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2023年バージョンのFirst Loveを聴いて思うこと

中学生の頃、宇多田ヒカルの虜になった私はもう大学生になった。当時彼女は活動休止中で、その間過去の楽曲を聴いたり、ライブDVDを観たりして、彼女への想いを募らせていたところ、中学3年生の春、彼女は朝ドラとと姉ちゃんの主題歌「花束を君に」を機に活動再開した。復帰作は「Fantôme」。高校受験のため通う塾のバスで聴くためにイヤホンを買ったのを思い出すなあ。

突然「First Love」について書きたくなったのは、彼女の誕生日に行われたイベント「40代はいろいろ
で歌唱された音源が昨日から配信(YouTube、各種音楽配信サービス)されたから。チケットをとってはいたものの、私用でリアタイできず、今やっと観られた、聴けた、という状況でnoteを開いた。私は好きなものを好きだと伝える文章を書くのが苦手だ、どこまで書いても伝えきれていないなと思う。でも、拙いなりに残しておきたいと思った。

First Love」が名曲であることはもうリリースされた当初から多く語られている。私が生まれる前に彼女が若くしてリリースしたこの曲は、20年以上後にドラマ化されるくらい、長く、多くの人に愛されている楽曲だ。

私が2023年バージョンの「First Love」を聴いて一番に思ったことは「歳を重ねるのって素敵なことなんだな」だった。誰かと比べるわけではないけれど、これまでの彼女の人生は壮絶だったと思う。芸能一家に生まれ、若すぎる劇的デビュー、失った青春、母親の自死、心の不調。傍から見ると成功者でしかない彼女の人生に相反して、過去作で「栄光なんてほしくない 普通が一番だね」と歌っているのが沁みる。

デビューしたての若さ全開のエネルギーと共存する儚さをもつ歌い方ももちろん大好きで、素敵なものだけれど、今の彼女の声はとびきり優しく、あたたかい。歳をとり、酸いも甘いもたくさん経験を重ねた彼女の歌唱は、劣化することを知らない。

40歳の彼女の「First Love」は15歳の少女の失恋を優しく包み込むようなあたたかい応援歌だった。

生きていてくれて、歌い続けてくれて、私は彼女に心から感謝している。私の心の弱い部分を優しくそっと撫で、抱きしめてくれるような彼女の声と楽曲はこれからも私の人生をきっと支え、照らしてくれる。

宇多田ヒカルさん、40歳のお誕生日おめでとうございました。これからも健康に幸せな日々を過ごしてくださいね。大好きです。

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