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教授や先生へのメールの書き方2023

要望が多いので2023年の改訂版である。
とはいえ、もはやメールなどほぼ使わない。学生とはDiscordやLINEで連絡を取っている。

だが、まだメール中心にやりとりしている教授・先生もいるだろう。学校側が組織的にSNSでの連絡を禁止しているケースもあるそうだ。そうなると学生は、メールで連絡を取らざるを得なくなる。

メール文化に馴染んでいる大人と、メールなにそれ?な若者が、メールでやりとりするのだから、誤解も生じるだろう。
「メールのマナーについて怒られたがなぜ怒られたのか意味不明だ」「メールを出すのは怖い」という意見感想も耳にした。

メールマナーのサイトを探してみたがが良いものがない。古いタイプのマナーばかりあふれていたり、厳しすぎたりする。
とくにメールマナーを食い扶持にするためマナーを捏造する輩は、ほんとうに迷惑なのでやめてほしい。
「必ず挨拶文を入れなさい」とか「依頼は添付書類で」という間違ったものもある。とくにたくさんメールを受け取る人は、儀礼的な定型文や添付は無駄に時間をとるので嫌がられる

メールのマナーなどローカル・ルールでしかない。挨拶文を入れる入れない、名乗る名乗らない(学内のメールを使っていれば名乗らなくても分かる)、携帯メールがいい悪いなど、地域や時期や状況で変わる

一方的な正解をおしつけ、あまつさえ「失礼だ」などと怒る人は、ただの独善的なおこりんぼさんなので、スルーするのがいい。
が、なるべくトラブルが起こらないように、相手と心地よくコミュニケーションしたいものである。

そこで、学生向けメールの書き方をまとめてみた。一応、いまどきならこれぐらいの感じじゃないかなーということで書いてみた(根拠や理由も示すようにした)が、もちろん、それぞれの先生によって違うだろう
先生に、基本ルールを教えてもらうといい(先生も、めんどうくさがらず教えてあげよう)。
ひとまず、
米光教授に送るときは、以下のルールでよろしく。


まず前提を。
教授/先生のところには大量のメールが届く。日に100通ぐらい届くという先生も多い。受け持っている学生が30人いたら、いちどきに30通のメールが届き読んで処理しつづける場合がある。相手がそういう状態であることを想像して、メールを書くと良いだろう。

つまり、要を得た簡素な内容で、相手の負担が少ないようにするのだ。

1:学校のアドレスを使う

基本的に学校のアドレスがあればそれを使うのが良いだろう。わけのわからないマイナーなフリーメールは使わないほうがよい(迷惑メールとしてはじかれたりするので)。

2:件名を具体的に

件名を書こう。「質問」「課題」といった漠然とした件名ではなく、具体的に書くこと。
たくさんのメールを受け取る先生が、あとから検索したりするときに便利なように件名を書くようにしよう。年度も書いてあると助かる。
例:2021年第4回ゼミの課題提出
例:2021年7月4日のゼミについての質問

3:まず名前を書く

先生のところにはたくさんのメールが来る。まず自分が誰なのかはっきりすること。フルネームで書く。名前は学校に登録している表記で書くこと。
また卒論や卒業制作についてのやりとりの場合は、そのタイトルも書いておくとよい。
例:学籍番号*****、米光ゼミの山田太郎です。

いきなり「例の件なんですけど」などと書かない。「お前は誰? 例の件って何?」ってなっちゃうのよ。

4:挨拶文は不要

「ご多忙のところ申し訳ありません」「夜分遅くすいません」「いつも授業ありがとうございます」等の挨拶文は不要。(これ、つけないと怒る人もいるし、効く人には効くので、練習だと思ってつけてもいいけど、紋切り型のヤツならつけるなー。意味をちゃんと知ってから使うこと)

5:添付ファイル名も具体的に

添付ファイルは開くのがめんどうなのでなるべく使わない。
必要がある場合は、添付ファイル名も具体的に
書こう。内容+名前が嬉しい。内容を示すファイル名だと同時に提出している他の人と同じファイル名になって混乱するのでだ。添付形式をどうするかは、事前にしっかり確認しておくこと。
例「卒論テーマ山田太郎.pdf」
メール本文ですむ内容を添付ファイルにしないこと。たくさん来ると添付ファイルを開くのがめんどうだからね。

6:送る前に読み返そう

送る前にメールに書いた文章を読み返そう。送ってからでは遅いぞ。

7:先生からのメールには返信しよう

質問等に答えてもらった場合は、お礼の返信等をしたほうがいいよ。答えた側は、返信がちゃんと届いたか、その内容が伝わったか、得心してもらえたかなどが気になっている。返信で、さらにわからないことがあれば質問するといい。

追加:敬称

宛名の敬称は必ず「先生」にすべし。「様」にすると機嫌が悪くなる」と先輩からアドバイスされたというエピソードを教えてもらった。
敬称が「様」だと、たしかに違和感がある。そのぐらいのことで機嫌が悪くなるのもどうかとは思うが。

「先生」じゃなくて「教授」とかにしたほうがいいのでは説もあるが、なかなか難しい。助手、助教、講師、准教授、教授といった謎の肩書がいっぱいあるのだ。しかも、それが変わっていく。ネットで調べたら准教授だったが、今年度から教授になっていたとかある。
どれだか正確にわかっていればいいけれど、どうなんだろうなーってときは、リスクが大きいので「先生」でいいと思う。

学生のメールマナーの悪さをSNSで激憤する教師

ときどき学生のメールマナーについて激憤している教師のツイートを見る。いや、気持ちは分かる。すごいのが来るんである。
だが、メールのマナーなんてローカルルールだ。いや、そもそもマナーなんてものがローカルなルールでしかないケースがほとんどだ。国や地域やコミュニティが変われば変わる。
だから寛容であれ。
社会に出たら困るとかいう人がいるが、そんなことで困るような理不尽社会なら社会を変えたほうがいい。
「相手のことを考えて行動しよう」という処世術の具体例としてマナー教育するのはアリだが、根拠のないルールを強いるのはやめよう。

当事者間でシェア

だから、基本は寛容な気持ちで受け取る。以降もやりとりがあり、手間がかかりすぎるのなら、「こうしよう」と当事者間でシェアすればいい。

失礼かどうかは、当事者間のやりとりで生じる。そして、できる限り寛容であるほうが物事はスムーズに進む。


以下、事例を具体的に紹介する。

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