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学校は勉強するところですから

姉が面談で言われた言葉です。
おそらくですが、これまでの話の流れからすると、つき離されて言い放たれた状況。当事者ではない私としては、この言葉尻だけ取り上げて何かいうつもりは毛頭なく、何かの事情で言われても仕方がないだろうという感想を持っています。

というのも、なんといっても姪は、個性が際立っています。仮装フェスティバルで女の子たちがウサギや猫の被り物をつけているのに、コック帽のような縦長の馬を被って可愛いかどうか恥ずかしがっている子です。この話を聞いたとき、くっくっくっくと爆笑。今でも語種。まったく授業中どうしているのやら。小学校の先生も大変でしょう。

しかし、姉は学校は勉強するところですからに対して「こんなこと言うんだよっ」て感じでした。だから、私は大真面目な顔で「いや学校は勉強するところだよ?」と念押ししてしまいました。

なぜ姉は不服かというと、その言い分はおそらく、

学校は教育するところですから

だと思っていたから、だと思うんです。

どこまでも想像の域から出ませんが、おそらく「家庭教育」に「学校教育」をプラスして子供を両輪で育てるという感覚ではないか。それは私も同意です。

でも、これって、乱暴に言うとどちらも受けるばかりですよね?

家庭教育 = 子供は人として躾けられることが多い
学校教育 = 子供は社会を教えられることが多い

どっちも「〜される」「〜られる」の受身が多いです。

この、子供を「教えて育てる」つまり「教育する」の中に、ぜひ「子供を」ではなく「子供が」自らの力で自らを育てられる機会も含めて欲しいです。どんなレベルかは個々で異なるでしょう。が、どんな人にとっても学校は「勉強する」ところですよ、大賛成!

いつか成長する過程のなかで、欲求が湧いてきて、今より何かをもっとと思ったとき、自分をプラス1にでも2にでもできる「学ぶ力」が潤沢にあればあるほど、それは最強の武器。親はずっと一緒にいられないし、人は最後は独りかもしれません。幼いうちに一つでもそういう力を身につければ、100年くらいずっと誰からも奪われることなく自分を支え、右肩上がりに伸び続けます。「知識」一つより、「学ぶ力」一つの方が価値があります。

「学ぶ力」は勉強を通して身につける

学童期は特に、自らの力だけで学べる力を養うだけでなく、できればいずれ自分以外の他を教育できる人となる(親になる・手本になる)ために、勉強をゆるされ勉強できる機会や場所が必須です。それを、おしなべて学校は担っていると思います。自分を+1に増やす、あるいは2倍にするため、人によっては2乗にするために自ら学べる力は大事です

かつての、ある一定の年齢になったら定まった生活圏を超えて広く英知を学び社会の逸材にという理想。により、明治時代くらいから西洋文化の流入に伴って学校教育制度が拡充したんだったと記憶しています。そのころ念頭にあったのは富国強兵だったかもしれないけど。その理想は今の学校につながっているはずです。

学生の頃、参考文献で教育や女子教育について古い本を読んでいた時期があります。もう内容はすっかり忘れちゃっているのですが、当時もともと自由な気分の私は、へーって外国人が日本食を食べるような眼差しでコミットしました。それで思ったのは、レンタルfreeの図書館があって自由になる時間があるだけで、なんでも学べる環境が整っている現代は恵まれているのかと。

戦争から帰還した祖父は、娘たちに「女は手に職をつけろ」と繰り返し諭し大学進学を勧めたそうです。いろいろ逆さま、逆では?と思いますか? 惨時に、どんな経験をして心に傷を負ったのか推して知るべしです。

ちなみに、私の大学3年間は学校滞在8時間+アルバイト8時間(飲食店禁止)です。基本的に、学費とお小遣いを18歳から自分で賄ったからです。当時でおよそ年間100万、4年で400万くらいです。それが海外では当たり前だと知って、しかも優秀であれば投資をうけ負債もできると知ってからは、根底にあるアンニュイな雰囲気はなくなっていきました。キツかったのですが、いつの間にか助けてくれる人、支えてくれる人が出てきたり。アルバイトもすごく社会勉強になったり。

でも、幼いうちはできるだけ生活に紛れず、全ての子供が勉強する場所と時間が確保されていて欲しいです。挫けちゃう場合もあるので、幼い子供であればあるほど学ぶ機会を確保し支えるのは社会の役割と思ってしまいます。

姪の先生がどういう心境で「学校は勉強するところですから」と切り出しのか不明ですが、私は「学校は勉強するところ」でなければ!と切に願っています。学校で勉強できる幸福に、大賛成です。時代が変わってきているので、老朽化した制度のなか大変だとお察ししますが、先生も含めた学校という環境が勉強にふさわしい状態を作り出せることを、一叔母としてすごく遠くから見守っています。

姪よ、算数や国語じゃなくて社会100点も偉いぞ!
馬の被り物も可愛いから、そのまま堂々と馬力で進め!


追記:2020/01/11
この記事を読んでくださってありがとうございます。
何かのきっかけになれば嬉しいです。

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