体の前側では腹筋群(腹直筋・腸腰筋)と太ももの筋肉(大腿四頭筋)、体の後側では背中の筋肉(脊柱起立筋・広背筋)、お尻の筋肉(大臀筋)、ふくらはぎの筋肉(下腿三頭筋)があります。これらの筋肉が働き、バランスを取ることで安定して立っていることができます。

「この筋肉、聞いたことあるぞ」と思われた方は、おそらくジムや宅トレなどで鍛えていらっしゃるのではないでしょうか。

【抗重力筋】は身体の中でも大きいため、鍛えることで正常姿勢が維持できるだけではなく、ダイエットにも繋がります。
筋肉が大きいために、鍛えることで効果も早く、よく感じやすく、筋トレでターゲットになることが多いのですね。

そもそも【抗重力筋】は姿勢を支えることから、本来ならば【自然と働くべき筋肉】なのですが、座りっぱなしだったり、長時間のPC作業やスマホの閲覧で不良姿勢・運動不足になりやすい現代生活では、衰えやすくなってしまっています。

そのため、正常な立位姿勢が取れるようになれば、自ずとこれらの【抗重力筋】を今よりも活性化させ、鍛えることに繋がります。

抗重力筋がきちんと働くようになると、骨や靭帯や、その他の筋肉や組織に余計な負担がかからないため、肩こりや腰痛、頭痛や足の浮腫み、冷えなど「いつからかずっとある不調」が改善していく効果もあります。

さらに、【正常歩行】では、この抗重力筋が働きながら身体を前に、遠くに運びます。

立位姿勢では動きがほぼないので、抗重力筋群は一定の長さ・状態で力を出して身体を支え続けるだけなのですが、【正常歩行】では動きがあるため、抗重力筋群が伸び縮みしながらも力を発揮し、重力に反して身体を支える、ということになります。

より効果的に【抗重力筋】を活性化させ鍛えてくれる効果が【正常歩行】にはあるのです。

「ちょっと、意識してみようかな、、、」と思ってくださった方、以下の投稿で正常歩行のためのストレッチを紹介しています。
【1日3分】からでもいいので是非取り入れてみてください。

番外編:ストレッチのポイント

また、自分の歩行を客観視することはなかなか難しいものです。
興味をお持ちいただけましたら、歩行の専門家である理学療法士視点で、一度ご自身の身体と歩行をチェックしてみませんか?

現在の問題点や、改善するためのセルフエクササイズもお伝えできます。
お気軽にご相談ください。


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