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今日はひさしぶりに何もなかった。何もなかったから何かしなきゃと思って外に出ようとしたけど結局一歩も出れないまま終わってしまった。ほんとは誰かに会いたかったんだけど、誰にも会えなかったな。いつもあんな引き籠りたいと思ってるのに、やっと休みになるとその空白に押し潰されそうになってしまうのはなんでなんだろう。今日観た映画の、葬式のシーンがずっと心に引っ掛かってる。『誰かと親しくなると自分のことを話したくなる、でも話すことで親しい関係が壊れるそれなら誰とも親しくならない方がいい』『優しくないのは世界じゃなくて自分で、自分が優しくなれば世界も優しくなるかもしれない』これが簡単にできるのなら、もっと生きやすいんだろうなと思う。人との距離感なんて、生活しててそんな日々考えることでもないんだけど。優しさという嘘で偽ってでてしまった言葉は、一体どこに向かわせていけばよくて、良い人を演じて創り上げたこの世界は、果たしてちゃんと優しくなれているんだろうか。孤独ってどうしたら埋まるんだろうか。埋まったところでそれは満たされたということになるんだろうか。全然わかんないや。だけどわからないから、何かしらの答えを求めて、役者をしているんだなということはなんとなく分かってる。どんな才能もなかったから、役者を続けられてる。たとえそんなの間違ってるって怒られても、バイトでそれなりに生きていけたとしても、誰がなんて言ったって、だってこれしかないんだから仕方ないじゃんか馬鹿。昔から変わらず変えられず纏っているこの孤独は、もしこの先どんな幸せが訪れたとしても忘れないでいたい。小さいオレンジ色の電球だけついた部屋のベッドのなかで、すぐ其処にある遠い未来のことを考えてる。
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