内田 凛子

雪国生まれ、温室育ちのパート主婦。 ローカルタレントの夫と愛くるしい猫しか登場しない、…

内田 凛子

雪国生まれ、温室育ちのパート主婦。 ローカルタレントの夫と愛くるしい猫しか登場しない、暮らしの日記。

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夫とトイレットペーパー

私の夫はお笑い芸人(ただし有名でない)である。 結婚するまで親戚にも友人にもお笑い芸人がいなかったので、具体的にどんなことをしている人なのかわからなかったが、結婚した今も具体的な業務は謎に包まれたままだ。 私はただのしがないパート主婦なので、もちろん相方などいない。 ビジネスパートナーがいる感じには憧れることもあるが、少なくとも夫をそれにするのはちょっと嫌だな、と(妻なのに)思う。 結婚したばかりの頃、わが家のトイレでは怪奇現象が頻発していた。 2つ横に並んでホルダー

    • 夫とファッション

      夫のワードローブは、その7割が半袖Tシャツであるといって過言ない。 とにかく綿のTシャツばかりなのだ。 新しい服を最近買っていない、と言って出かけては、Tシャツを買って帰ってくる人間である。 季節も何もあったものじゃない。 では秋冬はどうするのかといえば、Tシャツの下にロンTを重ね着するだけである。 夫の体の最表面は、常にTシャツ。寒いだろう。 冬にそれは無理がある、とはじめはニットなどプレゼントしていた。 そしてそれを着てくれもしたが、夜になると決まって首と頬が真っ赤

      • 11月5日 本棚の前でわざわざ取材を受ける教授問題

        休日だけれど、仕事のWEB講演を聞く日。勉強になる。 何年か前までは、休日にわざわざオフィスカジュアルのコスプレをして出かけていたが、今は部屋着で受講できてありがたい。 まさかこーんな姿で受講しているとは誰も思うまい。 何人かの講師がかわるがわる講演してくれているが、職場っぽい本棚前で話す人もいれば自宅のリビングっぽい人も、背景にフィルターをかけている人もいる。 そんな中、後ろに彫刻された木みたいなものが映っている先生がいる。 なんだろう、とよく見ると欄間だ。 欄間の

        • 11月4日 chatGPTの背が高い

          明日で連休が終わってしまう悲しみに、朝から押しつぶされそうだ。 我ながらいつも早めに悲しみすぎ、という気がしている。 夫がすっかりchatGPTにハマっているため、喫茶店でモーニングを食べながら解説を拝聴する。 ハマりすぎてGPTー4にアップグレードしたそうだが、3.5とはかなり違いがあるようで聞いていると確かにすごい。 特に音声で会話ができる点が。 GPTさんがいかにスムーズに会話するか、夫が熱く語っている。 「かなり自然で、『アー、そうなんデスね、それは素晴らシイ考

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        • 夫と○○
          6本

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          11月1日 すべてGoogleのせい

          夫と飲みに出かけようとして、初めて行く焼き鳥屋さんに電話した。 「今夜ですけど、席は空いていますか?」と聞くと、 「えーと、誰ですか……?」という。 初対面なのだった。 もちろん、予約するのだから名乗るつもりだ。 それにしてはなんだか様子がおかしい。 そもそもなぜそんなにおびえているのだ。 「あれ、こちらは焼き鳥屋さんではないのでしょうか……?」 と、こちらもおびえつつ答えた。 「焼き鳥屋ではあるんですけど、どちらでこの番号を知りましたか……?」 普通にGoogle

          11月1日 すべてGoogleのせい

          10月31日 AIさんに逆らってはいけない

          駅のホームでふと見ると、上下ユニクロだった。 新しく買ったズボンが思ったよりぶかぶか大きい。 というのも、ユニクロオンラインショップのAIさんが 「あなたにはXSサイズがおすすめ」(メンズだった) とおっしゃっているにもかかわらず、 「いやいや、私ごときがXSなどめっそうもない」 とSサイズを購入したのが原因だ。 AIさんに逆らってはいけないのだった。 ぶかぶかするなぁと思ってふと見るとトップスもユニクロで、しかし私には少しも恥ずべきところはない。 胸を張って新幹線に乗

          10月31日 AIさんに逆らってはいけない

          10月30日 ダースベイダーに共感

          きれいな秋晴れで、月曜日のドナドナ感が若干薄まりつつ出勤。 遠くに見える山々が赤く光っている。 若い頃は山が見えても気に留めなかっただろう。 今日は雲がかかってるなーなんて、チェックするようになったのは最近のことだ。 歳をとると、自然の変化を見届けねばという気持ちになるな。 死が近いのだろうか。 粛々と仕事をしたが、どうしてもこれは何かでストレスを発散せねばなるまい、という目に会った。 月曜日なのに…… 週の初めはどうにもままならず、夫を誘って飲み歩くことが多いが今日

          10月30日 ダースベイダーに共感

          10月29日 百貨店のキラキラに耐性

          ゆうべは飲み過ぎてしまった。 いかんせん、数軒隣に焼き鳥屋さんがオープンした喜びで日本酒を重ねてしまったのだった。 しかし今日は出かけねばならぬ。 夫より、70代マダム向けのプレゼントを用意するようミッションを仰せつかっているのだ。 普段ならいつも通りネットで済ますところだが、3日後に使うプレゼントだそうなので、ロクシタンのサイトのカゴに入れたところで泣く泣く断念したのだ。 果たして、近所のデパートまでてくてくと出かけた。 いつもはウィンドウショッピングが多く、明確な目的

          10月29日 百貨店のキラキラに耐性

          10月28日 キャベツだけで呑む覚悟

          この街は最近、めっきり外国人の観光客が増えている。 この季節にこの田舎町のどのあたりに魅力があるのかわからないが、いろんな肌の色の方々が歩いている。 そんななか出勤。みなさん、私は仕事ですよ。どうぞ観光を続けてください。 粛々と仕事が終わり、今日は家に食材があまりないので久しぶりにコンビニ晩酌だな、と家路についた。 通勤経路にあるコンビニでLチキ(旨辛)を買わんとするが、なんとコンビニがお休みであった。 ローソン、休むんだ…… いや、たまには休んでいいよね、毎日がん

          10月28日 キャベツだけで呑む覚悟

          10月27日 ただまっすぐ立ってくれ

          この時期は本当に何を着たらいいかわからない。 トレンチコートがあれば便利だが、今年もまたもや買っていない……というこのトレンチ逡巡の話、半年ごとに繰り返している気がする。 結局今年も買わず、ZARAのてろりとしたコートを羽織って出勤。 先日の高校同級生旅行でも話題になった、 「この年になるとユニクロと無印でいいよね」事案である。 私も、ユニクロと無印とたまにZARA、で持ち服が構成されている。 服に興味がなくなったのではない。 (それはもともとない) オンラインでしか買い

          10月27日 ただまっすぐ立ってくれ

          夫と見えない鏡

          休日は家から一歩も出ない日も多い私にしては珍しく、2週連続で旅行に行ってきた。 それにしても、先週は高校時代の同級生たちと2泊したのがとても楽しくて、これは死ぬまで覚えているだろうな、というくらい心のベストテンの上位に食い込んだ。 たくさんおしゃべりをし、浴びるようにお酒を飲み、ほっくほくで自宅に帰ってきた。手を洗う。 洗面台の鏡が見えない。 鏡はそこにある。が、汚すぎてよく見えないのだ。自分が。 点々と、無数の水玉模様の奥に、怪訝な表情をした女がかろうじてちらりと見

          夫と見えない鏡

          2月28日 光陰矢の如く逃げて走る

          わりと夢は覚えている方なので、朝起きしなに夢のストーリーを夫に報告するのが常である。 「……でね、そこに小籠包があると思い込んでいるだけじゃないかって私が指摘する、って夢を見たよ」 「……」 「見たよ。どう? どう思う?」 「見たんだねー(困惑)」 までがモーニングルーティーンである。 今日は穏やかで春うららな天候なので、薄手のコートで出かけた。 このまま春に突入しそうである。 ここ2年間、いわゆる春コートなしで春を乗り切った身としては、次の春が来るのが少し怖い。 ステン

          2月28日 光陰矢の如く逃げて走る

          夫と「いつも見てます」

          夫はさほど有名ではないとはいえ一応ローカルタレント兼YouTuberであるため、ときたま外出先で声をかけていただくことがある。 テレビ(地方局制作の番組)で観たことある!と気づくと、つい声をかけたくなってしまうものだろう。 皆さん必ずおっしゃる。 「いつも見てます!」と。 繰り返すようだが、夫は全く有名でないのでいつもテレビに出ているわけでもない。 絶対にいつも見るような人間ではないのだ。 なのに口をついて出てしまうのだろうか。 「いつも見てます!」 いつも、見ている

          夫と「いつも見てます」

          6月14日 白ワインを飲んでいると凍えそう

          作り置きの冷菜おかずばかり食べていると、寒くなりませんか。 メインを作るのが面倒な時は常備の冷菜おかずだけを肴に晩酌するが、決まってだいたい寒い。 茹で鶏と、キャロットラペと、なすナンプラーマリネと、という感じで白ワインを飲んでいると凍えそうになる。 寒すぎて、真夏に焼酎のお湯割りを作り出したりするはめになる。 今ちょうど印度カリー子の「やせるスパイスごはん」を読んでいるので、色々作ってみたい気持ちを止められず、ひとまずスパイスコールスローを作ってみた。 「ベンガル料理は

          6月14日 白ワインを飲んでいると凍えそう

          6月13日 バッテリーがどんどん届く

          今日も家のどこかからブーンという低い音がする。 バッテリーを充電している音である。 どういうわけか、夫のYouTube内でバッテリーを紹介してほしいという案件依頼が引きを切らないらしい。 インドア一筋40年の私には未知の世界だが、世の中にはかくもたくさんのモバイルバッテリーがある。 というくらいに、我が家にどんどんバッテリーが送られてくるのだ。 引き受けている件数よりはるかに多くの依頼があるらしいので、夫なりに精査しているはずだが、それでもどうしてもバッテリーがそのうち

          6月13日 バッテリーがどんどん届く

          6月12日 夫からバイト代をせしめてでも自らの老後を豊かにしたい

          夫が朝からプリンターに説教している。 本日は地元のサッカークラブの試合をにぎやかすお仕事らしく、その駐車場で提示が必要になる許可証をプリントアウトせんとしている。 なんでそういうことを朝にやるのだ。 こういう締め切り直前の局面に限って、プリンターは機嫌を損ね、USBは開けなくなり、クラウドへの通信ができなくなるものと相場が決まっているのに。 夫は、あらゆる準備に費やす時間を逆算する技術をまだ習得していないので、朝夜問わず出かける前は常にぎりぎりなのである。 途中から私が替

          6月12日 夫からバイト代をせしめてでも自らの老後を豊かにしたい