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ひらめきや感性の価値をもっと伝えられる、「論証構造」のススメ

こんにちは。米川(@yoneshi0320)です。

これから求められる人材、「バフ人材」。彼ら彼女らが発揮する「バフ(=チームの能力を最大限発揮させる行為)」に関するnoteです。

「バフ人材?」という方は、先にこちらをご覧ください。


1分で読みたい方向け まとめ

・バフ人材に大切なのは、クリエイターの価値を補強すること
・優れた価値の補強には、「頑強な論証構造」が必須
・論証構造の要点は、1.主張 2.根拠 3.論拠
・価値は隠れがち。ゆえに明文化し、課題解決と紐つけるのがバフ人材の役目
・論証構造は、「技術」であり「整理のルール」
・ルールなので、必ず習得できる
・まずは、優れた主張−根拠−論拠を知ることから

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ベストセラー曰く

2016年、コピーライターの梅田悟司さんが書いた「『言葉できる』は武器になる」。読まれた方も多いのではないでしょうか。

自分(たち)の考えや価値を言葉にし、武器を手に入れる。
しかし、その武器での攻撃が(課題に)効果バツグンかは、また別の問題です。

バフ人材に大切なのは、映像クリエイターやデザイナーの武器=「ひらめきや感性から生み出されるアウトプット」の価値を毀損(きそん)せず、むしろ100倍に増幅できること。

いうなれば、効果バツクン(の機会)を作り出すことです。

そして、必要なのが、主張に「頑強(がんきょう)な論証(ろんしょう)構造があるか否か」です。


堅苦しそうな名称だけど

なんてことない。論証構造とは、あなたもふだん、意図せず使っていて、その要点は3つだけ。

1.主張
2.根拠
3.論拠(隠された根拠)

この3つの繋がりが鮮やかで、かつ論理的に矛盾がないこと。それが、「頑強な論証構造」です。


1.主張=もっとも伝えたいこと

 ビジネスの場面において、クリエイターが無目的に創作することは稀で、多くはクライアントの課題解決策を創作します。

そしてバフ人材は、「上記がクライアントの(認識している/いない含めた)課題解決につながっている」と伝えることが、価値を発揮する箇所=バフです。

しかし、「これは価値があります!」と叫ぶだけでは、相手が納得するには至りません。


2.根拠=「主張になぜ価値があるのか」を説明する材料

 付き添いで行く美術館では、(よほど興味がある内容でない限り、)作品を観た感想は、淡白なものにとどまるでしょう。

しかし、横の説明に「国宝」の二文字を見つけた瞬間、一秒前よりなぜか神々しく感じるのが、人間です。

このように、主張(=価値がある)を支える材料が、「根拠」です。

ただ、クリエイションとは文字通り、無から有を「創る(作る)」ことです。ゆえにクリエイター自身から明示される根拠だけでは、足りない場合も。

そこで、最も大切なのが3つ目の「論拠」です。


3.論拠=隠されている根拠

 論拠とは、頑強な論証構造において、主張を支える根拠の内、隠されているものを指します。

美術品の例に戻ると、後日ネットで調べ、「初めて〇〇という技法を用いた絵画であり、かつその存在が後のXX派のルーツになった。」を知る。

つまり、「世界の歴史・文化に影響を与えたという事実」が隠されていた。
このことは、更に主張を頑強にします。


「自」と「他」の混ざり合いを、論理で整理する

 論証構造、なかでも特に論拠がバフ人材にとって大切なのは、この「隠されている点」にあります。

クリエイターは、世界とクライアント、現状と理想、課題と打ち手について、具体と抽象を行き来しながら、唯一無二を生み出す存在。

しかしその過程で、自らの意見と様々な事象が混じり合うため、クリエイターにとって「『なぜそこに至ったのか』を記憶すること」は、劣後の対象です。

「どのように彫ったのか?」と聞かれ、かの芸術家・ミケランジェロは、次のように答えました。

”全て大理石の塊の中には予め像が内包されているのだ。彫刻家の仕事はそれを発見する事”
”大理石の中には天使が見える、そして彼を自由にさせてあげるまで彫るのだ。”

バフ人材の価値とは、この忘却された過程を明文化し、論理をもって、相手の価値へと続く道を築くことです。


「論理的思考(ロジカルシンキング)は、正直苦手です。」

 「そうは言っても……。」
「論理」と聞くと、数学や物理の思い出から、苦手意識が芽生える人もいるでしょう。

しかし、安心してください。ここでぼくが伝えたいのは、「論理的に思考すること」ではなく、「論証構造なる『技術』をまず知ること」です。

「技術」、つまり料理や英会話などど同じです。ある事象の「整理のルール」でしかありません。

<整理のルール 例>
・調味料は(味が一気に変わらないように)、さ(砂糖)→し(塩)→す(酢)→せ(醤油)→そ(味噌)の順で入れる。
・世界で唯一無二のものには、冠詞の「a」ではなく「the」がつく。


はじめの一歩

 「ルール」である以上、論証構造は、それ自体が体系化され、習得できるようになっています。

まずは、「優れたチームのアウトプットには、同じく優れた主張−根拠−論拠が必ずある」から、知る。

すると、アウトプットを見極める「目」を身につけることができ、効果バツグンに一歩、近づきます。

 「慣性の法則」により、動き出す「はじめの一歩」には、最もエネルギーが必要です。
しかし、動き出したが最後。あなたとあなたのチームには、価値が何倍にも高まる「可能性」が生まれるのです。

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※より論証構造を詳しく知りたい方には、以下の書籍がおすすめです。
ただ、勧めているぼくには、Amazonからもnoteからも、1円も入りません。あしからず。


まとめ

・バフ人材に大切なのは、クリエイターの価値を補強すること
・優れた価値の補強には、「頑強な論証構造」が必須
・論証構造の要点は、1.主張 2.根拠 3.論拠
・価値は隠れがち。ゆえに明文化し、課題解決と紐つけるのがバフ人材の役目
・論証構造は、「技術」であり「整理のルール」
・ルールなので、必ず習得できる
・まずは、優れた主張−根拠−論拠を知ることから

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ここまでお読みいただき、ありがとうございます。
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次回は2021年10月02日(土)更新予定

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