眠らせてしまう声を活かすには
ものすごく静かに暮らしています。
最近は本を読んでいます。ところが、新しい知識を頭に入れようとしたとき、捗らないことがあって。そこで、五感をフル稼働すると効果的なので、スマホのボイスレコーダーで、自分の音読を録音してみました。
これは音読音録勉強法。文字を眼で見る、声でたどる、耳できく、マーカーで線を引く、自分の声で聞くことでより頭に入りやすいです。
それを聞いて、あーそやそや。こんな声やったわぁと、なじみのある自分の声に耳を傾けました。歌も唄って、スマホに入れてみました。テレサテン「つぐない」「愛人」「ときの流れに身を任せ」あたりがモノマネ流に歌いやすく、杏里「オリビアを聴きながら」と同じくらい十八番です。が、おや? 声がかすれています。そりゃそうかと思うのです。
ここのとろこの長期続く生活スタイルで、身体の筋肉全体がしょぼくなってしまったのですが、声帯も貧弱になっていました。一人カラオケも行きそびれたままです。電話もかけない、喋らない生活が快適です。
とはいえ、美声が欲しい。ネット動画のボイストレーニングを探し試してみました。鼻から息を吸って、リラックスしたまま、喉を開いてヒッ、ヒッ、ヒッ、ヒッ、ヒィィィィーーーーとか高音に。で、夜寝ました。翌朝起きると、顎の下から首全体が筋肉痛。相当まずい状態です。
以前は、声を使う仕事を長くしていました。講師業です。
そのとき、
なんか聞いてると、眠くなる
そう言われたことがあります。
まったくトロンとした眼で、真正面から。そういうのをディスってるって言うんじゃないの?と思いつつ、一方で、へーって思いました。そういった人のふわっとした表情が「言いたくないけど言っとくよ、眠いのは僕のせいじゃないからね」って聞こえたからです。人によっては、強烈に眠気を誘う声って、あるかもしれないですよね。これがもしも万人受けするなら、癒し効果もあるかもで、催眠術士とか催眠療法士とかなれるかも。
とにかく、机に突っ伏した彼にとって私の声と話し方は、
眠くなるから、ソレやめて
これが真っ先にあるんだろうと思いました。実害ですね。
反対の立場にたてばわかります。やめて欲しいだろう。真面目な子でした。なんとかしてあげたいけれど、何をどうしたらいいのか。私もすごく真面目でしたから考えました。
当時、咄嗟に思い浮かんだのが、葛城ユキ「ボヘミアン」・もんたよしのり「ダンシング・オールナイト」といった名曲。あの、聴覚に体当たりしてくるような引っ掛かり。ざらつき。それが、私にはないということではないか。
溝を作りかけの脳みそに、何かしら引っ掛けて差し上げるには、声帯を潰せばいいのか。あるいは、ちょっとイライラするくらいの話し方をすればいいのか。でも、それは違うなと思っていました。私の声帯は、そっちの個性へ行くには遠い。真逆にあるのです。
自分の声は、真っ先に自分用にできているのでしょう。
だって、
音読音録して、それを繰り返し聞いていると、自分の声だからこそ頭に知識が自然に入ってきます。特に、再生中は受け身になっているので、余力から知識が頭のなかで立体的に想起して、三次元の図を構築し、絵として整っていきます。
動画で伝える何かを制作しようとしたときに、小さく自分で一回全部してみようとしているのですが、この声と話し方の問題が、ふたたび私の課題となりそうです。自分一人のためだけなら問題ないけれど、眠らせてしまってはいけないのですよね、やっぱり。もうこの声はこれなので、声じゃないところで工夫をすればいいのかな。
コワゴワでも、何かを伝えるときの声の役割。仕事として成り立っていたことだからこそ、改善して、もう一歩前に進みたいです。
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